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非リアルのリアルへの介入 : 「ポケモンGOの侵略」によって奇妙なゆがみの中で変貌しつつある世界の「現実」の光景。廃墟が、紛争地が、エリア51が……そして世界中が
フランスでは新型の手法による大規模なテロが発生し、トルコではクーデターが起きているかもしれないとされているこのご時世の中、世界中の人々が、どれだけ不安な時を過ごしているのかと見てみれば・・・。
ポケモンGOのプレイヤーに占拠された感のあるニューヨークのセントラルパーク
・Pokémon Go’s Launch Has A Thorn
ポケモンGOプレイヤーに占拠されたオーストラリアのウロンゴンのカフェ前
・Skate park hold-up at Tahmoor sparks Pokémon Go warning
「クーデターや紛争どころではない」という世界の人々の状況が、あらゆる場所から伝えられています。
ガザ地区の廃墟の中でポケモンを探す女性たち
・getty images
そこがどんな場所であるとかなどとは関係なく、世界中の「大人」たちが一心不乱にポケモンを探しているという奇妙というのか何というのか、そんな風景が壮絶な勢いで広がっています。
奇妙で異常だけれど、何だかものすごい高揚感を感じるような・・・。
このゲームは、従来型のゲームと違い「家の中にいては何もできない」ということで、とにかく「外へ出る」、「風景を見続ける」ということが大事なようで、いろいろな国のいろいろな場所が、ポケモンとプレイヤーに占拠、侵略されている感があります。
イスラエルに破壊されたガザ地区の廃墟のビルの中にいたピカチュー
・Newsweek
米国のエリア51にいたポケモンたち
・kotaku.com
イスラエルの大統領府内に現れたポケモン(リヴリン大統領本人が画像をFacebookにアップ)
・acasadocogumelo.com
米国海軍の訓練中に現れたピカチュー
・gameskinny.com
写真を見ているうちに、「なんだ、この奇妙な世界を旅行をしているような感覚は」と思えてきたりしまして、世界の風景が少し変わって見えてきたこの数日間ではあります。
非リアルがリアルに介入して、現実がグチャッと笑いながら崩壊していくような感覚といいますか。
むかし、劇作家の寺山修司さんによる『書を捨てよ町へ出よう』なんて著作がありましたが、書を捨てて町へ出るまではいいとして、その後ポケモンを探す日々が始まるという異例の展開を見せる 2016年の文芸界・・・(自分の現実も崩壊してきてるんじゃないか?)。
まあ・・・日々・・・私の・・・現実は・・・崩壊して・・・(こわいからやめろって)。
はい。話を戻しますと、寺山修司は・・・じゃない、ポケモン GO のプレイというのは、これらの写真を見てもわかりますが、「スマートフォンに没頭して歩く」というような姿勢になるので、事故などの面で危険は危険だと思いますし、実際に交通事故や衝突事故が多発しているようです。
下の報道のように「ポケモンを探しているうちに崖から落ちてしまった」人たちもいます。高さ 30メートルくらいから落ちたようです。怪我の程度は不明。
・NBC
あるいは、いろいろとスパイウェアなどの不確かな話もあったりするのですが、そういう部分を別にして、ガザの廃墟までをも巻き込んで「非現実の存在が現実の世界の風景を変えている」ことには感心します。
このポケモン GO のプレイヤーの人たちの様子を見ていて思うのは、奇遇といいますか、前回の、
・車に滅ぼされた日本 : 認識されなくなった光景の中に広がる復活の目処のない果てしない廃墟に囲まれた国で
2016/07/15
という記事の中で、車社会は基本的に「出発点と目的地の《点と点》2つだけが重要であるため、それ以外のものや場所が認識されにくくなる」というようなことを書きました。
これは感覚的な話かもしれないですが、私は、「自分のいる環境をよく観察して、認識していかないと、その風景は死んでしまう」というような概念を持っています。実際に、そのようにして地方の都市や自然は死んでいっていることを前回の記事で書いたのですけれど、それはともかく、このポケモン GO は、屋外の場所でポケモンを「探しだすこと」が目的ですから、プレイヤーの人たちは、みんな真剣に光景を見ている。
見ていること見ていること・・・。
生まれてこのかた、こんなに風景を真剣に見つめたことがあるだろうかというほど、風景を見つめている。
山の中で真剣な眼差しでポケモンを探す男性
・POKEMON GO – THE MOST DANGEROUS APP FOR MOUNTAIN BIKERS?
スマートフォンのカメラを通しての風景とはいえ、ふだんは決して観察しないような真剣さで自分の周囲を「観察」し続けるたくさんの大人たち・・・ということにはちょっと興味がわきます。
光景が人間に無視されようとすると、何か無理矢理何かを登場させるというような「奇妙な摂理」も感じないでもないです。
さらに続々とポケモンGOプレイヤーたちが見つける「あれ」
ところで、先日、
・最近のささやかなニュース:猫の大量消滅、川にかかる謎の郵便ポスト、虹を吹き出すクジラ、そして過去最大級に成長しつつある太陽のコロナホール
2016/07/14
という記事で、「ポケモン GO をプレイしていたアメリカ人が、ポケモンではなく、川で行方不明になっていた人物の遺体を見つけてしまう」という報道をご紹介したのですが、その後も次々と同じ例が報じられています。
米国カリフォルニア州 7月15日
・‘Third Dead Body Discovered By ‘Pokémon GO’ Players In One Week
米国ニューハンプシャー州 7月14日
・“Pokemon Go” player finds body floating in Nashua river
この1週間だけで、3人のご遺体がポケモンGO プレイヤーたちによって発見されているということですが、プレイヤーたちは、普段なら行かないような場所にまでポケモンを探しに行っているようですので、これからも続くことになるのかもしれないです。
というか、何かこう「変なもの」や「奇妙なもの」も見つかるのかもしれません。
今まで興味のなかった「自分の住んでいる環境」を徹底的に観察すること、そして、その人数が何千万人といるということで、いろいろなものが発見されていくのかもしれません。
それにしても、あのポケモンがこんなことになるとは・・・。
うちの子どもが、わりとポケモンが好きだということもあって、映画も見たこともありますし、馴染みがないわけでもないです。
このポケモン GO のニュースに子どもも反応していましたが、私が「うちはスマホがないから、できないな」と言うと、
子ども 「おそらくタブレットでもできるでしょ」
わたし 「な・・・」
タブレットは持っているのです。
しかし、どうもプレイヤーたちの様子を見ていますと、危険なドラッグなどと同じように「1度手を出したら終わり」のような気もしないでもなく、タブレットを捨ててしまおうかどうか悩んでいます。
人々の様子を見ていると、中毒性がものすごい感じがよくわかるのです。
まあ、普通に考えれば、上に示しました一連の写真の光景にふさわしい形容は・・・それは「狂っている」というものにならざるを得ないわけで・・・そう、これは狂っているのですよ。そういう光景なのだと思います。
しかし、この本当に「世紀末的な混沌」を感じるポケモン GO フィーバーにむしろワクワクしている私ですが、同時に、今はテロやクーデターが相次ぐという混沌の中の混沌の時でもあります。
いやしかし、こんな狂気と混沌の世界をリアルタイムで体験できているなんてのはすごいことだとも思います。
この明らかな末法の現実の世界に出現した「非リアル」の介入は、これからどんな興味深い光景を見せてくれるのだろうかと思いは巡ります。
非リアルのリアルへの介入 : 「ポケモンGOの侵略」によって奇妙なゆがみの中で変貌しつつある世界の「現実」の光景。廃墟が、紛争地が、エリア51が……そして世界中が INDEEP
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