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ながら運転、車載技術が助長 ハンズフリーでも認知力低下
車載技術がながら運転を助長
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By ANNE MARIE CHAKER
2016 年 10 月 28 日 15:11 JST
米議会が「ながら運転」についての規則強化に動くなか、自動車にますます多くのベルや警報が装備されるようになりつつあることから、ドライバーはかつてないほど道路から目をそらしやすくなっている。
音声技術のおかげで、手を使わずに文章を入力できるようになった―ロボットのように話そうとすれば、の話だが。車載ブルートゥース(近距離無線通信規格)を使って電話をかけようとして、夫や妻の名前を数回叫ぶハメになることも多い。タッチスクリーンのドロップダウンメニューは、ただ音楽を聞きたい時には迷路のように感じられる。
自動車メーカーはより多くの機器を提供し、ドライバーを携帯電話に近づけまいとしてきたが、その試みはしばしば阻害されている。ドライバーはそれらの機器を正常に動かすことに神経を使い、さらに注意散漫になる。
自動車メーカーの車載通信システム設計を支援するポケットスクエア・デザインのデザイン担当者は「エンジニアが携帯電話のような外観と感触の車を設計しようとしているのは、レースの第1段階だ」と述べた。GPSのナビゲーションや音楽アプリを提供するダッシュボードのタッチスクリーンはiPhone(アイフォーン)のような感じがする。
道路交通安全局(NHTSA)によると、2016年上半期の自動車事故による死者数は1万7775人と、前年同期から10.4%増加。昨年の驚くべき増加に続く急増となった。このことから、自動車技術や携帯電話の利用、ながら運転をめぐる懸念があらためて浮上している。
ステートファーム相互自動車保険が1000人のドライバーを対象に最近行った調査では、携帯で話したことがあると答えたドライバーが55%、テキストメッセージを送ったと答えたのが33%。インターネットを利用したと答えた人が26%に上った。18〜29歳のドライバーではこれらの割合はかなり高くなり、それぞれ64%、58%、48%だった。
ゼネラル・モーターズ(GM)は今年から、アップルの「カープレイ」とグーグルの「アンドロイド・オート」を、シボレー、キャデラック、ビュイック、GMCトラック、スポーツタイプ多目的車(SUV)に搭載している。この技術により、ドライバーは携帯の多くの機能を車のインターフェースから利用できる。GMでサイバーセキュリティーと安全なコミュニケーションを担当するトム・ウィルキンソン氏は「GMはハンズフリー電話の実現に焦点を置いてきた」と述べた。
ワシントンの非営利団体ナショナル・セーフティー・カウンシルの代表、デボラ・ハースマン氏によると、問題はハンズフリーの機器を使っても認知力の乱れは避けられないことだ。同団体は、従来の携帯とハンズフリー携帯の運転状況を異なる方法で比較した研究を30件超集めたという。多くの消費者は、ハンズフリーの技術を使うと自分が安全だという感覚に陥る。
ハースマン氏は「注意が散漫になっているのは手ではなく脳だ」と話す。ユダ大学のデービッド・ストレイヤー教授(心理学)らは昨年、刺激を受けながら運転している時の脳の負荷を測るため、ドライバーに脳波計を巻き付けて実験を行った。実験には102人のドライバーが関与した。
認知力の乱れは1(単純な運転)から5(小切手帳の帳尻合わせなど頭を使う非常に複雑なこと)で表した。結果は、ラジオを聞いたり(1.21)、オーディオブックを聞いたり(1.75)すると認知力がわずかに乱れた。同乗者に話しかける(2.33)、携帯電話で友人と話す(2.45)、ハンズフリー携帯で話す(2.27)といった話す行為では認知力がやや乱れた。音声で文書を入力する技術の使用(3.06以上)が最も乱れが大きかった。
ストレイヤー氏は、車載の音声認識技術にはエラーが起きやすいという欠点があると述べた。ドライバーが反射的にコンピューターを修正しようとして、不安度が高まり心理的負荷が上昇するのだ。ストレイヤー氏はまた、「ドライバーの関心が運転よりも電話を切ることに向いているケースは多い」と述べた。
より安全な運転を助けるための技術にまで落とし穴がある。ワシントンのある女性は自身が運転する現代自動車のサンタフェについて、温座からブルートゥースの電話まで、「想像しうるガジェットが全て搭載されている」と話す。だが特にイライラするのは、車線変更時に接近してくる車について知らせる大きな警告音だ。「余りに大きくてうるさいため、消した」という。
各州はながら運転の定義や取り締まり方法を決めることに腐心している。ニュージャージー州では、「自動車の実際の操作に関係のないことを、自動車の安全な操作を妨げるやり方で」行っているドライバーに召喚状を発行する裁量を、警察に与える法案が提案されている。これには、携帯やコーヒーカップが含まれる可能性がある。ニューヨークでは、ドライバーが信号待ちの間に文書を入力したり、携帯で話したりすることを禁じる法案が提出されている。現行法でこれが禁止されているのは、車が動いている時だけだ。
人間と車の交流について研究しているデューク大学のミッシー・カミングス教授によると、運転中の文書入力を規制する時に問題なのは、適用が非常に難しいことだ。文書入力しているかどうかは、ひざの上の電話を操作している場合にはそうだとわかりづらい。ドライバーはただ下を見ているだけかもしれず、「文書入力をしているかどうか本当にはわからない」という。
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