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フィリピン大統領 10月に訪日を計画:中国訪問も:統治者不適格の人物だが、欧米の欺瞞・偽善を言葉にする姿勢は良
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/367.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 9 月 23 日 04:59:04: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


 ドゥテルテ大統領の“お騒がせ”言動は、トランプ氏の言動に関する報道と同じで、特定部分だけが切り取られ、汚い罵り用語と欧米諸国の怒りくらいしか報道されないことが多いが、ドゥテルテ大統領は、欧米諸国に“吠える”理由をそれなりに語っている。

 転載する最初の記事では、人権を盾に批判するEUに対し、「欧州諸国はこのようにして中東で犯した自国の罪を償おうとしている」と揶揄している。

 二番目の記事で、オバマ大統領が会談を拒否するきっかけになった言動について、「米統治時代、我々の祖先はたくさん殺された。なのに何が人権だ!」と理由を語っている。

 米西戦争の結果フィリピンの支配権をスペインから獲得した米国は、独立を約束して対スペイン戦争に協力させたフィリピン政治勢力を裏切った。約束に従って独立を求めたフィリピン人は、15年にわたる米国との闘いで50万人超の犠牲を出することになる。

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フィリピン大統領 10月に訪日を計画[スプートニク日本語]
2016年09月23日 00:36(アップデート 2016年09月23日 00:37)

フィリピンのドゥテルテ大統領は、10月に日本と中国を訪問することで調整を進めている。ドゥテルテ氏が、大統領就任後に東南アジア以外の地域を訪問するのは初めてとなる。メディアが22日、外交筋の情報として報じた。

先にドゥテルテ大統領が、フィリピンの麻薬対策方法を非難した欧州議会の決議案を受け、EUに「Fuck you」と言ったと伝えられた。ドゥテルテ大統領によると、欧州諸国はこのようにして中東で犯した自国の罪を償おうとしているという。テレビ「アルジャジーラ」が伝えた。

ドゥテルテ大統領は、「私は今日、私が国連に… 、私がEUに、自分たちの都市の最も優れた法律家、さらに報告者をフィリピンへ派遣するのをおすすめることを表明する。私は彼らを調査に招くために書簡を書く」と述べた。ポータル「Sun Star」が伝えた。

http://jp.sputniknews.com/politics/20160923/2808146.html

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[迫真]ドゥテルテ劇場

(1)破壊者か救世主か

 「まるでマフィアのようだった」。東南アジア諸国連合(ASEAN)の外交官は漏らした。8日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた東アジア首脳会議。6月末にフィリピン大統領に就いたロドリゴ・ドゥテルテ(71)は外交デビューを果たし日米中印などの指導者が居並ぶ国際会議で世界の目をくぎ付けにした。

 フィリピンの正装であるバロン・タガログという白いシャツ。会議の中でいつものように第2ボタンまで開けて袖をまくり上げ、目の前の米大統領バラク・オバマ(55)に向かってまくし立てた。「米統治時代、我々の祖先はたくさん殺された。なのに何が人権だ!」

 直前の発言者がオバマだった。フィリピンの警察が麻薬犯罪容疑者を殺害していることを「超法規的殺人」と国連や米国は非難する。これがしゃくに障った。比外務省が用意した声明を投げ捨て米国批判をぶちまけた。声明には「(南シナ海での中国の主張を否定した)仲裁裁判の判決を重視する」と書いてあった。

 2日前、暴言を理由に初となる首脳会談をオバマにキャンセルされた。直後は「後悔している」としおらしい様子も見せたドゥテルテ。それもほんのつかのまで、7日の晩さん会の後にはポケットに両手を突っ込んで歩くいつもの姿に戻った。
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 南シナ海で海洋進出を続ける中国とどう向き合うのかがフィリピン外交の最大の課題だ。日米と歩調を合わせ、中国けん制をめざした比外務省の担当者は面を食らった。報道官のチャールズ・ホセは「話すことがない」として直後の記者会見を取りやめた。

 ドゥテルテが会議で、100年ほど前に宗主国だった米国の兵士が関わったとされる住民殺害の写真をわざわざ用意して他の首脳に見せたのは計算ずくだった。12日には、フィリピン南部に常駐してイスラム過激派対策にあたっているとされる米軍の特殊部隊について「退去しなければならない」と、米国を刺激する発言をまた放った。

 その一方で、前政権が厳しく接した中国に歩み寄るそぶりもみせる。南シナ海を巡るパワーバランスに影響しかねず、関係国を戸惑わせる。

 大統領選の当初はダークホースだった。南部ミンダナオ島のダバオ市長を20年以上務め「自警団」による犯罪者の取り締まりなどで治安を改善させた実績がネットで徐々に広がる。覚醒剤汚染を止めるという厳しい姿勢も話題に。最後は有力とされた女性上院議員らを破って国際社会があっと驚く勝利をものにした。

