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「米国一極体制の終焉」宣言だったトランプ旋風 世界最高の論客、ノーム・チョムスキーMIT名誉教授が語る世界の今
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 27 日 07:55:03: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

「米国一極体制の終焉」宣言だったトランプ旋風
世界最高の論客、ノーム・チョムスキーMIT名誉教授が語る世界の今
2016.6.27(月) 高濱 賛
サンダース氏、撤退せず=民主党の態勢構築に遅れも−米大統領選
米国の若者から絶大な信頼を得ているバーニー・サンダース上院議員〔AFPBB News〕
共和党大会前に失速しそうなトランプ

 米大統領選ではヒラリー・クリントン前国務長官が圧勝するのではないか、といった気の早い予想が出始めている。

 理由は簡単。相手になる不動産王ドナルド・トランプ共和党大統領候補(事実上)が自滅し始めているからだ。

 過激で無責任な、ほとんど実現不可能な暴言(「イスラム教徒入国禁止」など)にさすがの白人大衆保守層もそっぽを向き始めた。支持率が急降下している。

 第2はカネ。いくら金持ちとはいえ、1年以上にわたって自腹を切って賄ってきた選挙資金が底をつき始めた。それならばと、他の候補者のように大企業や一般大衆から政治資金を集めようとしても乗ってくる人はあまりいない。

 第3は米主要メディアのトランプ氏に対する「調査報道」激化。「トランプ大学」と銘打った怪しげな不動産入門オンライン講座をめぐる疑惑、脱税、セクハラ、マフィア関連など、これからさらに恥部がさらけ出されそうだ。

 第4は政界における四面楚歌現象だ。あと1か月に迫った共和党全国党大会までに副大統領候補を選ばねばならない。

 すでにジョン・ケーシック(オハイオ州知事)、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)、コンドリーザ・ライス(元国務長官)各氏らに打診したがすべて断られてしまった。残るはサラ・ペイリン元副大統領候補しかいない、といった情報も流れている。

「サンダース死すとも正義は死なず」

Who Rules the World? by Noam Chomsky Metropolitan Books, Henry Holt and Company, 2016
 いずれにせよ、長きにわたって大統領選ドラマを楽しませてくれた「主役」がこんな形で討ち死にするのを見るのは忍びない感じすらする。

 「右寄りの風」が吹き荒れた共和党予備選だったが、一方の「左寄り風」も収まっていない。

 自らを「民主社会主義者」と自認する民主党左派のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)だ。

 「地盤・看板・カバン」を誇るヒラリー・クリントン氏を向こうに回して過去1年間、堂々と戦ってきた。周辺には民主党のベテラン選挙屋を侍らせ、政策面では民主党系主力ブレーンを集めたヒラリー陣営は、まさに「連合艦隊」だ。

 一方のサンダース陣営の主力は、いわゆる「ミレニアム世代」(新千年紀世代)の若者層。

 「ミレニアム世代」とは、ご存知のように、1980年代から2000年初頭に生まれた10代、20代の若年層のことをいう。幼い頃からデジタル機器やインターネットに接しており、97%の人が自分のパソコンを持っている。

 既成メディア(新聞、テレビ)はあまり見ず、世界の動きはもっぱらネットでキャッチ。ソーシャルネットを通じて世界中の若者たちと交信している。従来の米個人主義尊重主義よりも国家の枠組みを超えたグローバルな共同体への帰属意識が強い。

 かっては米国人にとっては「Socialism」(社会主義)という言葉は「共産主義」(Communism)と同義語で使われてきた。ところが「ミレニアム世代」には「社会主義」にはネガティブ・イメージがないのだ。

 むろんかってのソ連とか今の中華人民共和国の「社会主義」には一定の抵抗感は持っている。彼らが口する「社会主義」は、北欧型の「民主社会主義」だ。行き詰った米資本主義を再生させるもう1つの選択肢として「民主社会主義」をとらえている。

