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ドイツでアウシュビッツ強制収容所での大量殺害に関与したとして、95歳の元ナチス親衛隊員に対する裁判が始まった。ナチスの戦争責任を問う裁判は戦後71年たった今も続く。 写真はアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所。
戦後71年たっても続く責任追及、独で95歳元ナチス親衛隊員の裁判始まる、周辺国との良好な関係構築の一助に
http://www.recordchina.co.jp/a150502.html
2016年9月17日(土) 22時40分
2016年9月17日、第2次世界大戦中、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所で大量殺害に関与したとして、ドイツで95歳の元ナチス親衛隊員に対する裁判が12日に始まった。戦後71年たっても続くナチスの責任追及。これは独がかつて侵略した周辺諸国との間で良好な関係を築いている理由の一つでもある。
独メディアによると、被告は1944年8月から9月にかけて、アウシュビッツ強制収容所に衛生兵として勤務。少なくとも3681人の殺害をほう助したとされる。戦後、ポーランドで禁錮刑を受けたが、独では2年前から捜査が始まった。被告は車いすで出廷。弁護側は無罪を主張しているという。
約600万人が犠牲になったとされるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)などを受けて、旧西独は連合国によるナチス最高幹部らのニュルンベルク国際裁判とは別に、自国の裁判所でナチスの犯罪を裁いている。独検察庁がつくり、ナチスの犯罪について情報収集し、捜査する「ルードウィヒスブルク・ナチス犯罪追及センター」によると、1945年からこれまでに10万人以上が刑事訴追された。
69年に独連邦裁はアウシュビッツ強制収容所の歯科医師だった被告に具体的な虐殺への関与が証明されないとして無罪を宣告。この判決が先例となり、訴追への障害となっていた。しかし、2011年になってミュンヘン地裁が強制収容所の元看守に禁錮5年有罪判決を下した際、本人が実際に殺害に手を下したかどうかの立証は必要なく、大量殺害を目的とした収容所との関係を立証すれば十分と判断。新たに起訴されるケースが相次いでいる。
「ナチスの犯罪」に時効はないが、ここ数年のナチスの裁判は時間との闘いとなっている。容疑者も被害者も80代以上の高齢になっているためだ。
AFP通信によると、今年6月にはアウシュビッツ強制収容所で看守として果たしていた役割を罪に問われた94歳の元親衛隊員の被告に禁錮5年の判決が下された。判決は「たとえ70年が過ぎ、被告の年齢が94歳であっても、この裁判は曲がりなりにも社会が行える精いっぱいの正義だ」と強調している。
被告は沈黙を破り、アウシュビッツにいた当時の話を法廷で初めて証言。犠牲者らに「申し訳ない」と述べ、収容されていた人々が射殺されたりガス室に送られたりしていたことや、遺体が収容所内で焼却されていたことを知っていたと認めた。
独はホロコースト関係者の刑事責任追及など過去と正面から向き合う取り組みを通じて、ナチスの被害を受けた国々との相互理解を深めてきた。対照的に日本は歴史認識をめぐり、中国や韓国とギクシャクした関係が続く。独では周辺国との共同の歴史研究や教科書づくりも進められ、歴史の授業の中でナチスについては特別の重点が置かれている。(編集/日向)
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