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米大統領候補のシリア戦略は「目くそ鼻くそ」  クリントン氏の税制案、経済成長を阻害する 富裕層増税が投資と成長を抑制
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/709.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 10 月 21 日 12:16:17: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 


コラム:
米大統領候補のシリア戦略は「目くそ鼻くそ」

Peter Van Buren

[18日 ロイター] - 米民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏には、シリアで過激派「イスラム国」を打倒する計画がある。ドナルド・トランプ共和党候補もそうだ。シリア紛争が国境を越えて拡大するなか、新大統領の戦略と今後4年間でどんな調整が必要かを理解することは大切だ。

トランプ氏は、シリア国民が紛争を回避するための「安全地帯」を提唱している。欧州その他の地域に脱出せず、国内にとどまっている難民が住む国内地域の一部に設定されることになる。

そうした安全地帯を創設する方法や主体について、トランプ氏は詳細を明らかにしていない。このイニシアチブに対する米国の支援は何らかの経済的支援に限定され、コストの大半は湾岸諸国によって負担される、と同氏は明言する。

トランプ氏は飛行禁止空域そのものについては支持していないが、その設定抜きに安全地帯を創設し、保護することは困難に思われる。

クリントン氏も安全地帯の創設を主張しており、同時に、飛行禁止空域についても一貫して提案し続けている。クリントン氏のプランでは、米国は、自国もしくはその同盟国以外の航空機がシリア領空の一部に進入できないようにする。ロシアの攻撃機やシリア政府軍のヘリコプターは撃墜されるリスクを負うことになる。

だが、クリントン氏の主張する飛行禁止空域、そして実質的にはトランプ氏の安全地帯構想も同様に、大幅な紛争拡大のリスクをはらむ。

2012年、当時の米軍統合参謀本部議長マーチン・デンプシー大将は、飛行禁止空域を設定するには、アサド政権派が米軍機を撃墜するリスクを回避するために、シリアの防空システムを無力化しなければならず、米軍人7万人が必要になると説明している。それだけの規模でアサド政権派を攻撃すれば、ほぼ確実に、それに対する反応を引き起こすだろう。同盟国を守るために、ロシアはどう出るだろうか。

さらに飛行禁止空域を(安全地帯でも同じことだが)設けるならば、ロシアがそれに挑戦してくるという、ほぼ確実な問題に対応しなければならない。この地域における勢力争いを考えれば、それは必然に近い。ロシア機を撃墜すればシリアでの対立が拡大すると同時に、報復を招くリスクがある。それは世界のどこで起きるかは分からない。サイバースペースで発生する可能性さえ考えられる。

飛行禁止空域や安全地帯によって得られるかもしれないメリットは、国家レベル、地球規模での影響を伴う紛争拡大というデメリットにはとうてい見合わない。オバマ大統領は数年にわたって、シリアに飛行禁止空域や安全地帯を設けるというアイデアを拒絶してきた。

前任者は足を踏み入れなかったのに、クリントン大統領、あるいはトランプ大統領は、本当にロシアとの直接的な軍事対決が生じかねない方向に、さいころを転がすのだろうか。

シリアに関する戦略のもう1つのオプション、米軍地上部隊の派遣も、次期大統領にとっての検討項目として俎上にあがるだろう。

トランプ氏は、シリア問題をめぐって副大統領候補のマイク・ペンス氏と意見が対立しているようだ。

ペンス氏は、米国がロシアの「挑発」に力で対抗すべきだと述べ、そのための軍事力行使を支持している。トランプ氏はこの発言について質問されたときに、「彼と私には意見の相違がある」と語った。「意見の相違」についてはその後撤回されたものの、シリアへの米軍部隊の展開に対するトランプ政権の政策は依然として不明確だ。

クリントン氏は、シリアに関する自身の計画に地上部隊の派遣は含まれていないと主張。トランプ氏も見たところ地上部隊投入には関心がないようだが、新大統領が引き継ぐ状況は変化するだろう。地上部隊はすでに現実に派遣されているだけでなく、その兵力は増大している。

4月以降、オバマ大統領は内戦勃発以来最大の規模となる地上部隊増派を指示しており、シリアに展開する特殊部隊は約1500人に達した。1年前にシリアに派遣されていた米兵はわずか50人だった。

