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不当な行為で金儲け Profiting from Injustice(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/494.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 04 日 13:03:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

不当な行為で金儲け Profiting from Injustice
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/profiting-from-.html
2016年10月 4日 マスコミに載らない海外記事


著者: Pia Eberhardt と Cecilia Olivet,
協力者: Tyler Amosと Nick Buxton
編集者: Helen Burley
ブリュッセル /アムステルダム、2012年11月

発行者:Corporate Europe Observatoryと Transnational Institute

要旨

過去二十年間、何百もの国々を罠にかけ、人権や環境より、大企業の利益を優先する強力な国際投資環境が、音もたてずに隆盛している。

国際投資協定というのは、国家どうしがお互いの領土内における、投資家の権利のを決定する協定だ。こうしたものは、たとえ、公衆衛生や環境保護のための政策であっても、もし政策が変更されて、投資家の利益に影響すると見なされた場合、政府を訴えるために、強力な大企業が利用する。2011年末までに、3,000以上の国際投資協定か調印され、国際仲裁法廷における、法的請求が急増している。しばしば緊急の社会的、経済的ニーズがある国々において、これらの法的活動の経費は、膨大な裁判費用や、社会規制や環境規制の緩和や、国民の税負担増加という形で、政府への重荷になっている。

こうした財政的、社会的費用は、益々目立つようになりはじめてはいるものの、世間の目からほとんど隠されたままになっている、この訴訟ブームで利益を得ている弁護士業界という部門がある。本報告書は、投資仲裁業界における主役連中を、初めて検討することで、この問題に取り組むことを目指している。本報告書は、政府に対する訴訟で、たっぷり儲けている、弁護士事務所、仲裁人や訴訟資金提供者に光を当てることを狙っている。
本報告書は、仲裁業界が、国際投資法の受動的な受益者とは程遠いことを明らかにする。そうではなく、彼らはきわめて活動的な当事者、多くが、多国籍企業に対して強力な個人的、事業的なつながりを持ち、学界において重要な役割を演じ、国際投資環境を活発に擁護している。彼らは政府を訴えるあらゆる機会を探し求めているのみならず、国際投資環境のあらゆる改革に反対して、力強く首尾よく活動しているのだ。

国際投資仲裁制度は、国家の裁判所における不公平な判断や汚職から企業投資を保護するために、公正で、中立的な紛争解決制度が必要だという主張で、欧米政府が正当化して、導入された。投資仲裁人は、この制度の守護者で、保証人のはずなのだ。
ところが、公正で中立的な仲介人として活動するのではなく、民主的に選ばれた国家政府、主権国家を犠牲にして、投資家の権利 を優先する投資環境を永続させることが、仲裁業界にとって既得権益であることが明らかになっている。連中は、弁護士事務所や弁護士の一部の独占的エリートが支配する数百万ドルの、都合のいい業界を作り上げており、彼らの間のお互いの結びつきや、複数の金融権益から、公正で独立した判断をするという彼らの誓約に対する深刻な懸念をもたらしている。

結果として、仲裁業界は、公正でも、独立でもなく、大きな欠陥があり、企業寄りの国際投資環境に対する責任を共有しているのだ。

主要な調査結果

1. 投資仲裁裁判の数も、かかわる金額も過去二十年間で急増し、1996年に、38件(そのような紛争を管理する世界銀行の機関ICSIDに登録されたもの)だったものが、2011年には、450件の投資家-国家訴訟が知られている。訴訟にまつわる金額も劇的に増大した。2009年/2010年、151件の投資仲裁裁判で、大企業は国に少なくとも1億ドル要求した。

