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EUをめぐる英国の国民投票が終わった。
結果は予想した範囲ないのものだが、久々に英国政府が表立って動く策謀を目の当たりにし、さすが大英帝国の末裔だと思った。
愛国右派の仮面をかぶった安倍政権の政治的マヌーバーもなかなか面白いが、一日の長がある英国政府のマヌーバーはより見応えがある。
辞任表明したキャメロン首相が10月まで居座って何ができるのか?というまっとうな問いはともかく、これからキャメロン首相が退任する10月までの4ヶ月間ほど、なかなか見ることができない国際政治劇が展開されるだろう。
(英国支配層が立ち回ったはずのWW2や日本の真珠湾攻撃=対米開戦などの策謀と違い、戦争や人殺しが直接的には絡まないので素直に楽しめる)
関連でまず取り上げたいのは、残留派の票を増やす機能を果たしたと思われる事件である。
先週16日、ウエストヨークシャー州にある自身の選挙区でジョー・コックス議員が殺害された。
事件そのものは、殺害者=トーマス・メア容疑者が現行犯として逮捕されたので、イスラム過激派“テロ”とは異なりシンプルな構図に見える。
このジョー・コックス議員が殺害された事件を知ったとき、EU離脱をめぐる国民投票のキャンペーンが盛り上がるなか、政治的高揚に触発された政治的過敏症の人物がことを起こした“単純な”事件と思った。
というのも、昨年5月の総選挙で見えたように、英国の投開票は“管理”されており、ジョー・コックス議員を殺すことで残留派の票を増やすといった陰謀の必要性はないと考えているからである。
ただ、ジョー・コックス議員殺害事件が、投票の前日まで“活用”され、ジョー・コックス議員の配偶者のみならず、あのマララ・ユスフザイさん(本人が自覚しているかどうか別として“偽テロ”関与者)までが演壇に立ってEU残留のキャンペーンを行ったことにあやしさを覚えた。
国民投票の結果を素直に考えれば、配偶者やマララ・ユスフザイさんらの奮闘も虚しく、ジョー・コックス議員の死は報われることなく“犬死に”で終わったことになる。
だからといって、今現在、ジョー・コックス議員殺害事件について、“陰謀”という心証さえもない。
気にかかるのは、ジョー・コックス議員の願いとは反対の結果で国民投票が終わったことで、ジョー・コックス議員殺害事件までが忘れ去られていくのではないか、事件の真相がうやむやにされるのではないかということである。
ジョー・コックス議員は、国民投票の結果が残留多数なら、彼女の死が迷っている人たちの心を揺さぶり残留派に勝利をもたらしたということでヒロインになっていただろう。
ジョー・コックス議員を殺害した容疑者トーマス・メアは、「ブリティッシュ、ファースト!」と叫びながら襲ったとされ、ナチス関係の思想・政治書を保有し、20年ほど前の話だが、アメリカの極右団体から拳銃の製造方法が書かれたマニュアルを購入していたことから極右信奉者という見方もされている。
その一方で、容疑者の近隣住民は、「あいさつ程度しか交わさないが、穏やかで、ことを荒立てることもなかった」、「精神病の治療を受けていたようだ」と語っている。
ジョー・コックス議員殺害事件のキーは、容疑者が使用したとされる拳銃の入手方法である。
アメリカと違い英国で拳銃を手に入れるのは難しい。
事件から1週間以上経過しているが、トーマス・メア容疑者が犯行に使った拳銃をどうやって入手したか明らかになっていない(していない)。
拳銃の入手方法によっては、精神障害を抱える容疑者を操って犯行に走らせた“第三者”の存在を考慮しなければならなくなるだろう。
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