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テレビ討論後、握手するトランプ共和党大統領候補(左)とクリントン民主党候補=9月26日(現地時間)、米ニューヨーク州(写真:gettyimages)
テレビ討論は“ヒラリー勝利”なのに「トランプ大統領」の現実味〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161003-00000297-sasahi-n_ame
AERA 2016年10月10日号
初のテレビ討論会で、米メディアは、クリントン候補に軍配を上げた。しかし、激戦州の支持率では劣勢に立ち、“トランプ大統領”の可能性がなぜか高まっている。
9月26日、90分間生放送された討論会で、ドナルド・トランプ共和党大統領候補が、口角泡を飛ばし、虚言を吐こうとも、ヒラリー・クリントン民主党候補は、厳しい表情を見せずに笑みを絶やさなかった。冒頭30分で、ほぼ毎分ごとに発言を遮られても、言いよどむことなく、自分の主張を最後まで言い切った。
嵐のような「マンターラプト(マン+インターラプト=男性が女性の邪魔をする)」を、生放送でここまで美しく乗り切るのは、彼女にしかできないだろう。
●報道は「クリントン勝利」
しかも、トランプが投資していた「ミス・ユニバース」の勝者だったにもかかわらず、体重が増えて「ミス豚ちゃん」とトランプに呼ばれた女性の話を最後の数分で披露し、女性差別主義者であることを印象付ける完璧なとどめを刺した。
初の討論会直後のCNNの調査で、視聴者の62%がクリントンが論戦に勝利したと答えた。もちろん、新聞の見出しは「ラウンドワン、クリントン勝利」だった。
討論会の翌日は「全米有権者登録デー」。有権者が、各州で異なる締め切りまでに登録する仕組みで、それをしていないと投票できないこともある。このため、クリントン本人ほか、ミシェル・オバマ大統領夫人、夫のビル・クリントン元大統領、娘のチェルシーと、「オールスター」が全米の激戦州に散らばり、支持者に登録を訴えた。これに対し、トランプは、本人とマイク・ペンス副大統領候補の2人だけが集会をこなし、多勢に無勢とも見られる。
ところが、だ。激戦州でクリントンが優勢を維持してきた南部ノースカロライナ州、中西部オハイオ州、アイオワ州の3州で、トランプの支持率がわずかながら上回り始めた(米紙ニューヨーク・タイムズによる)。
「フロリダ州などが陥落したら、トランプは必要とする270人の選挙人獲得まで、あと6人だけということになる」と、クリントン陣営から支持者に切羽詰まったメールが届いた。
トランプがなぜ、そんなに強いのか。
討論会に先立つ9月22日、激戦州ペンシルベニア州チェスターで開かれた彼の集会に行った。チェスターの住民は7割以上がアフリカ系で、市財政は貧しく、貧困層が多い地域だ。記者は、トランプに批判的な人々が集会に集まるのだろうと見込んでいた。
●トランプ支える“熱狂”
しかし、現地に着くと、参加者の99%以上が労働者階級の白人と従来の支持者ばかり。ところが、トランプは、目の前の白人の波に対し、貧しいアフリカ系やヒスパニック系有権者のために書かれた演説原稿を棒読みしている。その彼の姿をカメラに収めようと、ステージ前に支持者が殺到するという異様な光景だった。
お揃いのグリーンのTシャツを着た10代のボランティアらも顔を紅潮させて、会場をくまなく歩きまわり、さらなるボランティアの勧誘をしていた。以前の彼の集会では見なかった光景だ。
「ボランティアになると、大学に行く推薦状を書いてくれると言われた」「自営業の父親が、トランプの本を愛読していて、本物のビジネスマンだと思う」
と、ボランティアの動機は、あまり政策とは関係がない。しかし、クリントン集会では見ない盛り上がりだ。そこでは、トランプの演説の柔軟性のなさや、事実と違うことの伝達は気にもせず、クリントンやオバマ民主党政権への誹謗を心待ちにしている有権者ばかりがいた。
主要メディアが躍起になって伝えるクリントンの適格性や実績は、彼らの耳には届かない。そこが、デッドヒートの行方を読みにくくしている。(文中敬称略)(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)
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