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北米
クリントン氏再捜査の裏にFBI内部対立
元下院議員のノートPCにクリントン氏の私用サーバーとの送受信痕跡
クリントン氏のメール問題でFBIが捜査を再開(写真は10月30日、フロリダ州の集会で支持者らに対面するクリントン氏)
By DEVLIN BARRETT
2016 年 10 月 31 日 15:54 JST 更新
米民主党大統領候補ヒラリー・クリントン氏が国務長官時代に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題で、連邦捜査局(FBI)が捜査を再開したことにより、捜査の進め方を巡るFBIと司法省の内部の対立があらわになった。
FBIは、新たに見つかったメール約65万通の中で以前のクリントン氏への捜査に関係するものを精査する準備を進めている。捜査は7月に終了していた。
事情に詳しい関係者によれば、アンソニー・ウィーナー元下院議員(民主)と、別居中の妻でクリントン氏側近のフーマ・アベディン氏が使っていたノートパソコンに見つかったメタデータ(データに関する属性情報を記述するデータ)から、クリントン氏が国務長官時代に使っていた私用サーバーとの間で送受信されたメールが大量に含まれている可能性が浮上した。これらのメールが、アベディン氏が国務省でクリントン氏の下で働いていた時期の仕事に関係するものかどうかを特定するには、最短でも数週間かかる見通しだ。FBIによって既に点検済みのメールと重複しているかどうかや、クリントン氏に対する捜査で重要な新証拠や機密情報が含まれているかが精査される。
FBIはメールの精査を開始するために裁判所命令を待たねばならなかった。クリントン氏の捜査とは関係ないウィーナー氏に対する捜査で発見されたからだ。
捜査再開はコミーFBI長官が10月28日に明らかにした。この裏には、クリントン家に関連する事項にどう対応するか、そしてこうした問題を大統領選挙の真っ最中にどのように公正かつ注意深く扱うかを巡り、FBI内部で時に激しい対立があった。関係筋によれば、クリントン氏の私用メールに関する捜査が7月に終了しつつあった時も、クリントン家の慈善事業への捜査を巡るFBIと司法省での内部対立は激化していた。
きっかけは、わいせつメール捜査
新たな動きが始まったのは10月上旬。ニューヨークのFBI当局者らがFBIのナンバー2であるアンドリュー・マッケーブ副長官に対し、ウィーナー氏が未成年の女性にわいせつなメッセージを送信していた疑いで捜査した際に、メール65万通が残るノートパソコンを押収したと伝えた。関係筋によれば、メールの多くは妻のアベディン氏のアカウントからのものだった。
同筋によると、これらのメールは何年も前にさかのぼるもので、クリントン氏のメール問題捜査の際には発覚していなかった。アベディン氏は8月下旬、夫のウィーナー氏とは別居中だと述べている。
関係筋によれば、FBI捜査官は押収したパソコンの中に児童ポルノ写真があるかどうかを調べていた。当時の捜索令状には、クリントン氏のメール問題と関係する事項の捜査権限は付与されていなかった。ウィーナー氏は、未成年者に不適切なメッセージを送ったことはないとしている。
FBIがノートパソコンのメタデータを調べたところ、クリントン氏の自宅の私用メールサーバーが送受信したメッセージが何千通も含まれている可能性があることが早い段階で分かった。FBI高官は、ウィーナー氏担当の捜査官にメタデータの精査を進めさせることを決定した。
関係筋によると、司法省とFBIの高官たちによる先週初めの会合で、マッケーブ副長官はメール問題担当の捜査官に対し、ウィーナー氏担当の捜査官と話し合って、ノートパソコンに残された内容がクリントン氏の捜査に関連しているかどうか判断するよう命じた。捜査官たちは、関連している可能性があるとの見方で一致した。
コミー長官が捜査を進めることを決定し、28日に議会に通知すると、爆発的な反響があった。司法省高官は事前にコミー長官に対し、議会への通告は、選挙に影響しかねないあからさまな行動を禁止した方針に違反すると警告していた。FBI内部でも、7月の捜査終結会見を含め、メール問題捜査を巡るコミー長官の公式発言に不満の声が出ている。