 サンダース現象が依然として存続している背景には、若者たちのこうした認識改革があると言えそうだ。ヒラリー氏の踏襲しようとする民主党既成勢力に真っ向から立ち向かうサンダース氏と若者たち。

 大風車に挑戦するドン・キホーテは右のトランプ、左のサンダースというわけだ。

トランプは「野蛮性への堕落」以外のなにものでもない

 世界のインテリの間に最も人気のある「世界最高の論客」(World's top public intellectual)は誰か。

 米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」と英「プロスペクト」誌が2005年に実施した世論調査では、米MIT(マサチューセッツ工科大学)のノーム・チョムスキー名誉教授が選ばれている。言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者といくつもの分野で健筆をふるってきた。

 ウクライナ系難民の子として生まれたユダヤ系左翼だ。50冊の著書のうちかなり多くが日本語に訳されている。

 ユダヤ系でありながらイスラエルに対する米国の支援に反対、「イスラエルを支持する者は道徳的堕落の支持者にほかならない」と言って憚らない。米国内では「最も物議を醸す論客」リストのトップに君臨している。

 そのチョムスキー教授が米大統領選をどう見ているのか。2つのインタビューから引用してみよう。

「トランプは自縛自棄に陥った国家の申し子」

 まず、トランプ氏のこれまでの大躍進について、こう述べている。

 「トランプは徹底した人種主義者というだけではない。超国家主義者だ。自縛自棄に陥った国家では起こり得る現象だ。1つの元凶は異常なほどの銃文化だ。諸悪はそれに付随している」

 「ただトランプの言っていることはこれまで誰も論じなかったか、というとそうではない。15年前に私が書いた本に出てくる『Descent into Barbarism』(野蛮性への堕落)にすぎない。1920年代、ドイツは西洋文明の最高峰を極めたが、そこから堕落への道を転げ落ちる。人類史上、最も深い闇の中へと落ちて行った」

 「憤りと恐怖を振りまくトランプに殺到し、支持しているのは低学歴の白人中年労働者層だ。人々は豊かになり、医療も進歩したというのに米国は他の国よりも平均寿命が短い。最近の世論調査では白人の低学歴の中年男性が突出して寿命が短い」

 「なぜか。死亡率が高いのは、糖尿病とか心臓疾患ではなく、自殺、アルコール依存症による肝疾患、ヘロイン麻薬が原因なのだ。こうした白人中年労働者層に怒り、絶望、不満を与えている政策に対する彼らの『一揆』がトランプ支持に走らせている」

「サンダースは今後の方向性に影響与える」

 一方のサンダースをチョムスキー教授はこう見ている。

 「米国にフレッシュな息吹を与えているのがサンダースだ。彼のエネルギーと憑りつかれたような熱意には驚くばかりだ。しかもそれが組織化され、若者たちを総動員させている」

 「このサンダース旋風は、今後誰が大統領になろうとも力強いパワーとして残る。今、米国が必要としている、ここからどこへ進むべきか、その方向性に影響力を与えることは間違いない」

 サンダース氏は民主党左派であり、チョムスキー教授は頭のてっぺんからつま先まで筋金入りの左翼である。教授のサンダース評は「贔屓の引き倒し」といった面を差し引いて聞いておくべきではある。(参考1、2)

オバマの核廃絶政策は「美辞麗句を並べ立てただけ」

 そのチョムスキー教授の新著が今インテリ層の間で関心を呼んでいる。

 タイトルは「Who Rules the World?」(誰が世界を支配しているのか?)。全編23章からなり、1章ごとにテロリスト、核兵器、イスラエル・パレスチナ問題、米国内の階級闘争といった設問を立て、それぞれ論考を加えている。

 日本人にとって興味深いのは、先の広島訪問で脚光を浴びたバラク・オバマ大統領の核政策であり、東アジアにおける中国の海洋進出への日米の対応について、この識者はどのような分析をしているか、だ。

