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TTIP: 物議をかもしている'環境保護法規に対する抑止力として'の法的権利なるものを実現すべく、シェブロンがロビー活動
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/ttip-dd9a.html
2016年5月 7日 マスコミに載らない海外記事
EU-アメリカ貿易協定で、アメリカ石油会社が、外国投資家に、政府の決定に異議申し立てする法的権利を与えさせたがっていることを文書が示している。
アーサー・ネスレン
Arthur Neslen
2016年4月26日 火曜日 11.38 BST
最終改訂 2016年4月27日 水曜日 10.02 BST
水圧破砕禁止のような法律に対する抑止力として機能するので、重要なアメリカ-EU貿易協定の中で、外国投資家に、政府決定に異議申し立てする法的権利を与えるよう、シェブロンが、EUにロビー活動をしていたことを、ガーディアンが明らかにした。
環境保護論者たちは、以前から、環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)が、投資家・国家紛争解決(ISDS)商事仲裁廷で、規制官庁を萎縮させ、政府は訴訟を恐れ、化石燃料採掘を制限する施策には逃げ腰になる危険性があると主張してきた。 しかし今回、大手石油会社が、初めてそうした脅威を認めた。
EUとアメリカの交渉担当者たちが、今週、ニューヨークで席につき、TTIP協定成立を目指し、13回目の交渉を始めようとする矢先に、二年前のブリュッセルにおけるアメリカ石油会社ロビー活動の詳細が現れた。これまで、フランスもドイツも、ISDS利用を、TTIPから削除したいと言ってきた。
大企業が国を訴えることを可能にする不明瞭な法制度
更に読む
https://www.theguardian.com/business/2015/jun/10/obscure-legal-system-lets-corportations-sue-states-ttip-icsid
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“ISDSは、対エクアドル訴訟で、シェブロンが一度利用しただけだ”と、ガーディアンが、情報公開法によって入手した2014年4月、匿名のシェブロン重役と欧州委員会幹部との会合の議事録にある。“ところが、シェブロンは、抑止力として機能するので、ISDSは存在するだけで重要だと主張している。”
シェブロンは、近年ルーマニアとポーランドで、シェール・ガスを探査したが、以来両国におけるシェール・プロジェクトからは撤退している。同社が、現在、ハーグのISDS仲裁廷で行っている、先住アメリカ人に、違法行為とされるものを巡り、同社を同じ金額で訴えることを可能にしたかどで、95億ドルを要求する対エクアドル政府訴訟は、20年以上昔にさかのぼる。
“シェブロンの訴訟は、ISDSを外すべき例として良く使われます”と議事録にあり、そこには、EU幹部のこういう意見がある。“訴訟は、まさにその逆であることをはっきり証明しているのでこれは誤解だ。同社は、ブリュッセルで、この問題の認識を高め、裁判のより詳細な分析を手渡した。”
年間190億ドル稼ぐ、アメリカ多国籍企業は、1998年、エクアドル政府と、同社のあらゆる環境賠償責任を免除する和解に合意したと述べている。
しかし、エクアドルの先住アメリカ人社会は、自分たちは何十億ガロンもの有毒ヘドロを、アマゾンの川、湖や、何百もの漏水防止処理をしていない穴に投棄したこめにひき起こされた環境災害の中で、いまでも暮らしていると抗議している。
“この書類[議事録]は、投資仲裁を、環境規制に対する足かせとして使える権限こそが、シェブロンのような多国籍企業が一体なぜ、ISDSを擁護しているのかという主な理由であることを示しています。”と、トランスナショナル研究所研究員で、エクアドルの二国間投資条約を監査する大統領委員会委員であるセシリア・オリベットは言う。
“何百万ドルもの国際仲裁訴訟という単なる脅威という公共事業予算に対する圧力で、外国投資家の権益に影響を与えかねない社会的、あるいは環境保護対策の実施を政府がいやがるようになるのです。”
シェブロン広報担当者はこう語る。“反対者と賛成者が、ISDSに対する見解を、欧州委員会と直接話し合うのは何も驚くべきことではありません。
