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「愛国心」に手こずる中国政府、南シナ海裁定で
By CHUN HAN WONG
2016 年 7 月 21 日 15:09 JST
中国が南シナ海で主張する領有権をめぐり国際司法の場で中国にとって不利な判断が示され、中国国内では多くの国民が憤りを感じている。しかしこの国では愛国心の何たるかを決めるのは政府だ。
オランダ・ハーグの仲裁裁判所は今月12日、南シナ海の大半に歴史的、経済的権益を有するという中国の主張を否定した。以来、中国の政府関係者や学者、ジャーナリストは、同裁判所に正統性はないと非難したり、米国が中国を提訴したフィリピンを支持して裁判手続きに関与したとほのめかしたりするなど、次々に批判を展開している。
裁定を受けて市民の中には、中国政府を支持し、米国系ファストフードチェーンでピケを張ったり、米国製品の不買運動を呼びかけたりする動きも現れた。しかし、国営メディアはこうした動きを直ちに非難し、ソーシャルメディア上で拡散した戦争を挑発するような発言は検閲当局によって削除された。
国営新華社通信は今週、論評で「『南シナ海の裁定をめぐる茶番』の背後に潜む不正の暴露は愛国的感情を反映したもの」と指摘する一方、「もしこの感情が社会秩序を破壊する違法な活動に変化し、これに『愛国心』というレッテルが貼られれば、道を誤ったことになる」と指摘した。
政府が局地的な小規模デモを抑制するのは、中国共産党が抱える長年の課題ゆえのことだ。その課題とは、政治的な正統性を求める国民の愛国心を利用しつつ、社会の安定や党の支配を損なう恐れのある過剰な愛国心を鎮めることである。
iPhoneやケンタッキーも標的
今回の抗議運動では、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」も攻撃対象にされた。一部の参加者は端末を破壊し、壊れた端末の画像をソーシャルメディアに投稿して、後に続くよう呼び掛けた。米国のレストランチェーンのボイコットやマンゴーなどフィリピン製品の不買運動を呼び掛ける動きもみられた。
河北省や安徽省では、数十人がケンタッキーフライドチキン(KFC)の店舗に怒りの矛先を向けた。報道やソーシャルメディアに投稿された映像によると、愛国心を示す横断幕が掲げられ、店の利用客は暴言を浴びせられた。
これらの抗議運動で経済的にどの程度の影響があったかは不明。アップルの広報担当者は、中国市場を楽観視しており、中国の消費者の間でアップルの人気は高いとする過去のコメントを引用した。中国でKFCのチェーンを運営するヤム・ブランズは現段階でコメントすることは差し控えた。
政府関係者は過去に、外交上、優位な立場に立つための手段として、愛国心による激しい抗議運動を容認したことがある。運動を奨励したケースもあった。過去の事例と比較すると、この1週間に起きた抗議運動は見たところ、比較的規模が小さい。
1999年に北大西洋条約機構(NATO)がベオグラードにある中国大使館を爆撃すると、中国当局はこれに抗議するため、北京、上海、成都にある米国の在外公館周辺での大規模デモ開催を支援した。最近では、日本が2012年に、中国と領有権を争う尖閣諸島(中国名:釣魚島)を国有化したことを受けて、反日デモを容認した。
しかし中国政府は今回、デモを抑制したいようだ。北京市内の大使館が集まる地域では大規模なデモは起きておらず、中国当局は抗議運動を未然に防ぐため、フィリピン大使館周辺での警備を厚くした。
国営メディアは中国の主権を侵害しているとして仲裁裁判所への非難を続けながら、過剰な愛国心と判断したケースについてはいましめている。
中国共産党の機関紙「人民日報」は米国製品の不買運動がなぜ中国の国益を損なうことになるかについて解説。読者に対して、法律を順守するよう強く求めた。
不買運動をけん制
人民日報は19日、ソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントに「経済がグローバル化した時代では、日常生活で使われている多くの製品は(米国製と中国製の部品の両方が使われる)『ハイブリッド』である」と述べ、「製品をボイコットしたくでも不可能だ」と指摘した。