クリントン財団を巡る対立
一連の動きは、クリントン氏や関係者に直接・間接に関連した幾つかの問題を巡るFBIの捜査の仕方を反映している。
クリントン財団の捜査に関する証拠の強さに上級幹部らが繰り返し疑問を投げ掛け、多岐にわたる取り組みを縮小しようと試みていたことが新たに分かった。一部の関係者によれば、この一件の追及を制限するよう捜査員たちに命じていた。同財団への捜査は、金融犯罪などの有無を見極めるために1年以上前に始まった。
一部の捜査官は、FBI上層部がクリントン財団の捜査に関心がないとみて不満を抱いたという。一方で、この見方と正反対に上層部を擁護する捜査官もいる。彼らによれば、クリントン財団の一件を追及するFBI捜査官と司法省との間で主導権争いが激化し、とりわけマッケーブ副長官はその板挟みになっていたという。
現場の捜査官が上司や検察官以上に攻撃的なアプローチを好むのは珍しいことではない。ただクリントン財団を巡る内部対立は、大統領候補に関わるこの種の対立が過熱しやすいことを示している。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、マッケーブ副長官の妻のジル・マッケーブ氏(以下ジル氏)が2015年末に、マコーリフ・バージニア州知事の政治行動委員会(PAC)から46万7500ドル(約4700万円)の選挙運動献金を受けていたと報じた。同知事はクリントン家の長年の同志で、13年11月に知事に選出されるまでクリントン財団の理事会メンバーだった。
マコーリフ知事がジル氏を支援したのは、ジル氏と他の一握りの民主党員がバージニア州上院で当選し、過半数議席を獲得することを望んだためだった。ジル氏は昨年11月の選挙で落選し、民主党は過半数議席を獲得できなかった。
「最も異様な会合」
ジル氏はWSJに対し、「立候補する決断をした時から、夫(マッケーブ副長官)は私の選挙運動で正式な役割をもたなかった」と述べた。
マッケーブ氏は今年2月、FBIのナンバー3から副長官に昇格した。FBI関係者によれば、同氏は副長官に就任してからクリントン氏の私用メール問題に関する捜査を監督し始めた。
当時はクリントン財団関連の捜査が全米4カ所のFBI事務所で進行しており、何カ月間にもわたって議論の的だったという。
関係筋によると、FBI当局者は今年2月、司法省に状況説明をしたが、会合はあらゆる点でうまくいかなかった。
一部関係者によれば、これはクリントン財団へのもっと攻撃的な追及を正当化できる決定的な証拠をFBIが提示しなかったためだった。一方で、司法省当局者は最初からこの件に極めて冷淡で否定的だったと語る関係者もいる。
ある会合参加者は後に、「これは私が出席した中で最も異様な会合だった」と語ったという。
コミーFBI長官が7月、クリントン氏のメール問題で訴追に反対する勧告を出した約1週間後、FBIはクリントン財団の捜査に再び集中した。FBIのニューヨーク事務所が主導し、アーカンソー州リトルロック事務所から支援を受けることをマッケーブ副長官が決断したという。
FBIのワシントン事務所はマコーリフ知事に絡む別件の問題に集中することになった。マッケーブ副長官は既に今春、この捜査に関与しないことを決断していた。過去の同知事から妻への献金を考慮したためだ。
この決断はFBI内部では一部から懐疑的な目でみられた。クリントン財団とマコーリフ知事に対する捜査を一体化すれば、より強力になるとの見方があったからだ。しかし他の当局者、とりわけ司法省の高官は、この2つの捜査は証拠面で弱く、捜査権限を拡大するにはふさわしくないと判断していた。
「かんかんに」怒った司法省高官
これらの捜査に関係した人々によれば、ある司法省高官は8月12日、マッケーブ副長官に電話し、強い不快感を伝えた。ニューヨークのFBI捜査官らがクリントン財団の捜査を続行していると知ったためだ。これに対しマッケーブ氏は、司法省の承認を必要とするような公然の捜査を行わない限り、FBIにはこの問題を追及する権限があると答えたという。
