2016.6.17 08:53 映画「帰ってきたヒトラー」オリバー・マスッチ コメディーが…やがて悲劇へと 現代に出現したアドルフ・ヒトラーが徐々に人気者となっていく 現代にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラー総統が、ものまね芸人として人気を集める-。17日公開の独映画「帰ってきたヒトラー」(デビッド・ベンド監督)は、居心地の悪い笑いが満載の刺激的な作品だ。
原作は独のベストセラー小説。ヒトラーを演じたのは、当時無名の舞台俳優だったオリバー・マスッチ(47)。「驚いたよ。最初は僕のどこがヒトラーに似ているんだ、と腹が立ったくらいだ」と笑う。 ヒトラーは、リストラされたテレビ局スタッフに見いだされ、ものまね芸人として全国を回る。 マスッチがヒトラーの扮装(ふんそう)で各地に出没するドキュメンタリー部分が面白い。大勢の観光客でにぎわうブランデンブルク門に軍服姿のヒトラーが出現。袋だたきに遭うかと思いきや、人々はヒトラーを抱きしめ、一緒に写真を撮りたがる。 「『愉快な冗談』ととらえる人が多いので、唖然(あぜん)としたよ。怒る人はごく少数だった。ああいう状況で、みんなと違う反応を示すのは非常に難しいんだ」 ヒトラーは各地で人々の抱えた不満に聞き入る。総統に見つめられ、移民問題などについて“本音”を口にし始める人々の様子から、独国民がヒトラーに抱く複雑な感情が浮かび上がってきて興味深い。 「僕はヒトラーを、包容力があり、面倒見の良い人物として演じてみた。優しく語りかけても、人は操れる。彼は化け物ではなく人間であり、選挙で選ばれたことを忘れてはならない」 ヒトラーはやがて、テレビに進出。失業、貧困問題を語り、独国民の奮起を促す彼の演説を、人々はネタとして受け止めながらも熱狂していく。気づけば、笑っている者は誰もいない。 マスッチは「コメディーで始まった物語が風刺劇に変わり、最後は悲劇で終わる。これは映画界に生まれた新ジャンルなんだ」と語った。(岡本耕治) http://www.sankei.com/entertainments/print/160617/ent1606170011-c.html 映画『帰ってきたヒトラー』主演俳優に聞く「ヒトラーの姿を見て喜ぶドイツ人がいた事に驚いた」 DATE:2016.06.16 17:00 BY:藤本エリ ガジェット通信を≫ 85 1 3 19 ちょっとした車の利用にはカーシェアリングがおすすめ! 15分200円から!お得なプランをご用意しています。 www.orix-carshare.com Sponsored 現代にタイムスリップしたヒトラー(本人)がモノマネ芸人として大ブレイク! という奇想天外なアイデアでベストセラーとなった同名小説を映画化した『帰ってきたヒトラー』。6月17日より全国公開となります。
本作で、あまりにもソックリなヒトラーを演じたのが俳優のオリバー・マスッチさん。ドイツ生まれの俳優さんですが、ドイツでもそのキャリアはほとんど知られておらず、つまり“無名”。『帰ってきたヒトラー』製作陣が見つけ出した才能は、劇中で私たちを笑わせ、そしてそら恐ろしい気持ちにさせてくれます。 実際にヒトラーの格好で街を歩き、国民のリアルな反応を撮影するという「ドキュメンタリー」パートも非常に印象的な本作。撮影の中でオリバーさんが脅威を感じた出来事とは? ―ヒトラーに扮したオリバーさんが、予告無しで街頭に繰り出すパートが印象的ですが、どれくらいの時間「ドキュメンタリー部分」の撮影を行ったのでしょうか?
オリバー・マスッチ:9ヶ月間撮影をしました。その中には役作りの準備もあります。例えば、心理学者でカウンセラーの女性2人に来ていただき、私が精神を病んで自分をヒトラーだと思い込み、軍服を着てベルリン中を歩きまわっているという設定で、その患者が治療を受けると。その時にドキュメンタリー用に撮影許可をとった、という設定で、カウンセラー一人一人と面談をする設定で、合計5時間それに使いましたその中で「この人の人格的な問題点はどこにあるのだろう」いうことにカウンセラーの方達は真剣に対応してくれるんですけど、私は即興で演じる、という役の準備をしました。 また、ベルリンで50万人が集まるサッカーW杯のパブリック・ビューイングが行われたのですが、実は反ドイツ的な行動をとるサクラの俳優たちを雇って「ドイツ馬鹿野郎!」「ドイツ弱い!」等と言わせたんです。それで、人々を操作できるか、乗ってくるかということを試したんですけれども、実際やはり乗ってくる人たちがいたのです。 こういったトライを通じて、配給会社が「セミドキュメンタリー」の手法で撮影出来ると判断をしました。その判断に至る前というのは、やはりヒトラーはドイツで非常にタブー視されているテーマですし、外国人を敵視する傾向が高まっているので行けるかどうか確信が持てなかった。しかしこうしたテストシューティングを経て、GOサインが出たのちの残りの4、5ヶ月の撮影期間で更にドキュメンタリー部分の撮影を続け、ドイツ中を回りました。最初から私はパフォーマンスをする必要がなくて、人々の方から反応をしてくれました。 それで、私は父親のように優しく、「あなたの問題は何ですか?」と語りかけました。と同時に、当時と同じようなヒトラーの台詞を言っていたんですけれども、人々の中には「今度の選挙で投票するよ!」という右寄りな政治を願っているという本音を言ってくる人もいました。 ―ヒトラーに扮したあなたと接した、一般の方の反応をどのように感じられたか教えて下さい。
オリバー・マスッチ:やはり中道である国民がどんどん右へ傾いているということですね。場合によっては極右の方へ傾いているということです。数年前のドイツではなかったことなんです。今回私たちは2台のカメラを撮影とちゃんとわかるように回しているんですけれども、その前で外国人を敵視する発言をするドイツ人がいるということ。これはやはり一線を超えてしまっているなと感じました。 国民というものがいかにたやすく操作されてしまうということや、困っている問題に対して簡単な方法を提示してくれる人のほうに迎合していってしまう、そういう人が出てくるならば民主主義を捨ててもいいとまで思っている国民もいるということを感じました。強い指導者がほしい、そういう人がいるなら選んでも良いという人がいるんですよ。 それからヒトラーが1933年につくった労働強制収容所があるんですが、現代でも必要だと言ったり、「私を選挙で選んでくれるか?」と聞いたら「Yes」という人もいて非常に驚きました。撮影の終りの方でペギーだという運動も出てきて、ドイツだけでなく世界中に右傾化見られるのが危険だと思います。民主主義というのは第2次世界大戦での約6千万人の犠牲の上に勝ち取ったものですし、しかも壊れやすいものですから、これをしっかりと守らなければいけないと思っております。選挙の時には我々は本当に注意しなければいけないと思っております。 ―2015年に公開された映画ですが、現在世界各地で注目を集めている過激な扇動者を思い起こす人も多いかと思います。このことについてあなたはどう考えていますか? オリバー・マスッチ:この映画を見ている観客の中で、ここ笑ってほしくないなという所で笑っている人が残念ながらいるんですね。どこのシーンかっていうと、ゼンゼンブリンクがユダヤ人排斥等の人種差別ジョークをどんどん書かせるシーンがありますよね。外国人への敵対的なこととか、強制収容所についてのジョークを皆で書くという。