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共和党の政策綱領、トランプ氏の立場に接近 反不法移民・「米国最優先」の貿易協定で
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 13 日 18:35:23: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

共和党の政策綱領、トランプ氏の立場に接近
反不法移民・「米国最優先」の貿易協定で

By REID J. EPSTEIN
2016 年 7 月 13 日 15:25 JST

 【クリーブランド(米オハイオ州)】米共和党の政策綱領を起草する共和党綱領起草委員会は12日、政策綱領の草案にドナルド・トランプ氏の保護貿易主義的な政策をおおむね採用した。自由な世界貿易に異議を唱えるポピュリスト(大衆迎合主義者)的な盛り上がりにお墨付きを与える動きだ。共和・民主両党の歴代指導者たちが数十年間にわたって推進してきた自由貿易の理念に、両党ともに反対する動きをみせている。

 共和党の綱領文書は、同党の完全かつ公式の変化を示している。文書では貿易協定に「アメリカ・ファースト(米国最優先)」の方針を求めており、トランプ氏の米大統領選の選挙運動スローガンに呼応している。民主党も最近発表した綱領で、自由貿易協定はもっと厳密に精査されるべきだと述べており、党内の反貿易勢力の見解を肯定している。

 共和党綱領起草委員会(112人の同党代議員で構成)は、既存の北米自由貿易協定(NAFTA)ないし環太平洋経済連携協定(TPP)について立場を表明しなかった。太平洋沿岸12カ国が合意した貿易協定のTPPは各国の批准待ちの状態だが、トランプ氏は破棄を公約している。

 同起草委員会の代議員たちは、個々の協定に立場を表明しない代わりに、貿易赤字を糾弾する一方で国際貿易が「不可欠」とする総論的な文言を支持した。最終文書はクリーブランドで来週開催される同党全国大会で承認される見込みだ。

 同委の綱領は「米国を第一に置く、より良い条件の貿易協定での合意が必要だ」とし、「諸外国政府が米国による自国市場へのアクセスを制限する一方で、米国のデザイン、特許、ブランド、ノウハウ、技術を盗むことは許されない」と述べている。

 米国商工会議所は、共和党綱領(最終文書)がNAFTAあるいはTPPに関する文言を一切含めない公算が大きくなったのは勝利だとみなしている。

 広報担当のブレア・ホームズ氏は「いずれにせよ、貿易に関する商工会議所のメッセージは一貫している」と指摘し、「貿易は雇用、成長、機会、米国の競争力に恩恵をもたらす」と述べた。

 共和・民主両党は政策をめぐって対立するのが常だが、今回は貿易協定に関して驚くほど類似した立場を打ち出そうとしている。民主党綱領起草委員会は先週末、フロリダで会合を開き、貿易協定はしばしば米国の労働者に有害なことが判明したと主張する文言を承認した。この文言はTPP拒否をはっきり求めていないが、貿易協定は頻繁に「期待を裏切る場合がある」と警告している。

 民主党綱領委員会が承認した修正案は「将来のどんな貿易協定も、われわれの貿易パートナーが米国の労働者の足元をすくうことがないようにしなければならない」としている。

 トランプ氏の自由貿易協定に対する厳しい批判は、1930年代の「大恐慌」以来の米国経済政策から大きく逸脱するものだ。1930年に実施された「スムート・ホーリー関税(米国への輸入品に課した高い関税)」が貿易を急減させ、経済下降を一層深刻にしたが、それ以降、歴代の米大統領は何十年間にもわたる国際協定交渉で関税などの貿易障壁を引き下げる方向に動いた。合意した貿易協定の中には物議を醸したものも少なくないが、特に1994年発効のNAFTA以降、ほとんどの協定が議会を通過してきた。

 メリーランド大学の貿易史専門家I.M.デスラー教授は、トランプ氏が「(大恐慌時に大統領だった)ハーバート・フーバー以来、最も貿易に敵意を示している候補者だが、トランプ氏はもっと気まぐれだ」と指摘。「フーバーは貿易協定を破棄したいとまでは思わなかった。彼は当時の基準で産業を保護したいと望んだ」と語った。

 また同教授は、民主党のヒラリー・クリントン候補は「貿易について極めて慎重な立場をとってきた」とし、「彼女は協定を破棄すべきだとも、そこから後退しようとも主張していないが、TPPに関しては極めて用心深くなるだろう」と語った。

 クリントン候補は昨年10月、TPPに反対を表明し、オバマ政権の国務長官時代の立場から見解を変えた。

 共和党代議員たちはまた、移民について綱領の厳しい文言を採用し、本国に送還された後、非合法に米国に戻ろうと企てて拘束された不法移民を5年間の禁錮刑にするよう訴えている。

 共和党全国委員会(RNC)のスタッフ(事務局)がこれより先に準備していた綱領草案では、「物理的な障壁(barrier)」を「われわれのぜい弱な国境」に建設するよう求めるとしていた。だが、その後、同党綱領起草委員会の代議員たちは、この文言を変更し、トランプ氏が提案したように具体的に「壁(wall)」の建設を求めるとした。

 綱領はまた、「周到な審査が不可能な」難民には「米国入国を認めない」とし、「とりわけ本国がテロリズムの温床になっている地域から来た人々」を入国させないとしている。トランプ氏はこれまでにシリア難民の米国入国を禁止するよう主張している。

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