 「ローマ法王は二度と来るな」。2015年のフィリピン訪問で交通渋滞を起こしたことを取り上げた。国民の8割以上に及ぶキリスト教徒が敬う法王への批判すら恐れない豪快な物言いは、変革を望む有権者を磁石のようにひき付けた。
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 剛腕一辺倒かというと決してそうではない。選挙戦では会場に流れる音楽に合わせて踊った。若者言葉を交えたちゃめっ気たっぷりの演説に聴衆は熱狂した。支持率が9割にも達するのは国際社会が眉をひそめる発言よりもこうした親しみやすさからだ。

 だが過激な発言や人権を無視した行動には海外からの風当たりは強い。

 急先鋒(せんぽう)がオーストラリアだ。4月、豪州人女性を蔑視する発言が動画サイトで拡散し、豪州全土が怒りに震えた。ダバオで性的暴行を受け殺害されたその女性について「美しかった。市長の俺が最初であるべきだったんだ」。

 駐フィリピン豪大使のアマンダ・ゴアリーは「レイプや殺人はジョークの対象ではない」。米大使のフィリップ・ゴールドバーグも同調したが、ドゥテルテは「米豪の大使の口をふさいでやる」と応じた。

 銃マニア、マスコミ嫌い、昼間寝て深夜働く――。暴言癖だけでなくドゥテルテを評する言葉は事欠かない。そんな強烈な個性を発揮し東アジア首脳会議で衝撃的な外交デビューを遂げたドゥテルテ。統合の遅れが指摘されるASEANに活気を取り戻す救世主か、それとも破壊者か。周辺国はつかめていない。

 「暴言王」の異名もとるフィリピンの新たなリーダーはどんな人物なのかを探る。
(敬称略)

[日経新聞9月13日朝刊P.2]


(2)「薬物犯との戦争だ」

 スキンヘッドでいかつい体格からついたあだ名は「バト(岩)」。フィリピンで麻薬犯取り締まりの陣頭指揮を執る国家警察長官のロナルド・デラロサ(54)だ。2日には、撲滅に向け押収した大麻草を高さ3メートルほど積み上げ、マスクを着けてたいまつで火を付ける風変わりなパフォーマンスもしてみせた。


フィリピン人女性に人気のドゥテルテ氏(ラオス)=大統領府提供

 麻薬犯が抵抗すれば射殺を命じ「薬物犯との戦争だ」と殺人を正当化する大統領のロドリゴ・ドゥテルテ(71)。デラロサはその指示を忠実に守る。就任約2カ月で警官による容疑者の殺害は1千人に及ぶ。

 8月下旬には、幼稚園に通い始めた5歳の女児が麻薬犯が絡む銃撃戦に巻き込まれて死亡した。それでもなお世論は政権批判には傾かない。マニラ北郊に住む会社員の女性(26)はコカイン中毒の兄に困り果て「殺されるくらいの脅しがないとやめてくれない」と言う。麻薬のまん延は深刻で、ミンダナオ島西部の極貧地区でも「シャブは危険」の看板が目に付く。

 「1000人殺して何が悪い」。自警団を作って犯罪者を殺害したダバオ市長時代と同じように、力で麻薬犯を一掃するドゥテルテに国民の期待は大きい。「女性蔑視」などと外国から批判される数々の過激な発言も「マッチョ」と呼ぶ強い男性を好むフィリピン女性の心をわしづかみにする。ジョークを連発する国民との対話の場では若い女性に囲まれ、記念撮影をせがまれることも多い。

 「憲法を改め連邦制を導入したい」。ドゥテルテはマニラ一極集中が続く母国の姿を変えることにも熱心だ。大統領に就いた6月末以降も週の半分を地元ダバオで過ごす。迎賓館と呼ぶ施設を設け、8月には日本の外相、岸田文雄(59)を迎えた。比政府は同月、国内総生産(GDP)統計を史上初めてダバオで発表した。さながら遷都だ。

 2日にはダバオで爆弾テロが起き国民を驚かせたが、20年以上の市長時代に国内で最も安全とされる町になった。欧米企業がコールセンターを設け、現地複合企業サンミゲルも近郊で巨大な工業団地を計画するなど経済効果も生む。国家経済開発庁長官のエルネスト・ペルニア(72)は「治安の改善が外資誘致に役立つ。港などが整えばダバオはマニラに負けない」。

 地方の市長から一気に大統領になったドゥテルテ。剛腕で治安を改善し経済を良くする「ダバオ・モデル」を全土に広げようともくろむ。
(敬称略)

[日経新聞9月14日朝刊P.2]


(3)親米でも親中でもない

 8月上旬、フィリピン元大統領フィデル・ラモス(88)は南シナ海を挟んだ対岸の中国領、香港にいた。目的は中国全国人民代表大会(国会に相当)で外交を主管する傅瑩(63)と会うこと。ラモスは駐フィリピン大使や外務次官を務めた傅とワインを傾け夕食をともにした。