それまではヒトラーが現代に甦ってめちゃくちゃで面白い展開で非常にコミカルに展開してきたんですけれども、実はあのシーンで、観客が「あれ?ちょっとこれ違うよね」「今まで笑ってきたけど実はこれって笑っちゃいけないんじゃないの」って感じてもらいたい所なんですけれども、あそこで笑う人がいるっていうのも事実なんですね。街頭インタビューした人の中にも、現実的にそういう人がいるってことですね。 ―日本も現在、というかここ数年、十数年はずっとそうだと言わざるを得ませんが、政治的な混乱や問題を抱えています。そんな日本にメッセージをいただけますか。 オリバー・マスッチ:まず、私達が勝ち取った民主主義を大事にしてほしいということ。そして選挙に行くときもよく考えてほしいということです。民主主義というものは壊れやすいものですから、一旦壊れたら手に入らない、だから守っていくということ。不安を煽る人がいます、でもそういう人についていかないでください。 ―貴重なお話をどうもありがとうございました。 『帰ってきたヒトラー』6月18日全国ロードショー ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。しかし、皆気づいていなかった。彼がタイムスリップしてきた〈ホンモノ〉で、70年前と全く変わっていないことを。そして、天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを……。 http://gaga.ne.jp/hitlerisback/ [リンク] (C)2015 Mythos Film Produktions GmbH & Co. KG Constantin Film Pro duktion GmbH Claussen & Wobke & Putz Filmproduktion GmbH 【関連記事】「ザ・ニュースペーパー」による舛添&トランプモノマネが皮肉たっぷり http://getnews.jp/archives/1476370 http://getnews.jp/archives/1477210 誰も敬礼をしてくれない?「帰ってきたヒトラー」苦悩の本編映像公開 2016年6月16日 17:00
コミカルな姿が描かれる「帰ってきたヒトラー」 (C)2015 MYTHOS FILMPRODUKTION GMBH & CO. KG CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH [拡大画像] [映画.com ニュース] ドイツ国内で約250万部を売り上げ、42言語に翻訳されたティムール・ベルメシュ氏のベストセラー小説を映画化したブラックコメディ「帰ってきたヒトラー」の新たな本編映像が、公開された。 現代にタイムスリップした独裁者アドルフ・ヒトラー(オリバー・マスッチ)が、リストラされたテレビマンに発掘されてテレビに出演。ヒトラーのモノマネ芸人として大衆の心をつかみ、やがて従来のカリスマ性を発揮して民衆を扇動し、理想の世界を実現させようとするさまをシリアスな笑いを絡めて描く。ヒトラーになりきったマスッチが実在の政治家や有名人、ネオナチと顔を合わせるアドリブシーンを盛り込んだ過激な内容が話題を呼んだ。 本作では、ドキュメンタリーを彷彿(ほうふつ)させる映像が随所に挿入されており、ブラックな笑いを引き立てているが、今回の映像もそのひとつ。テーブルでしょげ返るヒトラーのもとに、マナー講師が現れて挨拶。ヒトラーは、講師に「どこに行っても敬礼してもらえないのだ……どうやらすたれたようだ」と憂いを帯びた表情で打ち明ける。 講師の「ご安心を。あなただけじゃありません」「昔からある握手ではいけませんか?」という真面目な返答が笑いを誘うが、同時に現代社会では、ナチス式の敬礼がタブーとなっているさまを見て取ることができる。映像ではそのほか、ヒトラーが熱弁をふるうあまり講師に唾がかかり「すまない」と平謝りする様子も描かれている。ケップルの生々しい表情に、どこまでがアドリブなのか、あるいはすべて計算されたものなのか憶測を呼ぶものとなっている。 「帰ってきたヒトラー」は、6月17日から全国公開。 http://eiga.com/news/20160616/19/ 「帰ってきたヒトラー」を読んで 雑感 この本がドイツでベストセラーとなった意味Add Starakihiko810onionskin ドイツ人, 社会, 書評 帰ってきたヒトラー 上 帰ってきたヒトラー 上 作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/01/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (30件) を見る 帰ってきたヒトラー 下 帰ってきたヒトラー 下 作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/01/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (23件) を見る
「帰ってきたヒトラー Er ist wieder da.」
ストーリーは、単純です。 第二次世界大戦末期、ピストル自殺をして遺体はガソリンで焼かれたはずのヒトラーが、2011年の8月、ベルリンの空き地で目覚めます。 彼自身、何故そこにいるのかはわからないものの、戦前の記憶はそのまま。 現代に甦ったヒトラーは、生前のままに意見を言い、行動しているだけなのに、人々はそれをコメディアンが風刺としてやっている「芸」だと思い込んで、もてはやす。 最初は人気番組のキワものゲストであったが、徐々に人気と影響力を得ていき、あれよあれよと言う間に、何と国家権力に手が届くところまで状況が進んでしまう。 ・・・という話なんですが。
この物語は、最初の設定(=ヒトラーが何故か現代に甦る)こそファンタジーですが、それ以外は一切ファンタジーはない状況設定で、徹頭徹尾、現実に即して描かれています。 そして、「いつ化けの皮がはがれるのだろう?」「いつ『ヒトラー』が自らの過去の過ちに気付くのだろう?」と思いながら読み進めると、全く裏切られてしまいます。 化けの皮は剥がれません、何故なら、彼は本物の「ヒトラー」であり、彼自身、常に自分自身でいるから、です。 自らが犯した過去の重大な過ちについても、彼自身が現代の思想に触れて反省するどころか、第二次世界大戦についての清算を絶えずしてきたと言われているドイツ人の心にさえもまだ残っている未清算の事柄を、彼は、悪魔的なまでな巧みさで、白日の下に晒していくのです。 で、ここからは、長文、ネタバレになりますが、私の感想を綴ってみます。