さらに「非常に多くの中国市民が(ファストフード)業界のサプライチェーンで働いている。彼らが職を失ったら、あなたがたが彼を養うつもりなのか」、「米国がインターネットを発明したからといって、インターネットをボイコットして、インターネット以前の時代に戻るべきなのか」と問いかけた。
中国の英字紙「チャイナ・デイリー」は20日付の論評で、KFCへの抗議運動を「国家への献身の精神を傷つける好戦的愛国心」によるものと非難した。
論評は「愛国心は愛国者を名乗る人間が選んだ行動の寄せ集めではない」と指摘、愛国心を「自己の正当化や、法に反する過激な行為に法的根拠を与えたりするためのレッテルとして利用することもできない」と述べた。
中国共産主義青年団はさらに踏み込んだ批判を展開、抗議運動の一部の参加者について、奇妙な抗議運動を行い、善意の愛国者の評判を損なおうとする反政府分子と主張した。
共青団はミニブログ「微博」の公式アカウント上で論評を公表、一部の人々が「過激分子」の振る舞いを大げさに言い立てて、大半の愛国心に満ちた若者による理性的な態度を非難しようとしていると指摘した。
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食べたら売国奴?南シナ海判決に抗議し、中国で民衆がKFCを包囲―台湾紙
Record china配信日時:2016年7月19日(火) 9時0分
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18日、台湾・中国時報(電子版)は「食べたら売国奴になる?南シナ海問題の仲裁裁判決に抗議し、中国で民衆がケンタッキーフライドチキン(KFC)を
2016年7月18日、台湾・中国時報(電子版)は「食べたら売国奴になる?南シナ海問題の仲裁裁判決に抗議し、中国で民衆がケンタッキーフライドチキン(KFC)を包囲」と題する記事を掲載した。
南シナ海問題を巡って仲裁裁判所が中国の主権を否定したことを受け、中国河北省でこのほど「日米韓とフィリピン製品の侵入を阻止せよ、我ら中華民族を愛せ」と書かれた横断幕を掲げた民衆がKFCの店舗を取り囲み、同社製品のボイコットを呼びかける騒ぎがあった。一方で、ネットではこれらの動きを「ポーズに過ぎない」と指摘する声も出ている。
香港紙・星島日報によると、河北省では中国国旗を持った市民数十人がKFCの店舗前に集結。「日米韓とフィリピン製品の侵入を阻止せよ、我ら中華民族を愛せ。あなたが食べているのは米国のKFCだ。祖先の顔を汚す行為だ」などと書かれた横断幕を掲げ、南シナ海問題についての仲裁裁判決に不満を表明した。
さらに、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を床に叩きつけて壊した写真がネットに拡大。数人の男性がKFCの店舗に入ろうとしたところ、民衆に取り囲まれ「入って食べたら中国は米国、フィリピンと戦争することになる。お前も売国奴だ」と脅され、入店をあきらめる様子を写した画像もネットに上がっている。
これに対して中国ネットは議論が噴出。「最近愛国精神が急に盛り上がっているようだ」「愛国心は理性的でなければならない。(KFCなどの)店舗は中国人が経営しており、多くの中国人の生活がかかっている」「日米製品に反対する前に、愚か者が入ってくるのを防ぐべきでは」などの声も。「抗議している人たちはポーズを取っているにすぎないのでは」と冷めた見方も出ている。(翻訳・編集/大宮)
http://www.recordchina.co.jp/a145149.html
中国で米製品の不買運動 南シナ海の仲裁判決受け
2016.07.21 Thu posted at 16:52 JST
仲裁判決に反発する中国国民が米企業へのボイコットを展開
北京(CNN) 南シナ海の領有権問題で常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が今月12日、中国の主張を全面的に否定する判決を出した後、中国国内ではケンタッキーフライドチキン(KFC)やアップルなど米国系商品の不買運動が各地で発生している。