マッケーブ副長官に近いある人物によると、この司法省高官は「かんかんに」怒り、司法省が死んだとみなした案件をなぜFBIは追及しているのかとマッケーブ氏を詰問した。ただ別の関係者によると、司法省は、選挙に影響を与えようとしているとみられかねない公然たる捜査はしないという長年の方針に、FBIが従っているかを確かめようとしただけだという。
電話のやりとりに詳しい人によれば、マッケーブ副長官は司法省高官に「あなたは、正当な根拠のある捜査を停止する必要があると言うのか」と質問した。一瞬の沈黙の後、同省高官は「もちろんそんなことは言っていない」と答えたという。
ある人物によると、マッケーブ副長官を支持する側にとってこのやりとりは、ある案件にもっと資源を投入したいFBI現地事務所とその案件自体を重視しない司法省との間で、マッケーブ氏が板挟みになっていたことを示している。FBI関係者によれば、マッケーブ氏は電話のあと、FBI捜査官らに対し、自分たちの持っている権限の範囲内で追及を続けるようにとの過去の指示を繰り返したという。
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http://jp.wsj.com/articles/SB10200540860194693704004582407290945918200?mod=wsj_nview_latest
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側近のフーマ・アベディン氏、ホワイトハウス入りに暗雲
米大統領選の討論会会場で支持者と言葉を交わすヒラリー・クリントン氏(右)と側近のフーマ・アベディン氏(左) E
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-QN528_HUMA10_M_20161030184217.jpg
By LAURA MECKLER
2016 年 10 月 31 日 17:13 JST
フーマ・アベディン氏はホワイトハウスのインターンとして大統領夫人オフィスに配属されて以来、20年にわたりヒラリー・クリントン氏と行動を共にしている。米大統領選でクリントン氏が当選すれば、新大統領とホワイトハウス入りを果たすことが確実視されていた人物だ。
しかし28日に米連邦捜査局(FBI)がクリントン氏の私用メール問題に関して新たな発表を行ったことを受け、既定路線は一変。メール問題に絡んでアベディン氏に再び注目が集まる中、クリントン氏も最も重要な側近である彼女との関係を考え直さざるを得ないとする声が民主党内で聞かれるようになった。大方の予想通りにアベディン氏が上級職員として雇われたとしたら、クリントン氏の疑惑が払拭(ふっしょく)できなくなるのではないかとする懸念もある。
クリントン氏が国務長官時代に私用サーバーを使ってメールを送受信していた件について、当初FBIは今年の夏に捜査終了を発表していた。しかし今回捜査の新たな証拠となったデータは、アベディン氏が夫と共用していたノートパソコンから発見されている。疎遠な間柄にある夫のアンソニー・ウィーナー元下院議員は、15歳の少女に性的なメッセージを送っていた疑惑で捜査対象の身。その捜査の一環で、今回のクリントン氏のメールも見つかった形だ。
新たなメールが個人的なものである可能性や、すでに捜査機関に提出されたもののコピーである可能性は残る。その場合、クリントン氏やアベディン氏が長期間にわたって批判を受ける可能性は少ないといえる。しかし友人やスタッフとの関係を重視してきたクリントン氏を根拠にアベディン氏のホワイトハウス入りを確信する民主党議員もいる中で、すべては今後の捜査次第だとする意見もある。
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今回のメールによって深刻な問題が表面化した場合、そのインパクトはより大きなものになることもありえる。ただし数千通とされるメールを一通一通調べる作業には数週間がかかり、結論が出るのは大統領選の投票日よりもはるかに先になることが想定されている。
クリントン氏「2人目の娘」