コミュニケーションとは何? 前述したように、「ヒトラーが現代に甦っている」ということは、誰一人として気付きません。 何故なら、「お前は誰か?」「お前の本名は?」と聞かれて、彼が常に真実、「私は、アドルフ・ヒトラーだ。」と答えているから、なのです、この皮肉で、恐ろしいコミュニケーション。 彼が、「私は、アドルフ・ヒトラーだ。」と真実を言えば言うほど、受け取る側の方が勝手に、「これは、『芸』に徹しているのだ。」と誤解するのです。真実を述べている彼の責任ではありません。 滑稽なほど(実際、笑ってしまうほど滑稽な場面が盛りだくさん)、コミュニケーションが成立していないのです。 これは彼と周囲の人々、出会った人々との間の、直接のコミュニケーションだけではありません。 彼が出演するテレビ番組の視聴者も、番組内の彼の昔のままの演説を聞いて、それが彼の本物の主張であるのに、「これは、手の込んだ『風刺』である。」と勝手に受け取り、喝采を送ります。 更に、それがYouTubeに動画として流されると瞬く間に70万回(!)も再生されるのですが、動画を見ているユーザーも、勝手に「これは、政治批判のコンテンツである。」と受け取っているわけです。 彼が、「私は、アドルフ・ヒトラーである。」と言っているのに、誰も危険視しないのです。 ドイツは、基本法という憲法によって、ナチスに関連するものは全て禁止されているのことはよく知られていますが、物語の中では、この本物のヒトラーによる危険な動きに関して検察に告発しようとする動きがあったものの、それは打ち切られたということになっています。 その理由は、 アドルフ・ヒトラーが本当にヒトラーである可能性はなく、芸術家としてならばまったくの自由が与えられるべき
検察さえも、勝手に解釈しているわけです。 最初は、「ビルト紙」という実在のタブロイド紙が彼の真実を暴こうとするのですが、却ってヒトラーの術中にはまって、 才気あふれる意見をつぎつぎ発表する国民の真の代表者 と記事に書かざるをえない状況になり、やがて、同じく実在の「南ドイツ新聞」やら「フランクフルター・アルゲマイネ紙」やらもそれぞれ、 その情熱的な弁論は、一見ネオファシストそのままの単一的構造をよそおいながら、同時に、多元的もしくは直接的な民主主義的プロセスを激しく訴えるものである 国粋主義の狼が羊の毛皮をかぶるという本質的矛盾を見事に操っている と、彼の「芸」を称賛することになるのです。 加えて、彼が出演した番組が、テレビ番組に送られる、ドイツで最も権威ある賞であるグリメ賞(実在)を受賞するに至り、誤解が誤解を生んで、立派な箔もつきました。 更に更に、彼がネオナチの若者に襲撃され怪我を負い入院するに至っては、 極右ナチの暴力の犠牲者 正当防衛をあえて行なわず、非暴力を貫いた と、美しく誤解するのです。ここまで来ると最早お笑いですが、それだけでなく、そういう美談が完成した途端、怪我で入院中の彼のもとに、ドイツの実在の政党の実在の幹部がそれぞれ電話をかけてきて、彼を自らの党に引き入れて政治的に利用しようとするのです! さすがに、「陰気くさいオーラを自信満々に放っている不格好な」「東独育ちの」女首相の党からは、まだ電話がかかってきていない設定なのですが。 f:id:souheki1009:20140303170258j:image (この方のことだと思われます、失礼な!) 発信側が「真実」を述べているのに、受信側が勝手にねじまげて解釈しているが故に成立しない、コミュニケーション。 しかも、その危ういコミュニケーションは、ヒトラーの時代にはなかった、テレビやYouTubeやネットで更に増幅してしまう危険があるということ。 それを、著者であるティムール・ヴェルメシュ(←ヒトラーなら、「非アーリア人種の名前」というはず)は、現代ドイツ「あるある」(←ドイツに住んだことがある人にとっては、膝を打つことばかりでしょう)を絡めて、丁寧に描いているのです。 この丹念な描写が、荒唐無稽な最初のファンタジー設定を乗り越えて、読者に対して説得力を得ているのだと思いました。 ヒトラーが、ボロを出さない理由、人々が彼を危険視しない理由は、このコミュニケーションの不成立に加えて、彼が過激な政治批判をしても、ユダヤ人問題については、テレビ番組では言及しないことにあります。
ドイツでは、ユダヤ人問題は絶対にジョークにはできないトピックです。 現代に甦ったヒトラーを、「政治風刺の芸人」と思って雇うことにしたテレビプロダクションの女性幹部は、彼を採用するにあたって、釘をさします、 〈ユダヤ人〉を決してネタにしないこと。これは、ここにいるみんなの総意よ。
と。 この場面だけは、ヒトラーの方が、勝手に解釈した結果、彼と、現代ドイツの常識人である女性幹部の意向は見事に一致してしまうのです。 というのは、ヒトラーにとっては、〈ユダヤ人〉問題は、「ジョーク」ではなく「マジ」な問題なので、「ネタ」などにはできないから、なのです。 それが、「ユダヤ人問題をネタにしないから、彼はちゃんと『常識をわきまえた』コメディアン、芸人なのだ」という視聴者の誤解を更に助長することになるのですが。 これだけ情報が溢れており、テレビにネットにメディアには事欠かないのに、人々は「見たいものしか見ない」。 本当の意味でのコミュニケーションが成立していない、のです。 その滑稽さを笑っていられるのは僅かな間で、すぐにそれは危険な状況になり得る、ということ。 コミュニケーションとはそもそも何なのか?ということを考えさせられました。 多くの支持者を集めることが簡単だというからくり 物語の中では、現代ドイツの社会問題が、甦ったヒトラーの目を通して、戦前と比較する形で、政治体制から人々の服装までさまざまに描かれます。同様に、ドイツに住んだことがある方なら、「あるある」と思われることでしょう。 ・多くのトルコ人が移民として、ドイツ社会に根をはっていること ・政治家が、マスコミ受けを気にして軟弱になっていること ・1991年に「ドイツ再統一」がなされたというけれど、それには、アルザスやロレーヌ、シュレジエンなど戦前ドイツ領であったところが含まれていないこと ・ドイツ女性、とりわけ若い女性がスカートを履かず、ファッションが黒ずくめであること ・携帯をいじりながら道を歩く人が多いこと ・ゴミの分別が面倒くさいということ ・スターバックスが街中にあふれ、店主が責任を持って客に接していた個人商店が減ってぎりぎりまで店員の数を減らしたセルフサービスのチェーン店ばかりになっていること ・シンプルで丈夫な製品がなくなって、複雑で不要な性能がついた製品ばかりになっていること ・中年を過ぎても、胸を強調する若作りのファッションに身を包む女性が多いこと ・結婚、離婚を繰り返し、自分の娘ほどの女性と結婚する男性がいること ・・・移民問題以外は、日本や他の先進国にも当てはまりそうなことばかりですが。 政治活動において支持者を獲得することは、実はすこぶる簡単だということがわかります。 自分の主張全てに賛成な人を集める必要はないのです。 国民が現状に対して持っている数多の不満を並べ立てれば、どれか一つでもそれがヒットすればその人は支持者になるのです。 多くの社会問題のうちの一つ一つに不満を持つ人々が、その一つの不満を解消してもらうべく甦ったヒトラーを支持すれば、甦ったヒトラーはそれらの人々の全体集合を味方につけることに成功するのです。 そして支持された側は、全ての論点に関して自らの思う通りに実行できるのです、何故って、かくも多くの支持を得ているから。 あれ?何だか似たようなことが身近になかったでしょうか? 経済政策に賛成したはずだったのに、いつの間にか、原発再稼働、憲法改正、道徳の教科化、靖国参拝にも賛成したことになっているどこかの国民が・・・。 経済問題、少子高齢化問題、失業問題、貧困・格差問題、教育問題、原発問題、環境問題、etc。 日本に限ったことではないかもしれませんが、本当に、現代は政治課題が多すぎて、政策を掲げての選挙がもう限界になっているのではないでしょうか? 物語の中では、甦ったヒトラーはまだ政治家にはなっていませんが、彼がいとも簡単に人々の心を捉え、支持者を増やしていく過程を、著者ヴェルメシュ氏は、恐ろしくも現実に即して示しているのです。 結果が全てであり、それを達成するための過程や手続きは二義的なものなのか?