領有権問題を同裁判所に持ち込んだフィリピンの果物も対象になっている。この中で中国の国営紙・人民日報は20日、これら抗議運動は不合理で混乱を生じさせるものといさめる論説を掲載した。
中国政府は仲裁判決を認めない立場を終始主張しているが、不買運動を野放しにしておけば同国の評価を失墜させることを懸念し、締め付けに転じたとみられている。
12日からの1週間内には中国の民族主義者らが複数の都市で米系飲食店チェーンをボイコットするビデオ映像や画像がソーシャルメディア上に掲載された。中国のポータルサイト「搜狐」によると、推定11カ所の都市で18日、KFCの不買運動が開始された。
湖南省長沙市では住民がKFC店外で「KFCとマクドナルドは中国から出て行け」との垂れ幕を掲げ、気勢を上げた。同国中部の河南省では地元警察が19日、KFC店外で破壊行為につながりかねない抗議運動を組織した3人を拘束した。
ソーシャルメディア上ではアップルに対する反感も広がり、iPhone(アイフォーン)を粉砕するキャンペーンも始まった。
フィリピンを狙った動きも出ており、中国最大のショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」ではフィリピン産の果物の代わりに地元で栽培した乾燥マンゴーの売り込みを図る業者が現れた。ある業者は「自国産の乾燥マンゴーだけを売る。南シナ海を守る」と書き込んだ。
ただ、中国政府はここに来てこれら抗議運動の収束を図る動きを見せ始めている。2012年に日本との領土論争が起き、国内で大規模な反日集会などが広がった際に中国政府が封じ込めを図った際の状況に類似している。
人民日報は20日の論説で、国家発展を助長する行動はまさしく愛国的と呼べようが、意図的に公共治安を犠牲にするいわゆる愛国主義は国家と社会に支障だけを与えると主張。国営の新華社通信は、全て合理的な行動を選ぶ現実的かつ効果的な愛国主義だけが意味をなすなどと論評した。
専門家は12日の仲裁判決は中国人に愛国心の高揚をもたらしたと見ている。シンガポール国立大学の法学部教授は「(判決を受け)実際、中国人の穏健派がたちどころにタカ派に転じた」と指摘した。
ただ、中国のソーシャルメディア上にはタカ派的な行動にくみしない主張もある。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のある利用者は「中国人だが不買運動は馬鹿げている。不買運動の参加者をボイコットする」との意見を寄せた。
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http://www.cnn.co.jp/world/35086218.html
016.7.21 10:20
【緊迫・南シナ海】愛国「言い訳にするな」米系のケンタッキー・フライド・チキン抗議に中国紙
南シナ海の問題から、米系企業ケンタッキー・フライド・チキンの店舗をターゲットに抗議する群集=19日、江蘇省宝応県(AP)
20日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーは中国の主権を否定した仲裁裁判所判断への抗議活動が、米系ファストフード店舗を標的に発生していることについて「愛国主義は無分別な行動の言い訳にならない」と批判した。
抗議活動は安徽省などのケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店舗で発生。活動家が店の前で横断幕を掲げたり、客を罵倒したりした。
同紙は社説で、仲裁裁判所の判断に絡む米国、日本、フィリピンの行動は「不適切だった」と非難した上で「愛国主義は法を犯す極端な行為を正当化しない」と強調。中国政府は「愛国主義の名の下で行われる野蛮で不法な行為」を取り締まるべきだと訴えた。(共同)
http://www.sankei.com/world/print/160721/wor1607210018-c.html
2016.7.21 11:57
