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コラム:ロシアではうそが武器、ドーピング問題は氷山の一角
Lucian Kim
[19日 ロイター] - 来月5日開幕するリオデジャネイロ五輪において、ロシアの参加が禁じられる可能性がこれまで以上に高まっている。ロシア選手団が運動能力向上薬を広範に使用していたとして、国際オリンピック委員会(IOC)は制裁を課すことを検討している。
IOCが、ロシア陸上選手の五輪参加の可否について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が今週下す裁定を待つなかで、他競技でも国ぐるみで行われていたドーピングの実態を詳細に示す新たな報告書が18日、公表された。
ロシアのプーチン大統領の反応は効果的だった。東西冷戦時代の五輪ボイコット合戦を振り返りながら、「われわれはスポーツへの政治介入という危険な再現を目にしている」と語った。ロシア選手は最高の基準を満たしていると大統領は述べ、報告書の背後に米国の反ドーピング機関が存在するとの見方を示した。
実際、ドーピングスキャンダルは、より大きな問題の兆候に過ぎない。つまり、プーチン支配の特徴となっている真実に対する平然とした無視だ。選挙が不正操作され、裁判がでっち上げられ、さらに国営テレビが終日うそを流すような国で、一般市民がいったい何を信じるべきかを知ることは難しい。政治に限らず、腐敗はスポーツ大国としてのロシアの評判をおとしめるだけでなく、高等教育で高い評価を得ていた威信を傷つけている。
プーチン大統領は2014年のロシアによるクリミア軍事介入を当初否定し、その後認めるに至った。これは「結果よければすべてよし」というロシア政府の考えを如実に証明するものだ。これには多くのロシア人が賛同しているようにみえる。
ロシアの独立系調査機関レバダ・センターが2015年4月に行った世論調査によると、回答者の37%がロシア政府を信じ、同国が東ウクライナに軍事介入はしていないと思っていた。また、ほぼ同じ割合の38%が「たとえウクライナにロシアの兵隊や軍装備品があったとしても、現在の国際状況において、ロシアがその事実を否定することは正しい政策だ」と回答。ロシアによる軍事関与を否定することは緊張を高め、紛争解決を妨げるとの回答は11%だった。
さまざまな敵に対するロシアの「ハイブリッド戦争」において、うそは武器の1つとなってきた。政府の擁護者が使うお気に入りの弁明は「誰もがやっている」だ。イラクの大量破壊兵器について米政府の誤報を最も顕著な例として挙げている。
もちろんロシア人だけが他の誰よりも言い逃れをする傾向があるわけではない。西側政治家も日常的にうそや不正行為が明るみになっている。
米共和党の大統領候補に指名されたドナルド・トランプ氏は上機嫌で真実を偽って伝えているが、これは事実の精査よりも個人の偏見を優先する怠惰なアピールだ。しかし選挙において、「トランプ流」の有効性はまだ確認されていない。一方、プーチン大統領のロシアでは、うそは長年、システムの一部となってきた。
ロシアの政治文化は、旧ソビエト連邦時代に起きた不信に根付いている。その当時は筋金入りの共産主義者でさえも、プロレタリア独裁の理想と現実のギャップを否定できなかった。人々の生活を惨めにするためにあるような不道徳なシステムを悪用することについて良心の呵責(かしゃく)を覚えることはなかった。さらに、共産主義の終焉と資本主義への混沌とした移行に伴う物不足のなかでは、規則を曲げることが生き残り戦術となった。
最も弱い立場の人々を守るべき規則や法律、機関が存在しないなかで、最も計略に長けた者が先に進み、ロシアの経済的な豊かさを手にした。過去30年間におけるロシアの経験では、誠実さはしばしば極貧を意味してきた。
チェコのハベル元大統領といった共産主義時代の反体制派は、恐怖とうそによって築かれたシステムの悪影響を説いた。「うそは、他のうそから決して私たちを守ってはくれない」と劇作家から政治家に転身したハベル氏は語る。抑圧的な政権を克服する最善の方法は「真実に生きる」ことだと説いた。1989年の平和的なビロード革命を率いたハベル氏は大統領に就任し、その後はプーチン氏に対する最も厳しい批判家の1人となった。
ロシアでも5年前、ビロード革命的な節目があった。それは、あらゆる階層のモスクワ市民が公正な選挙の実施と、組織化されたうその撲滅を要求し、プーチン大統領を驚かせたときだった。頑強な共産主義者やロシアの国家主義者もデモに参加してはいたが、その勢いは、ヨーロッパ人のように自由で誠実な生活を望んだ中流階級のモスクワ市民が主導していた。
ロシア政府はさらなる抗議運動を阻止するために活動家を訴訟に巻き込んだり、運動リーダーたちが特に優れていないことを示すために犯罪捜査を開始して彼らのイメージを傷つけたりした。プーチン大統領が住む世界は、汚れた二股の裏切り者であふれる危険な場所だ。失敗や驚きはたまたま起きるものではなく、米国務省や米中央情報局(CIA)にいる同じようにひねくれた敵対者たちが引き起こすものとなっている。
うそに対して事実で応えることは、しばしば真実を単なる意見に弱めるという意図せぬ結果をもたらす。そのような対処法は、もともとのうそに劣らず効果的だ。結局のところ、皮肉がはるかに効果的な武器なのだ。
6月のサッカー欧州選手権でウェールズがロシアを3─0で破ったとき、ロシア国内のネット上では、次のようにプーチン大統領が語ったという情報が広まった。「彼らは私たちの選手ではなかった。ユニフォームはどの店でも買うことができる」。この参照元は、2年前にクリミアを占拠した軍隊はロシア軍ではなく、余っていた軍服を着た地元民だったとする、プーチン大統領の有名なうそだ。