これを言い換えると、「政策を実現させるためならば、主義主張が違っても、手を組むべきなのか?」ということです。 この物語の下巻、即ち後半部分で、或る程度「政治風刺のコメディアン」としての名声を得た、現代に甦ったヒトラーは、自らの番組を立ち上げますが、その番組のゲストに、何と、ドイツ緑の党の元党首、レナーテ・キュナスト女史(実在)を招きます。 ちなみに、緑の党は、ドイツでは4番目(事実上は3番目)の規模を持つ政党で、1998年から2005年までは、SPDと組んで連立与党の座にありました。 言うまでもなく、環境に配慮した政策(脱原発、自然エネルギー促進、二酸化炭素削減)に加えて、女性の社会進出、人権の擁護、多民族多文化社会の実現を標榜しています。 そのキュナスト女史に、甦ったヒトラーは、お互いに手を結ぶことを提案して彼女を驚かせ、当惑させます。 ナチスと緑の党が連携するなんて、現実社会でも仮定ですら想像できないことです。 甦ったヒトラーはこう言います。 エネルギーの輸入は極力ゼロに近づけ、水力や風力など再生可能な資源をもとに、エネルギーの自給自足をめざすこと。これが百年、二百年、あるいは千年後のエネルギー上の安全保障というものだ。あなたも、この点では多少なりとも未来に目を向けておられるはずだ。そして私が言いたいのは、あなたがめざしているのと同じものを、私もこれまでつねにめざしてきたということだ。 当然、キュナスト女史は反論しますよね。 ちょっと待って!あなたの場合は、理由がぜんぜん別でしょう? 至極もっともなこの問いこそ、甦ったヒトラーが待っていたもので、彼はこう続けます。 持続可能なエネルギー経済を推進するのに、理由が良いか悪いかが関係あるのか?風車に正邪の区別があるというのか? この甦ったヒトラーの問いに、この物語の読者である現実の緑の党員、及び支持者の人々は、どう答えるのか? これは、議会制民主主義のジレンマですよね。甦ったヒトラーいわく、「権力を掌握するためには国会で過半数をとる必要がある」のですから。 主義主張は一致しないけれど、政策が一致するから、目的のために手を組むべきなのか? 日本においても、この悩ましさは見られます。ここまで(極右とエコ政党が連携する)極端ではなかったですが、「脱原発」で元首相候補と、共産党推薦の候補が連携できるか否か、は、先日の都知事選においても提起された問題でした。 また現政権で自民党と連立を組む公明党も、憲法改正やら原発再稼働で悩めるハムレット状態です。 逆にみんなの党は「政策が実現できるのならば」と自民党との連携に動き始めています。 最近では、都知事選に出馬した田母神俊雄氏が、宗教法人「幸福の科学」が設立した大学の教授に招聘されるという報道がありました。 政治家にとっては、権力を取らないことには、どんな政策も実現できないわけです。 一方、有権者にとっても、自分の意見が政策として反映されることが一番大事なのですし、大体、日々の生活が忙しくて、政党間の駆け引きを注視したりするヒマなどなく、結果さえ良ければいいのだ、という気持ちになりがちです。 しかし、本当に、政党や個人は、「結果」だけを見て、目的の実現のためには過程をなおざりにしていいのか? 著者ヴェルメシュ氏のこの問いに、今、私達は答えられるのでしょうか? 歴史を直視することに関して、タフであるということとは? この物語の山場は、下巻の29章です。 日本よりは遥かに真摯に戦争責任について向かい合ってきたと言われているドイツですが、そんなドイツのそんなドイツ人であっても、相当タフでないと読み通せないような問題が、この章にはてんこ盛りです。 ドイツでは130万部売れたという、この本ですが、この本を手に取った全てのドイツ人にとって、28章まではげらげら笑い飛ばして読んでいたとしてもこの29章は一番厳しい章であったことと思います。 先ず、この章では、甦ったヒトラーにプロダクションが付けた女性秘書、クレマイヤー嬢が、実はユダヤ人であり、祖母の一家は密告されガス室送りになり、祖母以外は亡くなっているという衝撃の事実が明かされます。 このクレマイヤー嬢は、現代に甦ったヒトラーが有名になる前から、彼にパソコンや携帯の扱い方を教え、メールアドレスを取得してやり、言わば、彼が現代に順応するのを大きく手助けした人物です。 クレマイヤー嬢は、祖母の家を訪れた時、「政治風刺のコメディアン」である(と彼女は思い込んでいる)甦ったヒトラーのもとで働いていることを祖母に告げた途端、祖母はもの凄い剣幕で怒り始め、涙ながらに孫娘であるクレマイヤー嬢に訴えるのです。 (おばあちゃんは)こう言った。あの男がやっているのは、笑いごとではすまない。笑ったりなんかできないことなんだ。あんな人間が大手を振って歩くなんてとんでもないことだって。 だから、私は説明してあげた。あれは、ぜんぶ風刺なんだよ。もう二度とあんなことが起きたりしないように、そのためにやっている風刺なんだよって。でも、おばあちゃんは言った。あれは風刺なんかじゃない。ヒトラーが昔に言ったことを、そのまま繰り返しているだけだ。人々がそれを聞いて笑っているのも、昔とおんなじだって。 この物語の中で初めて、甦ったヒトラーは揺らぎます、いえ、罪悪感で揺らぐのでは全くありません。 先ず彼の頭に浮かぶのは、「(外見はとてもユダヤ人に見えない彼女の家族が殺されたのは)人違いであったのでは?」という脳天気なことです。次に、クレマイヤー嬢がユダヤ人であることが事実だとわかってからも、今回は、彼の方が、自分に都合が良いように解釈します、優秀である秘書を辞めさせないために、 そう、ユダヤの血が混じっていたらそれで終わりというわけではないのだ。ほかの遺伝的資質が十分に優れていれば、たとえユダヤ的な資質があっても、それを乗り越えることは可能だ。 こう考えて、彼は全力で彼女を引き止めに入るのです。そして、何と自分から祖母を説得すると言い出します。自分のオーラに絶対的自信があるからなのですが。 私の仕事にとってクレマイヤー嬢がいかに欠かせない存在かを話せば、おそらくばあさんは目を輝かせ、孫娘の代わりを探す必要などないと言ってくれるだろう。イデオロギー的にたとえ疑念があっても、ばあさんはきっと、自分の聞きたい話だけを耳に入れるはずだ。 30章以降もクレマイヤー嬢が甦ったヒトラーの秘書を続けているところを見ると、彼の説得は成功したのでしょう・・・何という、苦く恐ろしい成り行き! 次に、この章の中では、去年麻生財務大臣兼副首相が失言したのと同様のことが、提示されています。
「あの手口、学んだらどうかね。」というあの失言です。 この失言の前には、 ドイツは、ヒットラーは、あれは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握ってヒトラーは出てきたんですよ?ヒトラーと言えば、いかにも軍事力で(政権を)取ったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから!ドイツ国民は、「ヒットラーを選んだ」んですよ?間違えんで下さいね、これ。 と麻生氏は発言されていますが、この29章の中でも、甦ったヒトラーの口から同様のことが言われます。 そして総統は、今日的な意味で、〈民主的〉と呼ぶしかない方法で、選ばれたのだ。自らのヴィジョンを非の打ちどころがないほど明確に打ち出したからこそ、彼を、人々は総統に選んだ。ドイツ人が彼を総統に選び、そしてユダヤ人も彼を総統に選んだ。もしかしたらあなたの祖母殿の両親も、彼に票を投じていたかもしれない。 そして、ドイツ人にとって最も琴線に触れることを彼は口にします。 真実は、次の二つのうちのひとつだ。ひとつは、国民全体がブタだったということ。もうひとつは、国民はブタなどではなく、すべては民族の意志だったということだ。 これを聞いて取り乱したクレマイヤー嬢は、 おばあちゃんの一家が死んだのが、人々の意志であるわけがないじゃないの!あれは、あそこでーーーニュルンベルクで裁判にかけられた人たちが考え出したことよ と反論するのですが・・・。 身も蓋もなく言ってしまうと、ヒトラーが言っているのは、民主的選挙を経てナチスが政権をとったことを前提として、 ・国民全体がブタ→ドイツ人全体が、ホロコーストという非人道的な政策を実行した愚かにして低劣なブタであった。 ・国民はブタなどではなく、すべては民族の意志だった→ドイツ人は愚かでも低劣でもなく、ホロコーストはドイツ人の総意で採った政策だった。 