【宮家邦彦のWorld Watch】南シナ海めぐる裁定、国際法の分かる常務委員がいなかった 中国の「音痴」ぶりは悲劇的だ
南シナ海をめぐる仲裁裁判所の判断を報じる13日付の中国各紙 (共同)
先週は珍しく「国際法」に世間の耳目が集まった。13日付主要紙が1面トップで、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が中国の主張を退けたことを詳しく報じたからだ。
●南シナ海中国支配認めず
●初の国際司法判断
●仲裁裁「九段線 根拠なし」
こんな見出しで始まる記事には国連海洋法条約、領海、排他的経済水域、大陸棚、低潮高地といった専門用語が躍る。筆者の女房は、「今日の記事は最初の5行読んだだけで頭が痛くなった」とぼやいていた。今回の「判決文」は全体で500ページもあるが、結論は明快だ。
中国は南シナ海の大半が「古代からの中国の領土」であり、そこに中国は「疑う余地のない主権」があると主張してきた。これにフィリピンが異を唱え国連海洋法条約に基づく仲裁手続きを始めたのは2013年1月。過去3年半に中国は南シナ海で実効支配する岩礁を埋め立てて「人工島」を造った。明らかに既成事実を積み重ねるためだ。
それでも今回、仲裁裁判所の判断はフィリピン側主張をほぼ認めた。要するに「中国が南シナ海で主張する歴史的権利に法的根拠はない」ということだ。対する中国政府は「フィリピンが一方的に申し立てた仲裁は国際法違反であり、仲裁裁判所は管轄権を持たないので、中国はこれを受け入れず、認めない」と宣言した。外務省報道官も「判断は紙くずであり拘束力はなく無効だ」と強く反発した。
今回の国際司法判断の是非や日米中など関係国の対応ぶりは既に詳しく報じられており繰り返さない。ここは「九段線」「歴史的権利」「紙くず」など、お粗末な反論しかできない中国外交「音痴」の理由について考えてみたい。
最大の問題は中国共産党の政治局常務委員に国際法を理解する者がいないらしいことだ。南シナ海問題で中国が直面する国際司法環境の厳しさを誰が彼らに伝えるのか。外交担当トップの「国務委員」は政治局委員どころか、さらに格が下の中央委員でしかない。政策立案権限のない外務省は仲裁裁判所判断を「紙くず」と切り捨てた。担当する国際法に対し最低限の敬意すら払おうとしないのだ。
彼らは現在の国際法が「西洋の産物」にすぎないと考えているのか。半世紀近くも国連に加盟し常任理事国の特権を享受しながら、常設仲裁裁判所の判断を否定する中国の態度は自己矛盾にしか見えない。そもそも中国には欧米型の「法の支配」という発想がない。そこは全知全能の神と被造物である不完全な人間との契約(法)に基づく一神教の世界ではない。
中国・戦国時代に法家が説いた「法治」とは儒家の「徳治」に対する概念であり、法は権力者がつくるものだ。被統治者は法の支配ではなく「立法者の支配」を受けて当然と考える。その意味で今回の国際司法判断は、人権や法の支配など欧米的概念と中華的法秩序との相克の新局面と見ることも可能だろう。
昭和7(1932)年、リットン調査団は、日本による中国主権の侵害と、満州に対する中華民国の主権を認める一方、日本の特殊権益をも認め、同地域に中国主権下の自治政府を建設する妥協案などを勧告した。この報告書を日本は「満蒙はわが国の生命線」として拒否する。文献によれば、当時は日本政府関係者でさえ、「国際連盟は遠い欧州の機関であり、アジアを知らない連中が規約一点張りで理不尽な判断を下した」と感じていたようだ。
歴史は繰り返さない。だが、今の中国指導者や一般庶民も似たような感覚を抱く可能性は十分ある。戦前日本の外交・国際法「音痴」は悲劇的ですらあった。現在の中国がこれを繰り返すか否かは、北京の外交政策決定プロセス次第だろう。外交担当の政治局常務委員が生まれるのはいつの日のことだろうか。
◇
【プロフィル】宮家邦彦
みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
http://www.sankei.com/column/print/160721/clm1607210008-c.html
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