2. 仲裁ブームは、投資弁護士にとって、納税者がの支払いによる大儲けをもたらした。訴訟・仲裁費用は投資家-国家紛争一件につき、平均800万ドル以上で、場合によっては、3000万ドルを越える。エリート弁護士事務所は、弁護士一人、一時間、1,000ドルも請求する - しかもチーム丸ごとで訴訟を扱うのだ。仲裁人は、ある報告されている例では、約100万ドルにものぼる高給も享受している。こうした費用は、国民が基本的サービスの利用さえできない国を含め、納税者が支払っているのだ。例えば、フィリピン政府は、ドイツの空港運用業者フラポートの二件の訴訟の被告として、5800万ドルもついやした。この金額は、12,500人の教師を一年間雇える給料で、あるいは380万人の子供に、結核、ジフテリア、破傷風やポリオなどの病気に対するワクチンが打てたはずなのだ。

3. 国際投資仲裁業界は、北半球を本拠とする、少数のしっかり結びついた、弁護士事務所と、エリート仲裁人のコミュニティーによって支配されている。
a) 三大弁護士事務所のFreshfields (イギリス)、White & Case (アメリカ)と、King & Spalding (アメリカ)が2011年だけでも、130件の投資協定訴訟に関与していると主張している。

b) ほとんどがヨーロッパ人、アメリカ人、カナダ人のわずか15人の仲裁人が、全ての投資条約紛争の55%を裁定した。一部の人が '内部マフィア'と呼ぶ、弁護士のこの小集団が、同じ仲裁委員会に参加して、仲裁人、弁護士の両方の役を演じ、お互い、仲裁事件の証人役を依頼することまでしている。これが、より広範な司法コミュニティー内部のものを含め、利益相反を巡る懸念が高まることにつながっている。

4. 仲裁人は、内在的な企業寄りの偏向を示して、公共の利益より、民間投資家の権利を擁護しがちだ。一部の著名な仲裁人は、発展途上国に対して訴訟を起こした企業を含め、主要多国籍企業の役員経験者だ。ほぼ全員が、「私的利益の保護が最重要」というこの業界の信念を共有している。多くの場合、経済危機という文脈で、アルゼンチンが採用した施策のような公共の利益に対する判断に関しては、仲裁人は裁定の中で、企業の失われた利益という主張以外のあらゆることを配慮せずにいる。多くの仲裁人は、d投資仲裁において、国際環境と人権法により配慮するという、国際司法裁判所裁判官ブルーノ・シマの提案にはっきり反対している。

5. 専門の仲裁部門を擁する弁護士事務所は、国を訴えるあらゆる機会を探し求めており、最近では、ギリシャとリビアのような、危機状態にある政府に対する訴訟を奨励し、大企業にとって最も有利になるよう、複数の投資協定の活用を推奨している。彼らは、訴訟の脅しを、公衆の健康や環境保護に対する法律を弱体化、あるいは阻止するための政治的兵器として活用するよう、大企業を奨励している。投資弁護士は、訴訟依頼人を探し求めて、救急車を緊急治療室まで追いかける悪徳弁護士と同じような形の、新たな国際的 '悪徳弁護士'となっている。

6. エリート仲裁人を含め投資弁護士は、逆の証拠があるにもかかわらず、外国投資を引きつけるための必要条件として、投資仲裁を積極的に奨励している。国が、投資家-国家仲裁に応じさせられるリスクは、軽視されるか、無視される。

7. 投資弁護士連中は、訴訟の可能性を最大化する言葉を使った投資協定の調印を政府に奨励している。連中は後で、訴訟の数を増やすために、こうした曖昧な表現の協定条項を利用するのだ。140件の投資条約訴訟に基づく統計的研究で、仲裁人が、常に投資の概念など様々な条項の(原告に有利な)拡張解釈を採用していることが分かっている。一方、人権や社会権のこととなると、仲裁弁護士連中は国際法に対し制限的姿勢にたっている。

8. 仲裁弁護士事務所や、エリート仲裁人連中は、その立場を活用し影響力を及ぼし、国際投資環境のいかなる改革にも反対して、特にアメリカとEUで積極的にロビー活動している。大企業が支援する彼らの行動は、バラク・オバマが大統領となってから提案したアメリカ投資協定を規制する政府の政策空間を強化するような変更を阻止することに成功した。仲裁人の中には国際投資環境に疑義を唱える国々を声高に非難するむきもある。

