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EU離脱は大英帝国復活の始まり <上>EU離脱の混乱を救った鉄の女と覇権国家の遺伝子
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189400
2016年9月7日 日刊ゲンダイ 文字お越し
ヤリ手(C)AP
英国が国民投票でEU(欧州連合)からの「離脱」を決定してから2カ月経った。日本では「EU離脱=大失敗」のステレオタイプの報道が目立つが、波紋はフランスにも広がり、極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン党首は来春の大統領選で当選すれば「英国のようにフランスのEU離脱の是非を問う国民投票を実施する」と公約した。離脱直後こそ、残留支持派の悲嘆や怨嗟の声が吹き荒れた英国だが、世論も徐々に離脱容認の方向に収斂しつつあるようだ。大失敗どころか、かつての「大英帝国復活」の雰囲気すら漂い始めた英国の姿をみる。
「国民は離脱を選んだ。英国にとって最高の条件で離脱する」
しかるべき手続きを経た決定には従う――という現代民主主義の元祖といわれる英国だが、離脱決定の混乱回避に一役買ったのは、英国で2人目の女性宰相となったメイ新首相の存在が大きい。
もともと残留支持だったメイ首相だが、就任直後から精力的に動き、オランド仏大統領やメルケル独首相と矢継ぎ早に会談。「即座の手続き開始」を求めたEUに対しては「準備期間は必要」「交渉開始は年明け以降」と突っぱねる一方、国内向けには「一部の特権階級のためではなく、全ての国民のために政治を行う」と沈静化に努めた。
「鉄の女」と呼ばれたサッチャー氏の再来ともいわれるメイ首相の手腕が特に注目されたのが閣僚人事だ。キャメロン前首相の取り巻きを中心とする政治家グループ「ノッティングヒル一派」を一掃。キャメロン前首相と二人三脚で外交を取り仕切り、中国との蜜月関係を築いたオズボーン前財務相も解任した。
中国出資で計画が進む英国南西部の原発計画もオズボーン前財務相の“実績”とされるが、この計画にも「待った」を掛けた。重要なインフラ施設を中国に委ねることへの安全保障上の懸念を示したのだが、ここでもキャメロン路線の「対中蜜月関係」の見直しにかじを切ったのだ。
英国民には、16世紀にスペインの「無敵艦隊」を撃破し、その後、世界各地に植民地、海洋領土を広げていった、かつての「覇権国家」としての強いプライドが脈々と受け継がれている。それが「大英帝国」の“遺伝子”なのだとすれば、EU離脱は新たな帝国復活の兆しなのかもしれない。
(経済コラムニスト・加多忠良)
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