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民主主義から逸脱するポーランド政治 
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 12 日 16:39:00: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

民主主義から逸脱するポーランド政治
2016年07月12日(火)岡崎研究所
 6月2日付の英フィナンシャル・タイムス紙は、「ポーランドにはヨーロッパの警告を無視する余裕はない、EUとNATOのメンバーであることは西側の価値を尊重することを必要とする」との社説を掲載し、ポーランドは法の支配など民主主義の価値を尊重すべきであると論じています。社説の論旨は、次の通りです。


ワルシャワのダウンタウン(iStock)
ポーランドはEU成功物語

 共産主義崩壊後の10年、ポーランドはEUの成功物語であり、ソ連の衛星国で民主主義が花開く証左であった。しかし「法と正義」党が昨秋、選挙に勝った後、興奮は冷めつつある。この党の指導者カチンスキは、独立した司法、メディア、治安機関を統御しようとしている。EUとNATOの同盟国には警戒心が出てきている。

 6月1日、欧州委員会はポーランドが法の支配の原則に違反していると宣言した。EUが加盟国にこういう非難をしたのは初めてである。EUは特に、憲法裁判所に党の支持者を任命、法律の違憲判断を出す裁判所の権限を変更したことを問題にしている。EUが自分の意見を通せるかはっきりしないが、カチンスキがEUの要求を無視するのは賢明ではないだろう。

 加盟国の憲法変更をEUが非難したことは議論を呼ぶ。ポーランド政府は民主的に選ばれた政府である、EUは内政干渉をしている、と怒っている。

 しかし、EUが28の加盟国は最も高い民主主義の基準を維持すべきであるとするのは正しい。EUはその条約にある民主主義、法の支配、人権尊重を含む共通の価値のうえにできている。加盟国が加盟の前にこれらの基準を満たすよう要求してきたことが、EUの最大の成果と言ってもよい。ハンガリーが自由や法の支配で後退するのをEUは止め損ねたが、ポーランドについて同じ過ちはできない。

 EUが「法と正義」党の路線を変えさせる能力には限界がある。罰金を科したり、EUの大臣会合で投票権を奪うことは可能であるが、すべてのEUメンバーの全会一致が必要であり、ハンガリーのオルバン首相は罰則適用に反対すると言っている。

 しかし、カチンスキはEUとの見解の不一致が長引くことがポーランドの国益を損ねることを認める必要がある。ポーランドは西側機構から大きな利益を得てきた。ポーランドはEUの構造改革基金の2020年までの最大の受益者であり、その労働者はEU内で他国より雇用機会を得ている。ポーランドはまた、NATO軍の配備を要求し、それを得ている。

 来月、NATO首脳会議がポーランドで行われるが、ポーランドは西側クラブの一員であることは義務を伴うと認識すべきである。共同防衛の保証を享受しながら、EUや北大西洋同盟を支えている価値を拒絶することはできない。

出 典:Financial Times ‘Poland cannot afford to ignore Europe’s warning‘(June 2, 2016)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/e3ddf868-28b3-11e6-8b18-91555f2f4fde.html#axzz4AwpS5SiE

 この社説は、EUがポーランドの現政権が法の支配をゆがめるような政策を実施していることを批判したことをうけて、ポーランドはEUの批判を十分に考慮するように求めたものです。

右派の勝利から変化

 ポーランドでは、これまでリベラル色の強い「市民プラットフォーム」が主導する政権が政治を担ってきましたが、昨秋の選挙で右派の民族主義的な「法と正義」党が選挙に勝ち、政治の方向性が変わってきています。西側との協調を重視するよりも、難民引き受けに消極的なことに見られるように、国益をより重視するようになってきています。憲法裁判所の構成を変えて権限を縮小するのは、民主体制の装置の一つである三権分立よりも、政治の効率を重視しているということでしょう。ハンガリーでも今のオルバン政権は同じような傾向を示しています。

 このような政治のジグザクは避けられないことであり、西欧でも極右政党が勢力を伸ばしている状況と軌を一にするものと考えられます。ただ、東欧諸国の場合、民主主義的伝統は強くなく、ファシズム的な手法に対する拒絶度は弱いと思われます。共産主義統治と右翼的主張は政治のあり方のスペクタクルの上で両極端にあるように思われていますが、これは必ずしもそうではありません。ネオ・ナチには東ドイツ出身者が多いと言う指摘もあります。

 ポーランドは、ロシアという脅威に対処する必要があり、EU及びNATOのメンバーであることに大きな利益を見出しています。したがって、長期的には欧州の価値観に収斂していくと考えられます。

 ギリシャの経済危機、英国のEU離脱、難民危機などと比較すれば、これはユーロ、EUの存亡にかかわるような大問題ではないでしょう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7233  

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コメント
 
1. 2016年7月14日 21:31:55 : u3RvHMlZ4w : a_XfJLeAxPc[3]
民主主義 所詮砂上の 楼閣さ

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