クリントン氏は側近の多くと何年にもわたって行動を共にしてきたが、アベディン氏はその中で誰よりも重宝されており、クリントン氏の「2人目の娘」と呼ばれることも多い。選挙期間中のアベディン氏は、クリントン氏の個人的な活動をすべて管理。スピーチや声明、会議や討論会の準備などを行うのはもちろん、クリントン氏が持つネットワークも取り仕切る。クリントン氏にたどり着くには情報も人もまずは彼女を通さなければならないような立ち位置だ。
クリントン陣営で責任者を務めるジョン・ポデスタ氏は30日、米CNNの番組に出演した際に、アベディン氏が「今回の選挙戦で重要で中核的な役割を果たした」とコメントをし、彼女が全体的なスケジュールを調整しながら、陣営の「上級幹部の腹心」のような存在になっていると話している。
そんなアベディン氏に照準を合わせるのが、共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏だ。コロラド州ゴールデンで29日に開催された集会でトランプ氏は「フーマはクビを切られないのか?」と同氏を名指しで批判。「フーマは問題だ、みんなもそう思わないだろうか? フーマ。フーマは問題だ。フーマが残ることになるのか、私も気になるところだ」と続けた。
大統領選の投票日直前にメール問題の捜査再開が公表されたことは、確かにアベディン氏にとって痛手だ。しかし彼女がこのような形で注目を集めるのは初めてではなく、また公の場で恥をかく事態もすでに経験している。
多岐にわたる疑惑、 クリントン財団との関係も
今回の新たなる証拠は、アベディン氏の個人メールのアドレスがクリントン家のサーバーに残っていたことが原因で発見された。保守派のグループは法的な手段を通し、アベディン氏とクリントン氏のやりとりをすべて入手することに成功。こうしたグループは彼女が使っていた国務省のアカウントのメールも数多く手にしている。その中にはクリントン財団の関係者が彼女に依頼事をしている内容のものもある。
トランプ氏はこれらメールを根拠に金銭の授受があったはずだと主張し、クリントン財団やその支持者が国務省から特別な引き立てを受けていたとしている。クリントン氏の陣営は国務長官時代に財団やその支持者から影響を受けたことはなかったと反論する。
またアベディン氏は国務省、クリントン財団、そして財団の元関係者が立ち上げに参加したコンサルティング業のテネオで同時に勤務しつつ、同時にクリントン氏の個人的な側近としても働いた経歴を持つ。この点についても共和党のチャールズ・グラスリー米上院議員(アイオワ州)が問題行為だと主張。この兼務は特別な専門性を持つ非政府関係者を短期的に雇うプログラムの元で行われたが、グラスリー議員はアベディン氏がこのプログラムの対象になる人物ではなかったと指摘する。
アベディン氏がテネオで働いていたことは、政府の業務とは関係のないことだと国務省は説明している。国務省在籍期間中に外部で仕事を兼務していたことについても、クリントン氏の長官退任後の準備作業に対して彼女に給料支払いをしなくてもいいように手配されたものだという。
夫の新たなスキャンダルも
しかしアベディン氏にとって個人的に最も苦しかったスキャンダルは、2010年に結婚したウィーナー元議員のトラブルだろう。2011年、ウィーナー氏は性的な写真やメールを他の女性に送りつけたことを認めて議員を辞職。当時妊娠中だったアベディン氏は婚姻関係を続ける道を選び、2013年にウィーナー氏が政界復帰を試みたときも夫に協力をした。しかしウィーナー氏がニューヨーク市長選に出馬した際には、同氏が議員を辞職したあとも他の女性と性的なメッセージを交換し続けていたことが明らかになっている。
そしてニューヨーク・ポスト紙は今夏、ウィーナー氏が下着姿の自分の写真を女性に送っていたと報道。その写真がベッドで寝る4歳の息子の横で撮影されたものだと判明すると、アベディン氏は夫と別れる道を選んだ。
FBIは9月、ウィーナー氏が未成年者ともメッセージのやりとりをしていたとして捜査を開始した。そしてその捜査中にクリントン氏に関する新たなメールが発見されたことで、クリントン氏の捜査再開に発展することになる。アベディン氏が自らのキャリアをかけて支え続けてきたクリントン氏の選挙戦略を、このタイミングで揺るがす事態となってしまった形だ。
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