それに対してクレマイヤー嬢は、 ・ホロコーストは、ニュルンベルク裁判で戦犯として裁かれたナチスの人々が国民を欺いて考え出したことであり、ドイツ国民に責任はない と、言っているわけです、このクレマイヤー嬢の見解が、ドイツでも一般的だと思いますが。 「ドイツ人全体がブタだった」というのは、いわゆる「自虐史観」ですね。 大多数のドイツ人は、戦後から現在に至るまで、「ナチスが悪い。ドイツ国民に責任はない」という論理を受け容れてきたのですが、著者ヴェルメシュ氏は、それに対して「それで十分なのか?」と厳しく迫っているのです。 誰しも自分の国を誇りたいですし、自分の国がブタだったとは思いたくないですから、自虐史観から逃れようと思うならば、甦ったヒトラーが示した「ドイツ人全体がブタだったか?/民族の意志だったか?」という二者択一のうちの、「民族の意志だった」という選択肢を採りそうになってしまう、という落とし穴になっています。 この29章では、読者であるドイツ人が、これまでの「悪いのはナチス。ドイツ人には責任はない。」という立場から更に進んで、「ドイツ人全体がブタだった」という苦い選択肢を採れるかどうか、が試されているのです。 私の個人的意見ですが、合理主義者にして堅実なドイツ人は、この苦い選択肢を選べるに足るタフさを持っていると思います。 それは、第二次世界大戦後、国全体として、そして国民一人一人が積み重ねてきた全てのものに自信を持っていると思うから、です。 歴史上何度も戦ったフランスと手を取り合ってEUを支え、幾多の困難を乗り越えて東西ドイツを統一し、国民レベルでも和解と協力がなされた結果、独仏が再び戦火を交えることは、今日極めて非現実的になっているから、です。 甦ったヒトラーは、第二次世界大戦後の独仏の宥和を「知識」として知ってはいますが、彼が彼の弁論術の全てを尽くしたとしても、過去70年という年月をかけて築き上げられたものをなし崩しにすることはできない、という自信が、現代のドイツ人にはあるのだと思います。 その自信がなければ、つまり、この本によって「ヒトラーと戦前のドイツ礼讃」にドイツ国民が傾く危険性が僅かでもあれば、逆にこの本は発禁処分にされていたでしょう。 この本が出版され、しかも130万部を売り上げるベストセラーになったということは、ドイツ人の自信の表れなのです。 この物語を傍観者のように読んできた私は、ここでハタと自問してしまいました、「日本人は、これだけのタフさがあるのだろうか?」と。 「東京裁判で戦犯とされた戦争指導者が悪かった。日本人には責任はない。」という見方さえ否定する(「戦勝国の裁判であって、戦犯にも責任はない」)人々がいる日本で、「日本人全体が、ブタだった。」と認める「自虐史観」に耐え得るタフさが、日本人にあるでしょうか? 「自虐史観」という言葉には、私も反応してしまいます、誰だって、自分の国の不名誉な部分は認めたくない気持ちはありますから。 しかし、現代ドイツ人は「自虐史観」でさえ飲み込めるタフさを持つことを、この物語によって求められていることを思うと、いかにも自分のひ弱さを感じてしまいます。 日本人は、戦後70年という短くはない年月の中で、果たして歴史を直視するタフさを得たのでしょうか? この物語がベストセラーになった意味
物語の最後で、この現代に甦ったヒトラーは、 悪いことばかりじゃなかった。Es war nicht alles schlecht. というスローガンで、更に活動を続けることになるのですが、このスローガン、またしてもどこかで聞いたことがありませんか? 「日本が戦争中、それまで欧米の植民地だったアジアの国々を解放し、善政を敷いた。」 とか、 「日本は韓国を併合して、教育やインフラの整備をした。」 とか、です。 それはさて置いて、この物語は、このスローガンを掲げて、甦ったヒトラーが今度は本格的政治活動に乗り出すところで終わります。 さて、物語の先、ドイツはドイツ人は、どの方向に進むのか? 「悪いことばかりじゃなかった」とは、何とも巧妙なスローガンです。 一つでも「良いこと」があれば、正当化されてしまうかの如きです。 美化された過去として補正もされた「良いこと」を懐かしむのは、誰にとっても心地よいことです、現実に対する不満を暫し忘れることもできますし。 反対に、誰にとっても、忘れたい過去の「悪いこと」を突きつけられ、見たくないものを見る作業は辛く苦痛を伴うものであり、出来れば逃げ出したいことです。 政治家にとっても、選挙の票にもならない、有権者の耳が痛くなるようなことを主張するのは、やりたくないことでしょう。 寧ろ政治家がナショナリズムを煽って、「ドイツ人はブタではなかった」と信じ込ませ、国民はそれを信じるフリをする方が、どれだけ簡単なことか。 しかし、その困難な作業をやり抜く事こそが、現代を生きる国民だけでなく次の世代の国民にも、真の誇りを与える方法だと合理的に結論を出し、戦後70年間に渡ってやり続けた国があります。 それが、ドイツという国であり、だからこそ、この「帰ってきたヒトラー」がドイツで出版を許され、ベストセラーとなっているのだと思いました。 このエントリーをはてなブックマークに追加 Permalink | コメント(16) | トラックバック(0) 「帰ってきたヒトラー」を読んで 雑感 この本がドイツでベストセラーとなった意味を含むブックマーク コメントを書く さるさる 2014/03/07 04:33 帰ってきたヒトラー興味深い内容ですね。 読んで見たくなりました。 日本でやるなら、うーん 帰ってきた大本営 帰ってきた大日本帝国 何故か個人が浮かびませんね 帰ってきた織田信長まで戻るのは無しですか? 冗談はさておき 日本における民主主義は国民が自力で勝ち得たモノではありませんゆえ、とても脆弱だと思います。 アメリカでは小学生から大統領選の模擬選挙をするそうですが日本では、大人でも食事の席での政治の話はご法度ですから何かが 帰ってきたら あっさりそっちに行ってしまいそうでちょっと不安ではあります。 特に最近の自民党の天皇陛下万歳には寒気すら感じました。 日本では戦前礼賛しても別に誰も怪訝な顔すらしませんからね。 麻生さん チャーチルの回想録も引用されてますね。 「日本人は外交を知らない」 とか何とか言ってるお話ですが。 よほどヨーロッパ通なのでしょうか? クリスチャンですし… あ、そうだ帰ってきた岸信介 ならリアルに見れてますね 確か彼は憲法9条を改正しようとしてたとか… 良い孫を持たれて、おじいちゃんはさぞ天国で微笑んで居られるでしょう。
そうそう、チャーチルの回想録の 日本人は外交を知らないの部分 英語では見つからないんですよね。 ご存知ありませんか? 笑 souheki1009souheki1009 2014/03/08 22:34 さるさま、 >帰ってきた大本営 帰ってきた大日本帝国 >帰ってきた織田信長まで戻るのは無しですか? >あ、そうだ帰ってきた岸信介 笑わせていただきました。
この「帰ってきたヒトラー」、私も最初は、よく出来たエンターテインメント的な本だと思い、面白がって読んでいました。 ドイツネタ、ドイツ人ネタも沢山入っていますし。 しかし、後半最後近くになって、怖さというよりは、悄然と肩を落として読み終えました。 「今、まさに何かが帰ってきているじゃん、日本にも。」 と思ったからです。 しかも、さるさまおっしゃる通り、日本には、この本がなくても、戦前礼讃の空気が満ちていますものね。 ついついあの魅力的な笑顔に負けてしまう、麻生氏ですが、ナチスの手口を見習えと言ったかと思うと、これまたおじいちゃんを意識してなのか、チャーチルを持ち出してきてみたり・・・。 (「日本人は外交を知らない」は、話題になったことは覚えていたのですが、記憶が薄れていたので、グーグルさまにお聞きして思い出しました)
