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財政赤字で国内が不安定化する中、サウジ王室で内紛が激化し、部族間の争いを演出する動きも
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201605100000/
2016.05.11 03:44:33 櫻井ジャーナル
サウジアラビアが混迷の度を深めている。石油相場の急落で財政赤字になり、支配システムが揺らぎ始め、王室で内紛が始まっているのだ。同国の2014年における財政赤字は390億ドル、15年には980億ドルへ膨らんだという状況に変化がなければ、同国の金融資産は5年以内に底をつくと予測されている。そうなるとドルを支えているペトロダラーの仕組みが崩壊、投機市場も収縮して金融パニックになる可能性があり、アメリカ支配層にとっても危機的な状況だ。
石油相場が下がり始めたのは2014年の夏で、9月11日にアメリカのジョン・ケリー国務長官とサウジアラビアのアブドラ国王が紅海の近くで会談してから加速度的に下げ足を速めた。その会談で原油相場を引き下げる謀議があったとも言われている。相場引き下げでロシアを揺さぶろうとしたというのだ。
しかし、石油相場の下落と並行してロシアの通貨ルーブルも下がり、ルーブルでの決済では大きな変化がなく、アメリカ支配層が望んだような効果はなかった。むしろ、アメリカのシェール・ガス/オイル業界が壊滅的なダメージを受け、サウジアラビアも支配体制が揺らぐことになっている。
そうした中、サウジアラビアでは後継者争いが激しくなった。現在の国王はサルマン・アル・サウドだが、すでに引退状態。息子のホハマド・アル・サウド国防相に嗣がせたいようだが、ホマメド・ビン・ナイェフ皇太子が国王代理として切り盛りしている。そこで抗争が始まったわけだ。
サウド国防相は軍や国家警備隊を掌握しているという強みを持っているが、イエメンとの戦争を始めたのも彼。サウジアラビアを急速に衰退させている張本人とも言える人物である。
経済政策については、アメリカのコンサルタント会社マッキンゼーのアドバイスに従って新自由主義的な経済政策に傾斜、国をヘッジファンド化しようとしている。アメリカの巨大金融資本にとって都合の良い政策だ。経済的に最も強く結びついている中国との関係をさらに発展させるという手もあるのだが、アメリカの支配層は激しく反発するだろう。
それに対し、ナイェフ皇太子はサウド国防相の権力掌握を防ぐために部族間の争いを演出しようと考え、今年1月に部族の指導者たちと秘密会談を開いたとも言われている。現体制が崩壊した場合、ワッハーブ派というカルトで洗脳されているサウジアラビア人が暴走、中東/北アフリカ情勢は収拾がつかなくなる可能性がある。これまで西側が供給してきた武器/兵器が西側に対しても使われることも考えられるだろう。
1月の後半から2月の前半にかけて、イスラエルの高官が率いる代業団が秘密裏にサウジアラビアの首都リアドを訪問し、サウド国王をはじめとする王室のメンバーと会談したとも伝えられている。
http://www.english.alahednews.com.lb/essaydetails.php?eid=32344&cid=389#.VzJN7_mLSUm
その後にサウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相がハリド・アル・フマイダン総合情報庁(GIDまたはGIP)長官を伴ってイスラエルを極秘訪問、シリアやレバノンでの軍事作戦やイランに対する工作などが話し合われたという。
http://alwaght.com/en/News/45326
話し合いの中でサウジアラビア側はパレスチナでイスラエルが何をしようと気にしないとも口にしたようだ。
サウジアラビアの現体制が崩壊した場合、石油の供給という問題だけでなく、アメリカを支えてきた金融システムが崩壊する可能性が出てくる。すでに生産能力をなくしているアメリカは破綻国家になると推測する人もいる。
サウジアラビアの支援がなくなった場合、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン体制も崩壊、シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すというアメリカ(ネオコン/シオニスト)、イスラエル、サウジアラビアの目論みも破綻する。
シリア侵略のベースになったプランは1992年初頭に国防総省のDPG草案という形で作成された世界制覇プロジェクト、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」。
http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html
アメリカを「唯一の超大国」として君臨させて世界を制圧するため、旧ソ連圏だけでなく西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようというものだった。
1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補が「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を公表してから日本の「エリート」は自国をアメリカの戦争マシーンに組み込むため、形振り構わず暴走してきた。彼らに見えているのは目先の個人的な利益だけだ。その「エリート」には政治家や官僚だけでなく、大企業経営者、権威を名乗る学者、マスコミの記者や編集者なども含まれている。
アメリカの支配層は暴力を駆使して中央突破を図るかもしれないが、それは人類にとって非常に危険なこと。ネオコンをはじめとする好戦派は相手が核戦争を恐れて屈服すると信じているかもしれないが、ロシアや中国が屈服するとは思えない。西側にネオコンを押さえ込む理性と力が残っていることを期待したい。
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