http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/237.html
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先ごろ杭州で行われたG20首脳会合で本論ではないのに大きな話題になったのが、オバマ大統領が搭乗していた「エアフォースワン」到着時に発生したもめ事である。
一つは、エアフォースワンでオバマ大統領が到着した際、中国側が賓客を迎えるための赤い絨毯を敷いたタラップを用意していなかったことである。オバマ大統領は、エアフォースワンに装備されているタラップを降ろし、そこから地上に降り立った。
もう一つが、国家安全保障担当大統領補佐官ライス氏がエアフォースワンから降りてきたオバマ大統領に近寄ろうとした際、中国側の警備担当公安要員に強く押しとどめられたことだ。
二つ目のライス大統領補佐官を押しとどめた警備は、“錯誤”ないし“過剰”ないし“非特別視”の結果だと思われる。
警備担当者は中央の指揮に従って動いたのだろうが、“機転”がきかなかったか、たとえ米国政府御一行様であろうとも事前の打ち合わせと異なるような“動き”は受け容れないという中国の“意思表明”の現れだと思う。
最初の「タラップ」問題だが、半分ほどはオバマ政権の意向に沿ったものだと思われる。
なぜなら、オバマ大統領は杭州のあとエアフォースワンでラオス・ビエンチャンに向かったが、到着時に用意されたタラップは赤い絨毯も他の飾りもない簡素な通常のタラップでしかなかったからである。
だからといって、ほかの首脳も同じ接遇を受けたわけではない。日本や中国の首脳がビエンチャンに到着した際のタラップには儀礼的な装飾がなされていた。
安倍首相がビエンチャンに到着した際に用意されたタラップには赤い絨毯が敷かれていた。中国の李首相のために用意されたタラップは、映像上赤い絨毯の有無は確認できなかったが、タラップの手すりに青と白の布の大きなリボンが付けられていた。
ラオス政府がことさら米国大統領を“冷遇”することは考えられないので、オバマ政権が、タラップは実用的なものであり装飾は不要とラオス政府に伝えた可能性が高いと判断できる。
そう考えると、杭州空港のタラップも、中国政府の“冷遇”の現れと見る必要はないだろう。
それでも、米国大統領がエアフォースワン装備のタラップを使って降りてきたのはあまりに“無骨”である。それが、オバマ流なのか、中国との打ち合わせでもめた結果なのかはわからない。
中国と米国が打ち合わせでもめた結果だとしたら、大統領がどちらの機体の搭乗しているかを秘匿したまま2機ペアで運用するエアフォースワンについて、中国側が、オバマ大統領がどちらのエアフォースワンに搭乗しているか予め明らかにして欲しいと申し入れた際、米国側が到着したあとまで明らかにできないと応えたせいではないかと推測する。
オバマ大統領も、4日の記者会見で、到着時の“もめ事”について、「深読みはしなくてよいのではないか」、「初めてではないし中国だけでもない」と説明し、米国は他より航空機・ヘリ・車・警備員が多いのでホスト国としては多過ぎるように思えるのだろうと理解を示している。
今回の事件を中国政府の立場で考えたら、米国大統領は最重要の賓客ではあるが、だからといって他の国の首脳と大きく異なる別格の接遇はできない、米国大統領であっても中国にやってきたら中国の意向とすりあわせて欲しいと思うのは当然である。
G20の会合だから、20カ国の首脳プラス国際機関の代表たちがやってくる。
“主権国家として平等”である各国首脳が次々とやってくる“忙しい”空港で、特定の国だけを特別扱いする必要はないしするわけにもいかない。
そのように考えると、杭州空港でオバマ大統領のために用意したタラップは、もう一機のエアフォースワンが駐機する場所に用意された可能性が高い。そして、先乗りしていたと思われるライス大統領補佐官も、そこで待っていたと思われる。
日本など米国に“ひれ伏す”政府は、米国の意向に応じて二つのタラップを用意したりするのだろうが、中国政府はそうはしなかった可能性が高いのである。
※関連記事
「米軍諜報機関、中国についての侮辱的ツイートを謝罪:経緯不明のエアフォースワン到着時の“タラップ”騒動絡み」
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/217.html
「中国で開催されるG20サミットに出席するため杭州の空港へ降りた米大統領に対する扱いの意味(櫻井ジャーナル)」
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/205.html
※エアフォースワンの運用方法参照投稿
「エンセンさんへ:03年の「奥参事官と井之上3等書記官の殺害」は「フセイン救出作戦」の隠蔽工作」
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/367.html
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