安倍首相も麻生氏もなのですが、何で「母方のおじいちゃん」にこだわるんでしょうね。 何故、自分の父親や、父方のおじいちゃんが出てこないのか、とても不思議です。 今日のNHK朝ドラで、杏演じるヒロインが、最後の場面で玉音放送を聞いて、「(戦争が)終わった」と言っていました。 これがマズかったんじゃないか、と思います。 「負けた」ことを、政治家は勿論、国民一人一人がもっと自覚するべきでしたよ、未来への糧として。 「終戦」ではなく、「敗戦」から、戦後の日本が作られていたならば、どうなっていたか? 少なくとも、同じ過ちを繰り返さないことに関しては、もっと自覚的であったのではないか、と思ってしまいます。 てんてけてんてけ 2015/12/31 11:05 ヒトラーが政権を獲ったのは選挙の結果ではなくヒンデンブルグの大統領令であり、政権獲得後のナチスが公正な選挙をやったのか?を見てみると、どうもそうでもない。 なので「ナチスが合法的に政権を獲得した」という認識は結構違うんじゃないか、ということを言う人がいまして私も揺らいでいるのですが、当のドイツ人はどう思っているのでしょうかね? souheki1009souheki1009 2016/02/14 12:40 てんてけさま、
コメントをいただいたのは昨年の暮れですが、当方プライベートでいろいろありまして、承認・返信が大変遅くなりました。 >当のドイツ人はどう思っているのでしょうかね? ということに関しては、「ドイツ人は〜と思っている」と私が論評することは全くできません。 >「ナチスが合法的に政権を獲得した」という認識 何を以って「合法的」、どの時点を以って「政権を獲得した」ということも、市井のオバサンである私などに、論ずる資格はありません。 ただ、これを日本の与党幹部、野党第1党幹部が、それぞれ全く違う文脈で使っているのは、奇妙な印象を持ってしまいますけど。 学生(法学部)学生(法学部) 2016/02/24 14:10 負けた日本とドイツの国民だけを「豚」と表現して、原爆を落とした米国民や日独の比では無い虐殺・人種差別・(現在の米国領土を含む)侵略を行ってきた英国民を免責してしまうのは極めて危険だと思います。 基本的に戦争や植民地支配はありふれたことですので、植民地支配の内容やホロコースト・原爆といった「一線を超えた行為」だけが軍国主義や勝敗を越えた客観的問題であると思います。 我が国の場合、皇民化という目的があったにせよ、現地の人々に学校教育を提供しました。一方、英米は現地民に学校教育を提供せず、拷問・手足の切り落とし・奴隷化などを行いました。英米は現地民を「豚」として扱ったのです。ちなみに朝鮮半島については植民地ではなく我が国本国という扱いでした。戦況の悪化で中止となってしまいましたが、女性や朝鮮の人々にまで普通選挙権を付与する計画がありました。大日本帝国憲法はとかく非難されがちですが、スイスが女性に国政選挙権を付与したのは1970年代になってからです。 いわゆる東京裁判にしろ、勝者の軍法会議であることは否めません。我が国の軍法会議を禁止する憲法を支持しておきながら、東京「裁判」を正当化する「進歩的」知識人は法学を愚弄していると言わざるを得ません。 原爆を投下した米国、ホロコーストを起こしたドイツと、正々堂々と戦争した我が国を含む各国を同質なものとして扱ってはならないと考えます。 連合国万歳とヒトラー万歳、主観的礼讃という面では全く同じです。100%英米が悪かった、100%日独が悪かった、などと思考停止せずに、学問として冷静な目で見直すことが大切です。 長文失礼しました。 souheki1009souheki1009 2016/02/25 18:57 学生(法学部)さま、 >負けた日本とドイツの国民だけを「豚」と表現して、原爆を落とした米国民や日独の比では無い虐殺・人種差別・(現在の米国領土を含む) 侵略を行ってきた英国民を免責してしまうのは極めて危険だと思います。 とおっしゃっていますが、私は全く「負けた日本とドイツの国民だけを『豚』と表現」などしておりません、引用ですよ、しかも日本のことなどこの小説には出てきませんし。 以下の箇所は小説からの引用であることをご確認いただければと思います(下巻29章)。
*「真実は、次の二つのうちのひとつだ。ひとつは、国民全体がブタだったということ。もうひとつは、国民はブタなどではなく、すべては民族の意志だったということだ。」* エントリーの中でこのヒトラーの発言の意味は書いていますので、説明は割愛させていただきますが、 このヒトラーが出してきた論理は、ドイツ人の心の深い部分をえぐる巧みな論理です。 これは、著者によるドイツ人読者への試金石ではないかと思います。 ドイツ人が戦後、過去の罪を直視し反省する心を絶えずアップデートしているかどうか?の。
学生(法学部)さまは、「日本は植民地でよいこともした」という趣旨のことを書いていらっしゃいますが、それはこの小説の最後の章で、甦ったヒトラーが新たに打ち出すスローガンに似ています。 *「悪いことばかりじゃなかった。Es war nicht alles schlecht. 」*
>連合国万歳とヒトラー万歳、主観的礼讃という面では全く同じです。100%英米が悪かった、100%日独が悪かった、などと思考停止せずに、 学問として冷静な目で見直すことが大切です。 私も全く同感で、ど素人ながら、歴史は多方面からの細かく切り分けた見方が必要だと思っています。 しかし、その大前提として。 自国の輝かしい歴史、誇れる側面だけを声高に語る前に、直視したくないこと、信じたくないこともまた、歴史を継ぐ者として受け容れ反省することが、ひいては自国の新たな誇れる歴史になるのではないか、とこの本を読んで思った次第です。 学生(法学部)学生(法学部) 2016/02/26 16:01 souheki1009さま、 丁寧なご返答をありがとうございました。 大学でも、マスメディアでも、どうも未だに私のような意見に対して、「右翼」などのレッテルを貼り言論空間から排除しようとする方が散見されますので……。 まさにナチス政権下でそうであったように、マスメディアや大学教授が(ある程度は)自発的に国民を扇動し、意見の異なる者にレッテルを貼り、挙句言論空間から排除するという暴力は、火炎瓶等による直接的暴力が少なくなった今日においても健在であるというほかありません。 その点では、今日の我が国の言論空間はナチス的であると言って良いと思います。 マスメディアは「第四の権力」と表現されることもありますし、政府の三権が牽制しあうように、マスメディア各社が牽制しあう仕組みを作るべきかと思います。 マスメディアは「誤報」の責任を取らないし、裁判官は冤罪を作っても減給されない。 マスメディアも裁判官も無責任で、「総統」のごとく鎮座しているのが現状かと思います。 我が国の法学は法解釈学ばかりが先行しています。 法解釈学は単に既にある法令を使う技術論にすぎませんので、例えばユダヤ人を弾圧する法律についても、法令にそう書いてあるから弾圧は正しいのだ、ということになってしまいます。 一方、我が国の法哲学は未熟です。法哲学はそもそも法令が正しいのかを問う学問で、例えば「憲法9条は正しいのか?」「ユダヤ人弾圧は正しいのか?」と考えます。 我が国では法哲学が軽視されている為に、まさしく戦前ドイツの如き「法治主義」に陥っています。 近年主流の「法の支配」では、法治主義とは異なり法哲学をも取り入れるので、「憲法の自然法違反」、「法律の憲法違反」があった場合は無効になります。 ちなみに自然法とは正義のことです。法学を突き詰めると最終的に宗教的になると言われているのはここです。なぜ、殺人は駄目で家畜を屠殺するのは良いか、ということです。我々人間にとって都合が良いから人間が他の動物より「偉い」ことになっているだけと言わざるを得ません。 恐ろしいのは、そもそも尊重されるに値する権利(人権と呼ぶにしろ、牛権と呼ぶにしろ、豚権と呼ぶにしろ)について決定しているのは権力者たる人間に過ぎないというところで、だからこそナチスのような勢力が権力を握ればユダヤ人など特定の「生き物」を家畜扱いできてしまうのです……。 人権の存在を数式で証明することはできませんし、法哲学的詭弁はあるにせよ実際には権力者が人権を定義しているに過ぎないわけで、牛が権力を握れば我々人間は食肉加工される運命かもしれません。 理系のような数式がないからこそ、各有権者の良心にすべてがかかっていると思います。 昨年20歳になったばかりの若輩者ですが、法学の学習・研究を引き継ぎしっかり進めてまいりたいと思います。 ありがとうございました。 souheki1009souheki1009 2016/03/03 14:08 学生(法学部)さま、 私のようなオバサンになると、自分では「柔軟な心を」と努めているつもりでも、ついつい凝り固まった考え方に陥ってしまいがちです。 20歳になったばかりという、学生(法学部)さまが、これから多くを学び吸収されていく上で、何に対しても柔軟な心を以って臨まれることを、衷心よりお祈りしております。 六波羅六波羅 2016/04/21 20:34 >学生(法学部) で、結局何が言いたかったのこの人? 良いとこもあったと論がヒトラーの模倣について反論せずどうでもいい自分語りで煙を巻いたつもりかね?傷を隠すなよ臆病者 マスメディア叩きに論調変えても無駄無駄 こういう人間は長文でごまかした聡明なフリをしたがるがただのアスペ紛い。文章も噛み砕けないのか この低レベルの脆弱な人間が法を語るとかお笑いだなぁ 詭弁の勉強だろ?お前がしてるのは souheki1009souheki1009 2016/04/22 21:13 六波羅さま、