9. 投資弁護士と政府政策決定者の間には、不当な投資環境を補強する天下り制度がある。何人かの著名投資弁護士は投資協定 (あるいは、投資保護の章がある自由貿易協定)の元首席交渉官で、投資家・国家紛争で自国政府を弁護していた。他の人々は、政府から顧問や世論形成者として積極的にもてはやされ、法律に影響を与えている。

10. 投資弁護士連中は、この主題に関する学術的著作の大半を生み出し、投資法規に関する主要学術誌の編集委員会の平均74%を支配して、学界での投資法規と仲裁裁判に関する論議をしっかり支配しており、彼らが個人的に、この制度から恩恵を受けるようすを開示しないことが多い。これは、学界のバランスと独立に対する懸念を引き起こす。

弁護士事務所、仲裁人と投資家が、いかに投資仲裁ブームをあおっているか

11. 投資仲裁制度は、裁定額や和解の分け前と引き換えに、投資ファンドが投資家-国家紛争に資金提供を支援して、益々投機的な金融界と統合されつつある。これは仲裁ブームを更にあおる可能性が高く、厳しい財政運営の政府にとっての費用を増やし、投資金融業者を、仲裁人、弁護士や、投資家と結びつける個人的な緊密なつながりの蜘蛛の巣ゆえに、利益相反の可能性に関する懸念を高める。Juridica(イギリス)、Burford(アメリカ)やOmni Bridgeway(オランダ)などの弁護士事務所は、彼らの活動に対するいかなる規制もない中、既に国際投資仲裁体制の一部となっている。この投資仲裁の金融化は、、世界金融危機の背後にあったひどいクレジット・デフォルト・スワップのように、訴訟パッケージを、第三者に販売する提案をするまでに拡大している。

一部の国々は、国際投資仲裁の不公平と矛盾に気づきはじめ、この制度からの撤退を始めた。2011年春、オーストラリア政府は、今後、貿易協定には、投資家国家紛争調停ISDS条項を含めないと宣言した。ボリビア、エクアドルとベネズエラは、いくつかの投資協定を終わらせ、ICSIDから離脱した。2001年-2002年経済危機のからみで、緊急法規に関する投資家のクレームの殺到にあったアルゼンチンは、仲裁裁定賠償金支払いを拒否している。南アフリカは発展に対する考慮とより一致させるべく、投資政策の徹底的見直しを行っており、新たな投資協定は結ばず、期限切れになる古い協定を更新しないと宣言した。

巻き返しに、投資仲裁業界メンバーが気がつかないわけもない。インサイダーの中には、異議申し立てに対して、透明性の強化などの穏やかな改革提案で対決しようとしているむきもある。だが、このような提案は、投資仲裁制度の内在的な欠陥や企業寄りの姿勢と取り組もうとはしていない。大企業の利益よりも人権と環境がより重要だと考える原則に基づく、制度改革しか、必要な変革をもたらすことはできないと我々は考える。これは既存の投資協定の終了と、新たな協定調印延期から始めるべきなのだ。

とはいえ既存の制度内でさえ、仲裁業界の権力を押し返すために行えるいくつかの措置がある。本報告書は、仲裁人の独立と中立性が確保される、独立した透明な裁定機関に切り替え、利益相反を防ぐ厳格な規制を導入し、訴訟費用の上限を設定し、業界による対政府ロビー活動に関する透明性の強化を呼びかけている。

こうした対策は、決してそれだけで投資家-国家仲裁制度を変えることはない。政府が、投資仲裁に背を向けることなしには、この制度は、大企業に有利に歪められたまま、大いに儲かる仲裁業界状態で続くだろう。

記事原文のurl:https://corporateeurope.org/international-trade/2012/11/profiting-injustice
pdfのurl:https://corporateeurope.org/sites/default/files/publications/profiting-from-injustice.pdf
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