“ISDSメカニズムは、実績ある、必要で、政治色のない仲裁のための法廷をもたらす。ISDS仲裁が、政府と投資家が差異を解決できない場合、最後の手段として、利用されるのは稀だ。ISDSは、投資家と、受け入れ国に、時として生じる意見の相違のエスカレーションを防ぐべく、誠意を持って交渉することを奨励する有用な機能がある。”
2013年、アメリカ通商代表への申し立てでは、ISDS陪審団の存在は、紛争が仲裁廷外で和解する“可能性が増す”と同社は主張している。
公正で平等な取り扱いという条項の下で、こうした陪審団は、国会によって制定された社会的、環境的法規が、投資が行われた時点での企業の利益予想と対立する場合、そうした法律に不利な裁定を下しかねない。
目立つ一例としては、アメリカ企業ローン・パインが、カナダのケベック州を、NAFTA協定条項の下での水圧破砕禁止を巡って、2億5000万ドルの補償を求めて訴えている。しかし活動家たちは、規制を萎縮させる効果は、ずっと陰険だと言う。
2013年、フィリップ・モリス・インターナショナルによる、対ウルグアイとオーストラリアのISDS仲裁廷訴訟の後、タバコ表示のより厳格な規制の導入計画をニュージーランドは延期した。
2011年、ハンブルク市は、バッテンフォールによる投資仲裁訴訟の後、浄水規制の緩和に同意した 一方、1998年、カナダは、エチル社によるISDS訴訟の結果、有毒化学物質MMTの禁止を撤回し、1300万ドルの支払いに同意した。
2014年に、ISDS仲裁訴訟を決着させるため、インドネシアも、採掘会社ニューモントに対し、輸出前に、原料を現地で処理することを要求する法律からの免除を認めた。
カナダの法律事務所、ファスケン・マーティチノーのパートナー、ピーター・カービーは、ISDS仲裁廷について、こう述べた。“相手側に乗り込んで、‘良し、もしあなたがそうするなら、補償を求めて訴えるからな、と言えるという意味でのロビー用の手段で。’場合によって、相手の行動を変えることがあるのです。”
この問題は、激しい反対を引き起こし、週末、ハノーバーで、オバマ大統領の訪問中、約35,000人の人々が新たな貿易協定に抗議して集まった。
ー・キャン・ストップTTIPの小旗が、先週末、ドイツ、ハノーバーでの反TTIP集会とデモで、使われていた。 写真: Hauke-Christian Dittrich/EPA
2013年12月、委員会と、BP、シェルと、エクソン・モービル重役との別会合について編集された議事録は、化石燃料業界が一丸となって、EU-アメリカ自由貿易協定を強く支持していることを示している。
BPは、TTIPを“ 国際的文脈で、エネルギーと競争力を語る好機”と述べる“最もあけすけな”支持者で、結果として生まれる新たな世界エネルギー貿易ルールを歓迎している。
議事録には、“しかしながら、特に透明性の規則、それと比較すれば重要さは下がるが、オフショアの安全規則を、各社が懸念しているように見えた。”とある。
TTIP協定には、特に、再生可能エネルギー助成、タール・サンドに対し、EUが計画している規制、海で負傷した船員が補償を要求できるアメリカの法律、1920年のジョーンズ法も盛り込みたいと、BPとエクソン・モービルは、述べた。
両社は、EU幹部から得た情報を、ワシントンDCの同僚に伝え、“更なる要求”を携えて再訪する可能性を述べた。
文書中で、EUの構想である、原油とガス輸出アメリカ禁輸を解除するため、石油会社ロビーの影響力を、何とか味方に付けようと、委員会は熱心なように見える。
議事録は、トタル、GDFスエズ、レプソル、OMV、EDF、アレヴァ、ユーロガスと、石油・ガス生産者連合とのEU幹部が予定している会合をリストしている。
委員会は、コノコ・フィリップスや、シェブロンにも“更に対象を広げる”予定だ。
今週、健康環境連合HEAと、国際環境法センターCIELは、あらゆるTTIP貿易協定から、有毒化学物質を締め出すEUの法律を要求する新たなキャンペーンをたちあげた。
記事原文のurl:http://www.theguardian.com/environment/2016/apr/26/ttip-chevron-lobbied-for-controversial-legal-right-as-environmental-deterrent
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