いただいたコメントは原則すべて承認して返信しておりますが、今回六波羅さまのコメントを承認すべきか迷いました。 私に対する批判ならば、厳しい内容のものでも承認して私なりに返信しますが、以前コメントしてくださった方に対する批判、それもかなり攻撃的なものなので、どうしたものかと。 しかし、ネット上の議論ですので、しのごの言わずそのまま承認させていただきました。 >長文でごまかした聡明なフリをしたがるがただのアスペ紛い
というのは、私のことかと思い、一瞬落ちこみかけましたが・・・。 笹世久美労笹世久美労 2016/05/19 09:21 なんだろなー。 書評や解説については良くできてると思うんだけど… それを引用した日本の政治批判における論理展開が 「この作品を産んだドイツと独国民は何が何でも凄くて、 日本(特に自民党政権だけ)と日本国民(反政府主義者は除く)は絶対にダメ」 という単純な善悪二項対立のデモナイゼーション展開で萎える。 …これって、ブログ主が指摘して批判してるはずの、 本の中で蘇ったヒトラーがやってることといっしょやん。 …あ、わかったw このブログの大衆扇動的にして単純な反政府論調な論理展開それ自体が、この本の高度な皮肉なんですねw うわー、ぼく、ぶろぐぬしのちのうがあまりにこうどすぎて、 そのてんにいままできづけなかったよ。 souheki1009souheki1009 2016/05/31 08:59 笹世久美労 さま、 返信大変遅くなり申し訳ありません。 >このブログの大衆扇動的にして単純な反政府論調な論理展開それ自体が、この本の高度な皮肉なんですね
買い被っていただいて、光栄ですが、そんなこと、な〜んにも考えていません、美し過ぎる誤解です。
>うわー、ぼく、ぶろぐぬしのちのうがあまりにこうどすぎて、 そのてんにいままできづけなかったよ。
とまで褒めていただいているのに、申し訳ありません。 これはきっと笹世久美労 さまご自身が、高度なレトリックに精通していらっしゃるから?でしょうかね。 さりながら、笹世久美労 さまの以下の要約、
>「この作品を産んだドイツと独国民は何が何でも凄くて、 日本(特に自民党政権だけ)と日本国民(反政府主義者は除く)は絶対にダメ」
これは、いただけません。 笹世久美労 さまとしたことが、これは全く正しい要約ではありません。 そもそも私は、選挙権を得て以来、自民党に投票し続け、2009年の政権交代の選挙で民主党(当時)が圧倒的勝利をした時でさえ、自民党に投票したものです。 そんな私でも、今の政権には違和感マックス、危機感マックスなわけです。 また、気質は関西人で根がラテンなので、ドイツに対して特に親近感を持っているわけでもありません。
さて。 映画化されたようですね。 原作をどのように映画化しているか、興味深いです。 灰色猫灰色猫 2016/06/01 11:34 『良い事もしたけれども悪い事もした』『その罪に日本は向き合えるか』
日本がした事って、白人による四百年間に渡る有色人種差別と植民地支配からのアジア諸国の解放ですよね。 WW2の開始時点で、アジアで独立を保っていたのは日本とタイだけでした。 他は全て白人に植民地にされて収奪を受けていました。そして、当時はそれが世界の常識でした。 強ければ支配する、弱ければ搾取される、弱いのが悪いんだって時代でした。 日本は、国連でそれはおかしいと主張しました。 白人達は植民地を手放すのが嫌で、日本を疎ましく思うようになりました。 悪いのは日本でしょうか。 日本も植民地を持っていましたが、それは欧米の植民地とは性質を異にします。 一方的収奪が常識だった時代に、日本は現地のインフラを整え、現地人に教育を施し、対等の人間としての扱いをし、 食糧の自給率を上げ、悪習を廃し、医療を施し、識字率を上げ、治安を維持し、お仕事を与えました。 今、旧植民地で日本を悪く言う国は一つもありません。 日本を悪く言っているのは、当時は存在しなかった中国と、植民地では無く併合された韓国だけです。両国とも現在進行形で日本を侵略中ですから、当然、戦略として日本を貶めようとします。その理屈は理解出来ますよね? 中国は日本に南京虐殺されたと主張しますが、物証から当時中国の民衆を虐殺していたのは今の中国共産党の前身の軍閥で、大日本帝国軍は中国民衆を守る側であった事が判っていますし、 韓国は日本に従軍慰安婦された強制連行されたと主張しますが、その嘘も既に崩れて来ています。 そもそも彼らは民衆百万人の署名をもって向こうから『借金で首が回らないし中国とロシアに狙われていて怖いので併合してくれ』ってお願いして来た訳です。併合反対派だった伊藤博文も暗殺されています。 今では英雄扱いされているテロリストの安重根は当時、朝鮮民衆に投石されて『併合して貰えなくなったら我が国は滅ぶのに何をしてくれるんだ、この馬鹿』と罵られていました。また、朝鮮以外の植民地は『朝鮮だけ併合して貰えてずるい、何故我々の方が日本を愛してるのに朝鮮の方が日本に愛されるのか』と愚痴ってました。 もし、日本が白人と同じような植民地運営をしていたら、旧植民地諸国も文句を言っていたでしょうし、韓国が自分から併合してくれなんてお願いして来る訳が無いですよね。 また、日本は、白人にハル・ノートを突き付けられました。 ハル・ノートを受け容れた場合、日本は全ての植民地を失って列強に抵抗する力を失います。そして当時は弱肉強食の時代、無力であれば植民地にされて奴隷扱いされる時代でした。更に、ハル・ノートを受け容れても日本を虐めるのをやめるかどうか考え直す(やめるとは言っていない)という内容。受け入れられる訳がない。 でも、受け容れなければ燃料供給を断たれて日本は詰みます。生き残るには戦争するしかなかった。 ハル・ノートの裏には米国を日本とぶつけて消耗させたかったソ連のスパイが絡んでたりしますし、後の韓国初代大統領となる李承晩も米国で盛んに反日を煽って居ました。 米国の大統領としても日本と開戦したかった。だから日本が到底呑めないような無茶な条件を突き付けて来た。 米国は大空襲で民間人を虐殺し、原爆を落として民間人を虐殺。日系人ってだけでスパイ扱いして収容所送りもした。 英国は背後からの不意打ち(そして一瞬で負けて日帝軍に人道救助までされてしまう)。 和蘭も無関係だったのに日本が生意気だと攻撃を仕掛けて来て一週間で敗北し、自分達が現地人を虐める為に使っていた牢屋にとりあえずぶちこまれて非人道的だと喚く始末。(でもその牢屋使って現地人に非人道的な事をしていたのは誰ですかね。)それで植民地を失った事に腹を立てて和蘭の王族が大和民族を皆殺しにしろとまで騒いだ。 中国は便衣兵のゲリラ。ソ連は中立条約違反して戦争後に日本に攻め込み婦女暴行の末に北方領土を不法占拠。 韓国も朝鮮進駐軍で日本に酷い事してますよね。 それらに比べれば日本はおおむね国際法に則って正々堂々と戦いましたが。戦後、それらの国が日本にやらかした国際法無視の凶悪犯罪に謝罪や賠償をした事ってありましたっけ。 真珠湾にしても、日本が宣戦布告をしたのを知っていて受諾を遅らせたって証拠が既に出て来てますし。 また、そもそも宣戦布告とかアメリカがきっちりやって戦争してる姿はWW2の後も全然見ないでしょう。 更にナチスがやらかしたユダヤ人虐殺、日本はユダヤ人に命のビザを発給して必死に逃がした。 サヨクは昔は話を隠そうとしていたが隠しきれなくなったので千畝さんだけの功績にして日帝政府はそれを邪魔していた事にしたがってるけど、あれは日本政府が全面的に救助活動をバックアップしていたって証拠も出て来ていますし。 中国は『日本人がユダヤ人を殺すのに加担していた自分達はそれを助け出した』って捏造してますけど、当の助けて貰ったポーランド人が未だに日本ありがとうって言ってますし。 