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ついに投票日 トランプ最後のあがき“熱狂”やまず 誰が勝つ 「米大統領選」核心リポート
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2016年11月8日 堀田佳男 ジャーナリスト 日刊ゲンダイ 文字お越し
支持者は諦めていない(C)AP
「ヒラリーはガス欠だ。余分なエネルギーなんかあるもんか。(選挙後は)ご帰館いただくだけだ。でも私は大統領を十分にこなせるエネルギーに満ちあふれている」
今月5日、トランプは激戦州の一つであるフロリダ州タンパを訪れ、数千人の支援者を前に吠えに吠えた。そして公約であるメキシコ国境の壁建設、シリア人難民の入国禁止、さらに軍事力の強化を訴えた。そして自家用機に乗り込むと同日中に、ノースカロライナ州、ネバダ州、コロラド州の遊説もこなした。確かにエネルギーはみなぎっている。
「ヒラリーはビヨンセをはじめとするセレブを応援に呼んでいるが、私にセレブは必要ない。一人で十分だ!」
最終盤に来ても表面的な勢いは、ヒラリーよりも上回っているかに見える。ただ、日本からは目につきにくい所で、ヒラリーは地道なドブ板選挙も続けているのだ。
戸別訪問が許可されている米国では激戦州で多数のボランティアが一軒一軒、家屋を訪ね歩く。特に接戦が予想される地域(郡)では何度も同じ家屋を訪れて、有権者の意向を確認する。高齢者や身障者が投票所まで車を運転できない場合、マイクロバスで送迎サービスをしたりもする。
さらに激戦州での勝敗を分けるものはテレビ・ラジオの批判CMである。放映できるCMの本数と金額に制限はない。極端な話、地方局の1日のCMをすべて買い取ることも自由である。批判CMはサブリミナル効果があるため、見る人にライバル候補の悪い印象を潜在的に刷り込むことができる。
過去30年を振り返っても、より多くの金額を批判CMに割いた候補が勝つという流れがある。10月だけをみても、ヒラリーは3030万ドル(約31億2000万円)をCMに費やしているのに対し、トランプは1930万ドル(約19億8700万円)。支持率や候補としての資質だけでなく、こうしたところにも勝負の分かれ目がある。
ただ、今のヒラリーに欠如しているものは支援者からの圧倒的な「熱狂」である。トランプは行く先々で、多い時は2万人超の支援者が待ち構える。ヒラリーは数百人ということさえある。この差はいったい何なのか。
選挙の常識を覆し続けてきたトランプに、選挙結果さえも覆す力はあるのだろうか。
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