過去の経験からみて、規模の点でも人数の点でも、終わりの見えない展開に陥る可能性が高い。現在、イラクにおける「イスラム国」との戦いのため、約6000人の米軍地上部隊が常駐している。

これに加えて、総計にはカウントされていないが員数不明の海兵隊が「一時的任務」に就いている。その任務も、イラク軍へのアドバイスから、砲兵部隊や攻撃ヘリコプターによる地上攻撃などの実戦行動へと拡大している。

シリアでは、戦術的状況がイラクよりも更に厳しくなっている。米国はイスラム国だけでなく、ロシアとシリア軍、イラン特殊部隊といった勢力、そしてロシア、シリア、イランにより正規軍と同様の装備と訓練を与えられた民兵勢力とも対峙する可能性がある。

米国側には、忠誠心の点では当てにならない過激なイデオロギーを持ったシリアの武装グループ、トルコと対立するクルド人勢力、クルド人と対立するトルコ軍部隊、そして恐らく第三者的なアラブ系戦闘員といった、離合集散する勢力が堂々と入り込んでくる。

シリアに関してどのような新戦略を立てようと、そこで展開されるゲームは複雑な様相を呈するだろう。

イスラム国を抜きにしても、アサド大統領が権力の座に留まる限り、血なまぐさい内戦は続くだろう。アサド政権が倒れた場合、その後を引き継ぎ、新たな内戦のきっかけを生まない指導者が誰か存在するだろうか。シリア復興のコストを、いずれかの時点で誰が負担するのだろうか。

視野を広げてみれば、クルド独立という「ランプの魔神」が解放されてしまった今、クルドとトルコの抗争を抑制できるだろうか。イラクにおいて新たな段階を迎えるスンニ派とシーア派の関係は、シリアにどのような影響を及ぼすだろうか。

イスラム国がイラクで何らかの敗北を喫すればイランのイラクに対する影響力が高まる公算が強いが、それはどのように作用するのか。ロシアは再び中東の地に姿をみせているが、そのことは、より広範な地域的・全地球的な戦略バランスにどのような影響を与えるだろうか。

新大統領が直面する責務は、単にシリアにおいてイスラム国を打倒することだけではない。中東における地域的な問題としてのイスラム国打倒でさえ、全地球規模の影響をもたらす幅広い問題へと転化してきている。

クリントン大統領であれトランプ大統領であれ、その提唱するプランは、オバマ政権が何年にもわたって苦闘してきたのと同じ複雑な現実に突き当たるだろう。両候補の提案する内容ではその任に堪えないように思われる。

シリア内戦が勃発した当初から今に至るまで米国で最も優秀な戦略考案者でさえ思い至らなかったような戦略を、新政権はすばやく練りあげなければならないだろう。

*筆者は、米国務省に24年間勤務。著書にイラク再建の失策を取り上げた「We Meant Well: How I Helped Lose the Battle for the Hearts and Minds of the Iraqi People(原題)」などがある。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

http://jp.reuters.com/article/vanburen-syria-idJPKCN12K0TR


 

クリントン氏の税制案、経済成長を阻害するか

独立系調査機関は富裕層増税が投資と成長を抑制すると結論

クリントン氏は民主党予備選の間に、民主社会主義者を自認する対立候補のバーニー・サンダース上院議員を破るべく左傾化し、優先する課題も成長から分配にシフトした

By GREG IP
2016 年 10 月 21 日 11:29 JST

 米民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏が抱く野心的かつ多層的な経済政策には、教育、インフラ、社会的移転の拡大を賄うことを目的とした、富裕層向けの新税が多数盛り込まれている。

 クリントン氏は19日の討論会で、「富裕層と企業に相応の負担を求めていく」とし、「それがわれわれの成長を減速ないし減退させることを示す証拠は何もない」と述べた。

 それはちょっと違う。二つの独立系調査機関による分析は、富裕層への税金をそれほど急激に引き上げるクリントン氏の案は投資と経済成長を阻害する、との結論を出している。ただ、その度合いについては2者の見解は異なる。