それで敗戦した日本は国際裁判で極悪非道だと罵られた。 でもインドのパール判事はあれは完全な報復裁判だと。日本が悪なら他の国は何なんだって怒ってくれた。 東南アジア諸国はその後、欧米に敢然と挑んで独立を勝ち取った。日本が戦って有色人種でも白人にガツンと言ってやれるんだって証明してくれたから、我々の独立は早まったのだって言ってくれてる。 日本が本当に悪であったなら、そういう評価は出て来ないでしょう。当の旧植民地から。 それでも日本は戦後に自虐史観洗脳され謝罪と賠償金のお代わりに七十回以上応じ続け、それと別で(実際には詐欺であるにも関わらず)慰安婦への見舞金を出し、更に中韓に資金援助や技術支援を繰り返した。彼らはそれでもまだ足りないまだ足りないと言い続けて世界中で日本のないことないこと言い触らしているけれど。 そして今、中国が世界各国を侵略し始めた。 韓国も世界中で違法出稼ぎ売春(しかも日本風の源氏名で日本人になりすまして)をやっている。銃乱射事件も起こしてる。 彼らの進出した先では少数民族が民族浄化されたり、治安が悪化したりゴミだらけになったり資源が枯渇するまで乱獲されたり環境が致命的なまでに汚染されたり。 そんなだから彼らは全世界で嫌われて、そして今東南アジア諸国は『また強い日本に戻ってアジアの平和の為に戦ってくれ』と言い出した。 本当に日本のやった事が悪であり世界がその被害者であるなら、そんなお願いをされると思いますか? 罪に向き合うべきは、有色人種を差別し奴隷にし解放の為に国防の為に戦った日本人を虐殺した欧米諸国であり、匪賊だった癖に救国の戦士のように振る舞う中国であり、自ら望んで日本の世話になっておきながら戦後一緒に責任を取るのを嫌がって日本を切り捨て被害者になりすました韓国であり、自分達の罪と向き合うのが嫌だからナチスだけに罪を押し付け更に日本を糾弾し自分達は反省したのだと欺瞞しながら何の謝罪も賠償も一度も行わなかった独逸であり、敗戦国の癖に自分達はムッソリーニと戦ったゲリラ闘士だから途中からは連合国側なのだと同盟国日本に賠償を求めて『お前はアホか』とアメリカに却下されたイタリアでしょう。 『実際にそれぞれの国が(…誰かの都合で捏造された話をきっちりと除外した上で!)やらかした事』を列挙して並べて比較してみれば、『日本より正しい国なんてどこにもないし、日本ほど真摯にそれと向き合った国はどこにもない』でしょう。 あの戦争を戦わなければ今の日本は無かった。有色人種は今も奴隷だった。 貴方も、平和に平穏に生きては居なかった。自由に先進国民としての生活を享受なんて出来てはいなかった。 貴方の今の生活はあの時代に戦ってくれた日本のご先祖様の犠牲の上に在る訳ですが。 日韓併合前の朝鮮の写真を見た事ありますか。併合前の朝鮮の生活ぶりを知っていますか。 日本に文句を言う朝鮮人が、では全て無かった事にしてその生活に戻りたがると思いますか。 今、サヨクの人は日本が戦前の軍国主義に戻り始めたって言うけれど、今の日本は北朝鮮に邦人を百人以上拉致され、韓国にも邦人を五千人も拉致されて領土を不法占拠され教育も報道も乗っ取られてて、中国には軍艦や軍用機を領海内に送り込まれてます。 更に中国の南沙諸島の人工島基地。あれ本格的に動き始めて燃料の供給経路断たれたら日本のエネルギーすっからかんになりますよ。あと世界中で日本を悪く言う特亜の情報工作のせいで日本がどれだけ風評被害を被り現地人がどれだけありもしない罪で責めたてられ虐められ暴力を振るわれているかご存じですか。 『そこまでされても、日本は未だに防衛に終始し彼らを攻撃していない』のです。核ミサイル基地とか迎撃率100%じゃないのだから撃たれる前に先制攻撃しないと本当はやばいんだけれども。それでも今のところは『こっちから攻撃はしていない』。 まともな国なら自国民が浚われたり自国領土が占領されたら軍を出撃させますけど、日本は『それもしていない』。 ただ、周辺国と手を繋いで『もし侵略されたら助け合って一緒に防衛しましょうね』って約束をしてるに過ぎない。それが『戦争法』ですかね? 戦後七十年が経過し、インターネットの発展で物証付きで旧連合国軍の自己正当化の為の嘘や、特亜人の日本侵略の布石としての嘘がばれた。特亜人に占領されたマスコミが必死に隠していた真実が明白になった。 本当の悪がどっちだったのか、彼らに抵抗しなかったらどうなるのか、彼らの攻撃が何処まで及んでいるのかが可視化された。 だから、自分の身を守る為に戦わないといけないと、現実と向き合う人が増えただけです。 それが右傾化だ軍国主義だと仰るなら、では貴方は完全無抵抗のままチベット人みたいに漢民族に強姦され虐殺され民族浄化されたいのですか。 貴方は前の戦争も戦わずに白人の奴隷としてプランテーション農業をして生きるのが正しかったと思うのですか。 日本は既に、本来するべきよりも多くの反省をした。 反省していないのは日本を欺き責めたてた者たちの側です。 通りすがり通りすがり 2016/06/11 15:51 私は映画はそこそこ見るけれど、本はあまり読まないような人間でございます。ドイツや自国の歴史なども教科書で読んだ程度の知識しか持ち合わせておりません。 この度「帰ってきたヒトラー」なる映画が上映されると知り、前知識を仕入れるためにネットを検索したところ、こちらのブログに辿り着きました。 とても興味深く読ませていただきました。非常に参考になりました。ありがとうございます。 そしてこの記事についたコメントを拝見して、本記事を批判的に捉える方々は実に難しい言葉を使われるのだな、と思いました。また、ブログ主の真意をブログ主以外の方が決めつけるというのは、非常に怖いと感じました。 映画楽しみです。 souheki1009souheki1009 2016/06/11 20:12 灰色猫さま、 長文のコメントをいただきました。 承認いたしますが、全文掲載できるのか、少々不安でもあります。 万が一、途中で切れた場合は、分割して再度承認いたしますね。 さて、せっかくの長文コメントですが、全ての前提となる最初の一行の内容が、先ず、私のエントリーには見当たりません。 >『良い事もしたけれども悪い事もした』『その罪に日本は向き合えるか』
この二重括弧の中の文章は、一体、誰の文言なのでしょうか? 私が書いたものではないということは、灰色猫さまご自身ののご意見なのでしょうか?
それから、たくさんご質問というか、問いかけを頂いておりますが、例えば最後の問いかけですが、 >貴方は前の戦争も戦わずに白人の奴隷としてプランテーション農業をして生きるのが正しかったと思うのですか。 このエントリーを書いたのは2年以上前ですが、読み返してみるまでもなく私の記憶が正しければ、「帰ってきたヒトラー」という小説の書評(というのもおこがましい、感想文)です。 その感想文に対するコメントが、どこをどう捻ったら、「日本人が白人の奴隷をしてプランテーション農業に従事するのが正しいや否や」、という問いかけになるのか、申し訳ありませんが、私には理解しかねます。 灰色猫さまのご意見は、私とは全く異なるものですが、こんなブログのコメント欄にコメントするのではなく、ご自分のブログなりから広く全世界に向けて発信されるとよろしいのではないでしょうか? souheki1009souheki1009 2016/06/11 23:53 通りすがりさま、
私も映画、観に行く予定にしています! ただ、映画のオフィシャルサイトの予告編やあらすじを見た限り、原作の雰囲気とはかなり違って、コメディ色が強い印象を受けました、そう演出しないと娯楽映画にはならなかったのだと思いますけど。 ドイツ人のユーモアセンスも、日本人の私から見ると、訳わからないというか、悪趣味というか、そういうところもありますし。 ドイツでも大ヒット映画だったということですから、興味深々です。 通りすがりさまがお気付きになったように、コメントをくださる方の中に、この小説の内容に関しての感想ではなく、ご自分の歴史観や主張を披瀝するものが急に増えたのを、私自身訝っております。 http://d.hatena.ne.jp/souheki1009/20140304/p1
[32初期非表示理由]:担当:要点がまとまっていない長文
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