 オバマ大統領の核政策についてチョムスキー教授は一刀両断にしている。

 「オバマ大統領は就任以来、核兵器の全撤廃を進めると美辞麗句を並べ立てているが、その一方で今後30年間に核開発に10億ドルをつぎ込んでいる。この額は1980年代ロナルド・レーガン大統領が新たな戦略システムの調達に使った軍事費と同額である」

 「オバマ大統領は政治的利益を常に勘案して軍事行動を取ることを躊躇しない。例えば、海軍特殊部隊シールズを使ってパキスタン国内に潜伏していた国際テロリスト組織のオサマ・ビン・ラディンを暗殺することも辞さなかった」

 「主権国家であるパキスタンには何ら事前連絡をせずにシールズを侵入させ、パキスタン政府と国民をないがしろにして正義とやらを貫いた」

 「パキスタン軍は侵入した米軍ヘリを撃墜する寸前だったこと、同ヘリを護衛する米軍爆撃機とパキスタン軍機との空中戦の危機すらあった。成功したからよかったが、一歩間違えば戦争になっていた」

オバマの「広島演説」への反応は?

 本書はオバマ大統領の広島訪問前に書かれたものだが、日本人が感銘を受けたオバマ演説もチョムスキー教授に言わせれば、「核廃絶を口にしながら行動の伴わない美辞麗句を並べ立てた陳腐な演説」と酷評されていたのではないか、という想像も当たらずとも遠からずだろう。

 念のため、筆者はチョムスキー教授にオバマ大統領の「広島演説」についての感想を求めるメールを送っているが、脱稿段階までに返事は得ていない。

「米国の退歩」は第2次大戦終結時から始まっていた

 今世界の識者たちが論じ合うホットなテーマの1つに「America in decline」(米国の退歩)がある。経済力、軍事力で中国が急追し、いずれは超大国の座から突き落とされるのではないのか、という論議だ。

 これについてチョムスキー教授は本書の中でこう指摘している。

 「米国の力が後退しているという論議は今に始まったものではない。世界の富の半分を有し、安全保障面では他の追従を許さず、軍事力を世界中に展開できたアメリカン・パワーは第2次大戦時までだった。1949年の中華人民共和国誕生が『米国の退歩』へ向けた第一歩だった」

 「米国はその後、軍事経済大国としてのパワー弱体に加え、国内の社会構造が弱体している。創造した富が一部の富裕層、大企業にしか渡っていない。貧富の差が拡大している」

 「その一方で、中国の役割が増大している。依然として1人当たりのGDP(国民総生産)は低いものの急速な勢いで増大している。国内政治情勢にも不安定さがつきまとっている。しかし南シナ海での海洋権益拡大の動きは侮れないところまで来ている」

 「中国からしてみれば、天然資源確保とともに中東へのシーレーン(海上交通路)が米軍事力に守られた日本に妨害されないためにも南シナ海を『中国の湖』にせねばならないのだろう。ともに核保有国である米中の南シナ海をめぐる確執はいつ核戦争勃発を起こすかわからない危険をはらんでいる」

 南シナ海での一触即発の米中対決。それを中国サイドから見ようとする米識者はチョムスキ―教授以外にあまり聞かない。

 最後の本書のタイトル、「誰が世界を支配するのか?」の答えは――。

 チョムスキー教授はこう締めくくっている。

 「この質問を『どんな理念や価値観が世界を支配するのか?』という言い換えようとする人がいるに違いない。確かに先達のおかげで今、私たちは自由、権利、機会を謳歌している。このリッチでパワーフルな国家に住む市民にとって興味深い問いかけだ」

 「そしてその人たちこそ、今直面している巨大なチャレンジにどう対応するか、運命的な選択を迫られているのだ」

 テレビなどのインタビューで淀みなく答えるチョムスキー教授も今年87歳。卒寿まであと3歳とは思えぬ才気と聡明さは衰えを知らない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47183  

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コメント
 
1. 2016年6月27日 16:24:45 : e215b3DsOs : oHsKCPiwWF0[219]
>1920年代、ドイツは西洋文明の最高峰を極めた

どうしようもないボケですね


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