*筆者は1996年以降、ドイツや東欧、旧ソ連諸国からリポートを続け、コソボやアフガニスタン、ジョージアやウクライナの紛争を取材。ブルームバーグのモスクワ支局やクリスチャン・サイエンス・モニター紙のベルリン支局で特派員を務めた経歴を持つ。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/russia-lie-idJPKCN1010ZK?sp=true
スポーツ仲裁裁判所が裁定 ロシア陸上選手 五輪出場できず
7月21日 18時19分
ロシアの陸上選手が組織的なドーピングを理由に国際陸上競技連盟から出場停止処分となった問題でCAS=スポーツ仲裁裁判所は21日、ロシアオリンピック委員会の訴えを退ける裁定を出しました。この結果、ロシアの陸上選手は、原則としてリオデジャネイロオリンピックに出場できないことが確定しました。
ロシアオリンピック委員会は、ロシアの陸上選手について国際陸連が先月、組織的なドーピングを理由にリオデジャネイロオリンピックへの出場を認めないとした処分に対し、「ドーピングをしていない選手は、オリンピック出場を認めるべきだ」として、CASに68人の選手の処分の取り消しを求めて提訴していました。
この訴えについてCASは、21日、国際陸連の処分は正当で、ドーピングをしていない陸上選手をオリンピックに出場させるべきだとするロシアオリンピック委員会の主張は認められないとして、訴えを退ける裁定を出しました。
この結果、ロシアの陸上選手は原則としてオリンピックに出場できないことが確定しました。
ロシアを巡っては、国家主導での組織的なドーピングが認定され、IOC=国際オリンピック委員会が、陸上だけでなくロシア選手団の出場を認めないことを検討していて、今回のCASの裁定を受けてIOCが最終的にどのような判断を下すのか注目されます。
一方で、国際陸連はロシア選手のうち、ロシア国外に拠点を置き、ドーピングに関与していないことが証明できる選手については、特例として個人資格でオリンピックに参加できるとしていて、アメリカに拠点を置く女子走り幅跳びのダリャ・クリシナ選手と、一連の問題が明らかになる告発をした中距離のユリア・ステパノワ選手の2人は、オリンピックに出場する資格があります。
ロシアスポーツ相「残念としかいいようがない」
CASの裁定について、ロシアのムトコ・スポーツ相は、ロシアの通信社に対して、「残念としかいいようがない。今後の対応を検討する」としたうえで、「客観性を欠く決定で、政治問題化され、法的な根拠がない」と述べて批判しました。
また、ロシア大統領府のペスコフ報道官も「ロシアのすべての陸上選手が連帯責任を負うことは受け入れがたい。今回の裁定の内容をこれから分析する」と述べました。一方で、ペスコフ報道官は、ロシアの選手団がリオデジャネイロオリンピックをボイコットすることはないとの立場を改めて表明しました。
国際陸連「公平な戦いの場が提供される」
国際陸上競技連盟はCASがロシアオリンピック委員会の訴えを退ける裁定を出したことを受け声明を出しました。
国際陸連は「CASは、国際陸連が陸上競技を守るために新たに定めた『国内の陸上競技連盟が資格停止処分を受けていたら、その所属選手は国際大会に出場できない』という規則を支持した。この裁定で、選手には公平な戦いの場が提供されることになった」としています。
国際陸連のセバスチャン・コー会長は「私たちの権利が認められたことは喜ばしいが、勝利宣言をするわけではない。国際陸連はリオデジャネイロオリンピックのあともロシアと協力し、ロシアの選手にとってクリーンで安全な環境を作り上げて、再び国際大会に戻って来られるようにしたい」とコメントしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160721/k10010603671000.html
ロシア陸上、リオ出場ならず=全競技除外に影響も−仲裁裁判所〔五輪〕
2016年7月21日 19時16分 時事通信社
【ロンドン時事】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は21日、組織的なドーピング違反でロシア陸連が国際陸連(IAAF)から資格停止処分を科され、ロシア選手全てが原則として国際大会に出場できないことを不服としたロシア68選手の訴えを棄却した。CASは、資格停止を受けているロシア陸連の選手はIAAF規則で開催されるリオデジャネイロ五輪に出場する資格はないとの裁定を下した。
これで、国際陸連が認めた2人を除くロシア陸上選手のリオデジャネイロ五輪出場はなくなった。国際オリンピック委員会(IOC)はCASの判断を考慮するとしており、24日に開く臨時理事会でロシア選手団全体をリオ五輪から除外する可能性が高くなった。
世界反ドーピング機関(WADA)は18日、調査チームの報告書を発表し、ロシアが2014年ソチ冬季五輪などで国家主導のドーピング隠蔽(いんぺい)工作を行ったと認定し、リオ五輪からロシアを除外するようIOCに勧告した。IOCは19日の臨時理事会では、法的視点からの精査が必要として、ロシア選手団のリオ五輪出場可否の判断を先送りした。
国際陸連は昨年11月にロシア陸連に資格停止処分を科して組織改革を求めたが、6月に対策が不十分として処分を解除しなかった。ドーピングに関与していない選手に個人資格での参加を認めたが、リオ五輪出場には限定的な条件を付け、女子棒高跳び世界記録保持者のエレーナ・イシンバエワらが国際陸連に申請して却下された。
http://news.livedoor.com/article/detail/11791794/
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