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世界中で横行するヒトラーさながらの淘汰殺人 溝口敦の「斬り込み時評」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191032
2016年10月3日 溝口敦 ノンフィクション作家、ジャーナリスト 日刊ゲンダイ 文字お越し
フィリピンのスラム街で、逮捕者を移送する車を取り囲む住民や親族(C)AP
フィリピンでは、ドゥテルテ大統領の就任後2カ月で麻薬関連を疑われ、警官に殺された者が1100人を超えた。同時期にこれとは別に、麻薬関係の抗争などで2025人が殺されたという。
同大統領はヒトラーを引き合いに出し、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を殺した。(フィリピンには)麻薬中毒者が300万人いる。私も喜んで殺したい」と語ったという。
麻薬の中毒者や依存症患者はいわば病人である。自分の好き勝手で、自分の体や心を傷めるクスリをやめられない。しかし、彼らは麻薬の密輸や小売りをやっているわけではなく、家族のほかには第三者を巻き込むことは少ない。
ドゥテルテ大統領の言に従えば、清原和博も高知東生も覚醒剤中毒者だから、フィリピンに行けば問答無用で殺されることになる。
他方、中国では年間数千件の死刑が執行されている。麻薬、覚醒剤がらみの犯罪に死刑を判決する国だからだ。中国では行政と司法が一体化しているのだが、「我々は裁判という手続きを踏んで正しく殺している」「フィリピンとは違う」と言うかもしれない。
日本では横浜市神奈川区の大口病院で7月以降、最大40人が入院できる4階で48人が亡くなった。1日4、5人死ぬことも珍しくなく、院長は死者が「やや多い」と語ったという。
大口病院の診療科目は内科、リハビリ科などで、別に終末期ケアを行うホスピスではない。にもかかわらず、2カ月で48人の死者を「やや多い」という感覚は何を物語っているのか。
4階では消毒液「ヂアミトール」を注射器で入れた未使用の点滴が10個ほど見つかった。消毒液で殺されたのは揃って88歳の男性2人だったが、毒入り点滴を割り当てられた患者を殺すという無差別殺人が進んでいたのだろうか。
かと思えば、7月、相模原の障害者施設では短時間に19人を殺す大量殺害事件が発生した。
日本に限らず、世界中で社会的不適合者や薬物依存症患者、高齢者や心身障害者などを無用視し、抹殺する事件が続発している。
古い時代、貧しさや飢饉などを背景に嬰児殺しや姥捨てなどが行われた。現代では嬰児殺しの代わりに中絶手術が行われ、姥捨ての代わりに尊厳死が唱えられる。
しかし、これではまだ死者の数が足りないと考える小ヒトラーや社会的淘汰論者、選民的な民族主義者が世界中に存在する。彼らは考えるだけでなく、ときに信ずることを実行して世間を騒がせるのである。
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