7日のASEAN会議で中国の李克強首相(左端)と同席したドゥテルテ氏(右端)=小川望撮影

 傅に会う前、ラモスは集まる記者団におもむろに2枚の写真を見せた。自らが以前、今の中国国家主席、習近平(63)と一緒に並ぶ姿だった。「氷を砕きに来たんだ。私の仕事は中国との関係の再構築だ」

 フィリピンは南シナ海における中国の海洋進出に脅威を感じたアキノ前政権が国際的な仲裁裁判を始め、7月に中国の主張を否定する判決を勝ち取った。しかしここに来て、中国との関係改善にカジを切る。

 反政府ゲリラとの和平実現などで評価が高い高齢のラモスを、特使として送ったのはフィリピン大統領のロドリゴ・ドゥテルテ(71)だ。ラモスは夕食の翌日「平和協力を進める相談をした」と話した。中国外務省は「関係改善に役立つことを望む」と談話を出して応じる。

 ドゥテルテの狙いは中国からの経済協力の拡大だ。中国は鉄道建設などの“ニンジン”をぶら下げ、南シナ海問題を2国間で解決しようと血眼だ。

 ただドゥテルテは中国べったりともいえない。「領土を侵害すれば血を見ることになる。我々は屈しない」。8月下旬、南シナ海の領有権問題について軍の基地でこう気色ばんだ。

 フィリピン外交は日米との協調が基軸で、日米も南シナ海問題での戦略上、フィリピンの役割に期待する。ドゥテルテは日本の首相、安倍晋三(61)に仲裁判決を重視すると約束し「西側諸国の同盟だ」と繰り返す。

 だが看板の薬物対策に関して人権侵害と横やりを入れる米国には我慢できず、関係悪化もいとわない。「俺は米国の犬じゃない。ふざけるな」。米大統領のバラク・オバマ(55)も一連の暴言について「フィリピンとの広範囲な関係には影響しない」と言うのが精いっぱいだ。

 ドゥテルテ外交はどこを向いているのか。

 「フィリピンを愛しているぜ」。ドゥテルテ演説の決めぜりふだ。スペイン、米国の統治、日米間の激戦地となった第2次大戦。大国に翻弄された祖国を取り戻したい思いが根本にある。親米でも親中でもない。親フィリピンだ。

(敬称略)

[日経新聞9月15日朝刊P.2]


(4)日本びいき その先は

 革ジャンを着て大型バイクを乗り回し、射撃場で機関銃を撃ちまくる。そんな姿とは全く逆の、家庭的な父の姿がそこにあった。2013年正月、慣れないマフラーや手袋を身に着けたロドリゴ・ドゥテルテ(71)は長野県松本市のスキー場で娘たちとそりなどを楽しんだ。家族は米国行きを望んだが、「日本は美しい国だ。雪を見せたい」と押し切り、家族は浅草や東京ディズニーランドを訪れた。


ダバオの日本人墓地があった霊園であいさつするドゥテルテ氏(13年)

 6月末にフィリピン大統領になるまで南部ミンダナオ島ダバオ市で暮らしたドゥテルテにとって日本は特別な国だ。戦前、貧しかった日本人は職を求めてダバオに渡り、日本の紙幣の原料でもあるマニラ麻を栽培した。その数は2万人にも及んだ。6日に開いた日本の首相、安倍晋三(61)との会談では「日本はダバオの発展に多大な貢献をした」。13年には、日本人墓地があった場所に碑を建立し「人類は皆家族」と刻んだ。

 ドゥテルテは、日本が戦後フィリピン政府とミンダナオ反政府ゲリラとの橋渡し役を務めてきたことも評価する。大統領に当選して初めての公式会談は日本の駐フィリピン大使、石川和秀(61)とだった。

 日本も、安全保障と経済の両面で重要度が増すフィリピンとの関係強化を画策する。安倍は首脳会談で「日本の知見を活用し、ソフトとハードの両面でミンダナオを包括的に支援したい」と発言。米国や国連が指摘する人権問題には触れなかった。

 ドゥテルテが力を入れようとしているのが地元ミンダナオと同じようにイスラム教徒が多く文化も近いイスラム圏の隣国との連携だ。ダバオから見たフィリピン外交には、キリスト教世界のマニラからとは別の風景が広がる。今月の初外遊の訪問先としてインドネシアを選び、マレーシアやブルネイにも近づこうとしている。

 1990年代に東南アジア諸国連合(ASEAN)を揺さぶったアジア通貨危機の際、米国の有名な投資家ジョージ・ソロス(86)を「ごろつき」とこき下ろした政治家がいた。強権的な政治手法で米政府とも対峙し「ルック・イースト政策」を進めたマレーシア元首相のマハティール・モハマド(90)だ。

 ドゥテルテは混迷のASEANをけん引するカリスマになれるのか。異端の大統領の注目度は高まるばかりだ。(敬称略)

 佐竹実、高橋香織、永井央紀、地曳航也が担当しました。

[日経新聞9月16日朝刊P.2]

 

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