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中朝交易、制裁下でも活況
国境の街、遼寧省丹東ルポ 日帰り観光、免税市場も
【丹東(中国東北部)=原島大介】北朝鮮による核実験を受け、中国が制裁強化に動くかに注目が集まっている。北朝鮮に対する制裁決議が国連安全保障理事会で採択されて半年。中朝間の経済交流に変化はあるのか。国境地帯の最大都市、遼寧省丹東を訪れると、北朝鮮への観光ツアーが活況を呈しているなど、以前と変わらずにぎやかな光景が広がっていた。
丹東から川を挟んで望む北朝鮮の新義州。夜になると暗闇に包まれる川岸の街に7月9日、赤や緑の光を放つ一角が現れた。北朝鮮と丹東の旅行会社が合弁で開発した2階建ての観光施設だ。北朝鮮女性の歌を聴きながら料理を楽しめるレストラン、朝鮮ニンジンなどを扱う土産物店が入り、運営は北朝鮮が担う。
核実験影響なし
中国人はビザなしで入国できる。日帰りのツアーに参加し、1日かけて観光施設のほか、遊園地や駅前広場などの観光地を巡る。ツアーの料金は790元(約1万2千円)。同施設の開業当初は1日1千人の観光客が北朝鮮に渡り、ごった返したが、貿易用トラックの通行の邪魔になるとの理由で1日400人に制限された。
「9日の北朝鮮の核実験後も影響はない。謎めいた国だけに、行きたい人は多い」。地元の旅行会社幹部は衰えない客足に満足げだ。
丹東中心部から15キロメートル離れた新区の免税市場「国門湾中朝辺民互市貿易区」では、北朝鮮人が中国人相手にマツタケや朝鮮ニンジンなどの売り込みに精を出していた。市場内には合法的に入国した北朝鮮人と、中国人の店が計100店ほど立ち並ぶ。
市場はそれぞれの商品を取引するため、中国が10億元の費用すべてを負担し、6月末に開設した。まだ試験運用の段階で人出は限られるが、住宅資材を扱う中国人店主は「最近は北朝鮮の人も買い物に来るようになった」と話す。北朝鮮では手に入りにくい生活用品や家電などを買って帰国するという。
北朝鮮の観光施設や中国の免税市場は、いずれも北朝鮮のミサイル発射を受け、国連安保理が北朝鮮への制裁決議を採択した3月以降にできた。これらは制裁の対象ではなく、中国が「民間の経済交流」を建前に北朝鮮経済を下支えしているとの見方は強い。
石炭輸入も可能
制裁対象である北朝鮮産の石炭の輸入も「民生目的」なら可能だ。制裁直後こそ交易を制限する動きが相次いだが、中朝貿易関係者は「今は制裁前と変わらず北朝鮮の石炭を扱っている」と明かす。多くは船で運ばれてくるが「税関を通さず夜間に海上で中国側の船に移すこともある」(中朝貿易関係者)。丹東郊外の漁村には“密輸”の担い手とみられる漁船が数十隻停泊していた。
中国には丹東など国境地帯の経済への懸念がある。北朝鮮と国境を接する遼寧省や吉林省は主力の重工業が低迷し、両省とも今年1〜6月期の域内総生産(GDP)の成長率は全国平均を下回った。新たな産業も育っておらず、北朝鮮との貿易拡大は数少ない経済刺激策だ。
一段の制裁強化で北朝鮮の体制が崩壊すれば、国境地帯に難民が押し寄せるリスクもある。両国を隔てる川には幅が1メートルに満たない場所もあり、難民流入を食い止めるのは容易ではない。国境地帯の混乱は中国の社会不安につながる。中国は国連安保理での新たな制裁自体には前向きな姿勢を示すが、米国などが求める強硬な措置を取ることには慎重なままだ。
[日経新聞9月17日朝刊P.7]
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