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記事入力 : 2016/04/25 11:00
「搾取に耐えられない」 カタールの北労働者が警察署に駆け込み
クウェートでは「上納」急かした指導員に労働者が集団で反発
先月15日、中東カタールの首都ドーハで建設作業員として働く北朝鮮労働者2人が監視の目をかいくぐって逃げ出し、現地の警察署に駆け込む事件が起きた。2人は「(当局の)搾取がひどくて耐えられない」と訴えたという。
中東の消息筋と韓国政府の当局者が24日に伝えたところによると、脱走した北朝鮮労働者は警察の調べに対し「猛暑の中で2年余り働いたが、全く稼げなかった」と述べ、当局の過酷な搾取の実態を明かした。カタールのある建設会社は先ごろ、北朝鮮労働者20人余りを一斉に解雇したが、脱走した2人もこれに含まれていたという。現在、2人の身柄はカタール当局が確保しているが、被解雇者のため北朝鮮への強制送還の危機にさらされているようだ。
また、先月19日にはクウェートの首都クウェート市で、北朝鮮の建設作業員100人余りが国家安全保衛部(秘密警察)職員の面前で騒ぎを起こしたと伝えられた。現地の指導員が夜に労働者を集め「上半期の外貨稼ぎの目標額を太陽節(故・金日成〈キム・イルソン〉主席の生誕記念日、4月15日)までに納付すれば、成果として報告する」と述べたことが発端となった。
この言葉に興奮した労働者たちは一人、二人と立ち上がり「月給ぐらいきちんと払ってくれ」と声を荒げたという。中には「早期の上納」を口にした指導員に飛び掛った労働者もいた。保衛部職員の制止で事態は一段落したが、これら労働者が所属する北朝鮮建設会社の社長は「労働者の管理がきちんとできていない」とソ・チャンシク駐クウェート北朝鮮大使に叱責されたとのことだ。北朝鮮民主化ネットワークの金永煥(キム・ヨンファン)研究委員は「保衛部職員が同席した場であからさまに不満を口にするなど、北朝鮮社会では想像もできないこと」と話している。
中東で働く北朝鮮労働者のこうした反発は、平壌から派遣された「検閲団」が帰った直後に起きた。国家安全保衛部は2月20日から先月8日にかけ、労働者の引き締めを図るためクウェートやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)などに12人からなる検閲団を派遣し、労働者の日常を点検したり、携帯電話の通話履歴を調べさせたりした。北朝鮮事情に詳しい消息筋は「検閲が終わって数日で逸脱行動が相次いで発生した。外貨稼ぎに従事する労働者たちが自制力を失うほど、平壌(北朝鮮当局)の搾取がひどくなっている」と伝えた。
中東事情に詳しい消息筋によると、北朝鮮の対外建設指導局は2月末、指導層への上納金をねん出するため、労働者の勤務時間を3時間延ばすよう指示したという。中東の北朝鮮労働者は冷房設備もない環境で1日10−16時間の重労働を強いられている。疲労がたまり、現場での事故も多い。先月25日、ドーハでは労働者の1人が工事現場で転落死した。だが、現地の北朝鮮幹部は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に伝わることを恐れ、本国にこれを報告しなかったとされる。
韓国統一部(省に相当)によると、北朝鮮は50カ国余りに最大6万人の労働者を派遣している。労働者は年間2億−3億ドル(約220億−330億円)を稼いでいるとされ、この資金は金第1書記をはじめとする幹部のぜいたく品購入や核・ミサイル開発に充てられている。
国際社会では、金正恩政権の「最後の資金源」である労働者の海外派遣を制裁対象とする動きが出ている。米国は先月発動した北朝鮮制裁に関する行政命令に、北朝鮮による海外への労働者派遣を禁じる内容を初めて盛り込んだ。
欧州連合(EU)でも、海外の北朝鮮労働者の人権問題に関する議論が活発に行われている。EUアジアセンターが今月20日に開催した討論会で、朝鮮半島専門家であるオランダ・ライデン大のレムコ・ブロイカー教授は「国際法とEUの規定に基づき、劣悪な環境で搾取されている海外の北朝鮮労働者を保護することが、北朝鮮政権の資金源を断つことにつながる。各国における北朝鮮労働者に対する人権侵害を調査し、搾取された賃金が平壌に流れないようにすべきだ」と指摘した。
キム・ヒョンウォン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/04/25/2016042500996.html
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