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豪貿易相「TPP再交渉に応じず」 日本の姿勢を高く評価
【キャンベラ=高橋香織】オーストラリアのチオボー貿易・観光・投資相は日本経済新聞のインタビューに答え、環太平洋経済連携協定(TPP)に関して「これ以上の交渉をする用意はない」と話し、再交渉に応じない姿勢を明確にした。国内の議会承認に向けて全力を注ぐ考えを示し、早期発効に取り組む日本の姿勢も高く評価した。
米国内でTPPの再交渉議論が台頭する現状を踏まえ、「合意したことが全てだ」と強調。米国などが協定の再交渉を呼びかけても応じる考えがないと述べた。
来年1月のオバマ米大統領の任期切れをにらみ、「米国にTPP承認を働きかけると同時に、承認に向けた国内手続きに強い決意で臨む」と語った。豪議会での審議入りは「年末から来年初めに両院合同条約委員会の報告書がまとまってからになる」と話し、審議が来年以降になるとの見通しを示した。
国会でTPP承認案と関連法案の審議に入った日本の動きにも言及。「力強く前向きなイニシアチブに感謝する」と述べ、両国で協調してTPP参加国の承認を後押しする考えを示した。
豪州は今年2月のTPP協定署名後すぐに国内手続きに着手した。議会審議の前段階となる両院合同条約委員会で討議を開始。産業界などから意見を聞き、条約締結に関する提言を議会に提出する作業を進めている。
審議では、総選挙で躍進した野党の労働党や国内産業保護を掲げる少数政党がカギを握る見通し。与党の保守連合は下院では150議席中76議席と辛うじて過半数を保っているが、上院は過半数に達していない。チオボー氏は「労働党はTPPに反対の立場を明言していない」と述べ、支持獲得に期待を込めた。
資源やエネルギーの設備投資に依存した経済からの転換を目指し、「経済成長や繁栄、雇用創出の原動力となる自由貿易を推進する」と表明した。豪州の10倍の人口規模があるインドネシアとの経済連携協定(EPA)締結に最優先で取り組み、「来年中に合意できる」との見通しを示した。
日中韓など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉に関しては「来年にずれこんでも高い水準の合意に至ることが大事だ」と慎重姿勢をみせた。豪州は日中韓と自由貿易協定(FTA)が発効済み。2国間FTAと多国間FTAの両輪で高い自由化をめざす。
スティーブン・チオボー氏 コンサルタントを経て2001年、クイーンズランド州から初当選、6期目。14年12月、貿易・投資政務官。15年9月発足のターンブル政権で国際開発・太平洋担当相として初入閣した。16年2月から貿易・投資相。同7月に観光が担当に加わった。42歳。
[日経新聞10月26日朝刊P.6]
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