 意外な話ではない。クリントン氏は民主党予備選の間に、民主社会主義者を自認する対立候補のバーニー・サンダース上院議員を破るべく左傾化し、優先する課題も成長から分配にシフトした。現在、クリントン氏の案はこう要約できるかもしれない――経済のパイをより均等に切り分ける、たとえそれが少し小さめのパイを意味することになっても。

 クリントン氏と共和党候補のドナルド・トランプ氏の政策討論の多くは、債務に及ぶ影響を軸に展開した。トランプ氏の減税案では、独立した機関の信頼できるシナリオのいずれをたどった場合でも、債務が劇的に増加することになる。クリントン氏の案全体による債務増大はさほどでもない。

 成長への影響はもっと複雑だ。実質すべてのエコノミストが、企業の利益、キャピタルゲイン、配当に対する減税は投資の追い風となり、増税は逆風になるとの見方で一致している。クリントン氏が提案する増税の90%超は上位1%の最富裕層に課される。この層は、富を活用して米国の投資の多くを担っている。

10年でGDP2.6%押し下げとの試算

 保守派寄りの税制調査機関タックス・ファンデーションは、クリントン氏の案が10年で国内総生産(GDP)を2.6%押し下げると試算。主な原因は、所得が100万ドルを超える人に最低30%の税率を課し、キャピタルゲイン優遇を減らす「バフェット・ルール」を盛り込んだ税制案が、貯蓄と投資の動機を損ねるためだとしている。これは、税控除の恩恵にあずかる低所得の家計でさえ、成長減速を加味した税引き後所得が減ることを意味する。

 タックス・ファンデーションは、税率を引き下げるトランプ氏の案が経済を拡大するとの見方を示している。だがこれは、トランプ氏の案で債務が膨らんでも金利は上昇しないとの仮定に基づいている。一方、他のエコノミストらは債務が金利上昇につながるとみている。そうなれば、「クラウディングアウト」(締め出し)により民間投資が減少し、減税のメリットが相殺される。中道左派のシンクタンク、タックス・ポリシー・センターは、トランプ氏の案では債務が民間投資を締め出し、経済を4%縮小させると試算している。

 一方、タックス・ポリシー・センターの試算によると、クリントン氏の案では経済は20年で0.5%拡大する(試算には、ペンシルベニア大学ウォートン校の経済学者が開発したモデルを使用)。ただ、この試算ではクリントン氏の案で予想されるうち、債務削減とそれによる金利低下につながる増税面のみを織り込んでいる。同センターは、クリントン氏案では支出増大がこのメリットを「打ち消す傾向を示しそうだ」としている。

 短期的には、クリントン氏の案は成長を刺激するかもしれない。というのも、増税されてもさほど支出を減らさない富裕層への課税でインフラを賄うためだ。だが押し上げ効果は一時的だろう。というのも、それにより米経済は完全雇用に近い状態かそれ以上に押し上げられ、それを受けて連邦準備制度理事会(FRB)が利上げし、その結果、経済が元の軌道に戻るためだ。

 インフラが長期成長をどの程度押し上げるのかを予想するのは難しい。多くの公共インフラ(海軍基地や記念建造物など)は生産性上昇につながらず、そのメリットは長期の非効率的な計画で損なわれる。

 ムーディーズ・アナリティックスはクリントン氏の案全体を研究し、GDPが10年で2.8%拡大するとの結論を導いた。予想される拡大の大半は、提案の中にある数百万人の不法移民の合法化と、技能労働者を中心とした合法移民の受け入れ拡大によるものだ。これにより労働力が増加し、明らかにGDPにプラスになる。技能労働者が増えれば生産性も上昇する。

 ただし、注意が必要だ。GDP拡大分の最大の部分は、賃金や保有する会社の利益の形で移民が手にすることになる。クリントン氏の政策が正しいかどうか決断を迫られている移民受け入れ側のメリットはずっと小さい。

 皮肉な側面は他にもある。クリントン氏の移民増加案は、トランプ氏の意向とは正反対だが、共和党幹部の意向とはそれほど違わない。その多くは、技能のある合法移民の受け入れ拡大にすぐさま合意するだろう。包括的な改革はいつでも、不法滞在者を巡って失敗してきた。クリントン氏は経済にてこ入れするため、米国が10年もがいている膠着(こうちゃく)状態を打破しなければならないだろう。

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