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米ニューヨークで、ドナルド・トランプ氏に対する抗議運動に参加する男性〔AFPBB News〕
強気一点張りトランプが吐いた弱音に、勝負あり! ピール牧師と父から受け継いだ積極性も大統領選では空回り
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46717
2016.4.28 堀田 佳男 JBpress
米大統領選のニューヨーク州予備選(19日)が行われる2日前、ニューヨーク市内にあるプロテスタント系の教会を訪れた。マンハッタンの5番街と29丁目の角に建つ石造りの教会で、ちょうど日曜日の礼拝が終わったところだった。
マーブル協同教会。
17世紀前半にピューリタン(清教徒)がボストン郊外プリマスに上陸して間もない1628年にニューヨークに建てられている。現在の教会は1854年に建設されたものだ。
その日、教会の牧師と、ある人物について話をすることになっていた。
■敬虔なはずが15年間姿見せず
「彼のご両親が信者でしたから、連れられてよく来ていました。2番目の奥さんも教会の信者で、その時期も頻繁に来ていましたね。でも過去15年は全く姿を見せていません」
彼というのは共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏。不動産王としての業績と、大統領候補としての言動に世間の注目が集まるが、本人の内面、特に精神活動に光が当たることはあまりない。
昨年6月の出馬以来、過激な言動を繰り返しているトランプ氏はライバル候補を含めて多方面から否定的なことを言われるが、ほとんど怯んだ様子を見せない。
それどころか、攻撃されればされるほど勢いが増すようにさえ思われる。その精神的な強さの理由を探りたいと思っていた。
自伝やトランプ関連の書籍を読み進めていくうちに、キリスト教(精神活動)が大きな支柱となっていることに気づいた。
歴代の大統領にもキリスト教の敬虔な信者は多い。トランプ氏はまだ候補だが、精神的な支えはキリスト教にあると考え、マーブル協同教会を訪ねたのだ。
トランプ氏は幼少の頃から父フレッドに連れられて、日曜日になると家族で教会に足を運んでいた。子供によっては、親に連れられて日曜ごとに教会に行くことを疎ましく思う。だがトランプ氏は違った。
「ピール牧師の説教はいつも終わってほしくないと思っていました。もっとずっと教会にいて聞いていたかった」
自叙伝の中で書いている。ピール牧師というのは、トランプ氏がいまだに敬愛してやまない「心の師」と仰ぐ人物である。
■積極性を植えつけたピール牧師
話をした牧師が当時を覚えていた。
「当時はピール牧師が説教をしていました。トランプ氏は本当にピール牧師に心酔していましたから、キリスト教の精神を全身で受け止めたと思います」
ノーマン・ヴィンセント・ピール牧師。1993年に他界しているが、ピール牧師こそトランプ氏に大きな影響を与えた人物の1人である。最近の米メディアとのインタビューでも、「私こそがピール牧師の最高の生徒だと自負している」と発言している。
ピール牧師は米国に多数あるプロテスタント教会の一牧師という人物ではない。
米国内ではたいへん著名で、アイゼンハワー大統領やレーガン大統領にも説教をしたことでも知られ、著書『積極的考え方の力』(初版1952年)は世界60カ国以上に翻訳され、すでに2000万冊以上が世に出ている。
不動産分野で結果を残してきたトランプ氏は、一見すると宗教とは縁遠い冷徹なビジネスマンに思われる。だが「私以上に聖書をよく読む人はいない」との発言や、「聖書が最も好きな本」との言葉から、キリスト教が人生の核になっていると考えられる。
しかしトランプ氏の言動を聞くかぎり、敬虔なクリスチャンとは程遠いように感じられる。思慮深さの欠如は明らかだし、聖書から多くを学んで実践しているようにも思えない。
トランプ氏を追いかける記者から「聖書の中でもっとも好きな一節は?」と質問された時、答えられない場面さえあった。後日、回答を寄せはしたが、その一節が聖書からの引用でないことが判明している。
実は本当に読み込んだのはピール牧師が書いた『積極的な考え方の力』だったのだ。ここにはいかにポジティブに生きるかが記されている。自己啓発本の原点が示された本とさえ言える。
■キリスト教ビジネス系保守派
ピール牧師が亡くなった後、トランプ氏はニューヨークのマーブル協同教会に通わなくなる。師がいなくなっても、神への信仰が深ければ教会に通ってもいいはずだが、足を向けなくなる。
ニューヨーク・タイムズはトランプ氏のことを「キリスト教ビジネス系保守派」と呼んでいる。聖書を拠りどころとするより、ピール牧師の本に触発されたビジネスマンという捉え方だ。
ピール牧師の同書は、神への信仰を中心にした精神活動から、キリスト教をいかに実生活へ有効に応用させて成功を遂げるかを説いている。そこでのキーワードが「積極性」なのだ。
自伝で書いている。
「不動産交渉の時、私の優先事項はつねにポジティブでいるということだ。たとえ周囲にいる全員が否定的な考え方をしていても、私だけは積極的でいる」
例えば1970年代、ニューヨーク市マンハッタンのウェストサイドの物件を購入した時もそうだった。市内の誰もが否定的で、同市の財政は破綻すると心配していた。
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