http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/331.html
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主要国外相が実験を除く最初の被爆地広島を訪問したのも、この間日本で進められてきた「兵器転用性が高い核物質」の排除につながっている動きだと思う。
それは、戦後圧倒的な経済力と軍事力で覇権国家として西側世界に君臨してきた米国の“相対的衰退”を見据えたものである。
覇権国家米国は、日本など科学技術力と経済力から核兵器を保有できる国家に「核の傘」を含む“安全保障”を与えることで、核兵器保有の動きにタガをはめてきた。
今後の世界は、超覇権国家米国による一極支配(あくまでも外見的な話だが)が終わり、地域別ヘゲモニー国家とその連合によって世界の“秩序”が維持される方向に進むと予測する。
そのような過程で、米国の庇護下は許容できるが、“あの国”の下はイヤだという動きも出てくるだろう。
そういう国が核兵器保有に動く芽を摘もうとしてきたのが、09年のオバマ大統領の「核兵器なき世界」演説(これでノーベル平和賞)から進められてきた「核拡散防止」政策である。
(北朝鮮の核開発への制裁などの対応も、潜在的核兵器保有志向の日本や韓国などに対する威迫効果という狙いもある)
「核兵器なき世界」とは、イスラエル・インド・パキスタンといった例外国はあるとしても、UN安保理常任理事国が核兵器を専有する構造を強化したいという話である。
広島訪問は、主要国が大都市への原爆投下という筆舌しがたい暴虐と災厄を再確認したと見せることで、UN安保理常任理事国以外が核兵器を保有したいという“空気”を馬鹿げたものだと思わせる一助としたかったのだろう。
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ケリー米国務長官らG7の外務担当責任者 非核世界をめざし広島へ しかしその結果は…?[スプートニク日本語]
2016年04月11日 20:45
米国のジョン・ケリー氏は、広島を訪れた米国最初の国務長官となった。広島は、1945年米国が原子爆弾を世界で初めて投下した町だ。日本人達の中には、国務長官に謝罪の言葉を期待した向きもあったが、その願いは適わなかった。そしてケリー国務長官ら、G7外相による広島訪問のその他の結果も、明るい未来を期待させるものとはなっていない。
モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ上級研究員の見解を、以下皆さんに御紹介したい。
会談の目的は、全体として気高いものだった。すべての人々にとって、もっと安全な世界へと続く道を皆で話し合い、核兵器のない世界のための諸条件を創り上げるという立派なものだった。会談をまとめた宣言の中で、G7の外交担当責任者達は「我々は、そうした方向に前進する」と言明し、そうした動きを困難にしている問題があることを指摘した。具体的には、シリアやウクライナなどいくつかの地域の安全状況の悪化、そして北朝鮮の度重なる挑発行為である。
シリア、ウクライナ、北朝鮮という3つの地域で起きている事が、世界の安心感を高め、軍縮を奨励するものでないことは、争う余地がない。特に、こうした地域、さらに他の一連のホットポイントにおける緊張の真の原因を考慮するなら、言うまでもないことだ。ついでに言うなら、その原因について、欧米とロシアの見方は違っており、その事は、世界の安定と相互理解を妨げている。
欧米は、シリアでの出来事を「血塗られた独裁者」であるアサド大統領に対するシリア国民の戦いとみなしているが、ロシアは、地域の一連の国々によるアサド大統領打倒の企てとみている。なぜなら、ペルシャ湾岸のカタールからシリア領内を通じて欧州へと通ずるガスパイプライン建設を、アサド大統領が認めないからだ。そのため暴徒集団やテロリストを使って、アサド政権転覆を図っていると、ロシアは考えている。
さて、もう2年以上流血の無秩序状態が続くウクライナだが、欧米は、ウクライナ人が、ロシアの影響圏に残るのを望まず、自由をめざし汚職と闘うため「ヨーロッパへ入る選択」をしたゆえに起きたものと説明している。一方ロシアは、そうした親西欧的傾向は実際あったが、それは一部のウクライナ人の間だけで、そうした一部の人達が暴走し、国を分裂させ、内戦に導いたと見ている。またロシアは、この2年間でウクライナでは逆に汚職が増え、自由が制限された事、そしてウクライナ経済に至っては、ほぼ壊滅的な状態だ、という事をよく知っている。しかし欧米は、それを知りながら、そうした事実を認めようとしない。
さてここで、一つの問いが生じてくる。ロシアのどこが悪かったのか、なぜロシアに対し制裁が導入されたのか?という問いだ。また、今回広島でまとめられた宣言の中では「対ロシア制裁を今後も続けるかどうかは、ロシアがミンスク合意を完全に履行するかどうか、ウクライナの主権を尊重するかどうかに直接左右される」と述べられている。これは、明らかに狡猾なやり方だ。まず第一に、ロシアはミンスク合意を実現する事が出来ない。なぜなら、それを守っていないのはウクライナだからだ。第二に、ロシアはウクライナの主権を尊重しており、その侵害をたくらんでなどいない。クリミアについて言えば、ロシアの一部であって、ウクライナの主権とはもう何の関係もない。これはクリミアの住民自身が、真に民主主義的手段によって、自分達で決めた事だ。
最後に、北朝鮮について言えば、すべてはかなり単純だ。世界を核実験によって脅すような事は、もちろん、よい事ではない。それゆえロシアは、つい最近の、北朝鮮当局を非難し制裁導入を求める国連決議を支持した。しかし、米国のような力のある大国が、介入するとか、体制を打倒するとか言って小さな国を脅すのは、よくない事だ。小さな国の中では、恐怖のあまり、核兵器を作り始めている国もある。そうした行動に駆り立てた責任は、一体誰にあるのか? それは明らかだろう。
広島での今回の会議では、こうしたあれやこれやの問題に答えが出されなかった。それゆえ核兵器のない世界という夢の実現が、近づく事はなかった。
http://jp.sputniknews.com/opinion/20160411/1941295.html
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ケリー国務長官 米国による広島と長崎への原爆投下に対して謝罪せず[スプートニク日本語]
2016年04月11日 15:07(アップデート 2016年04月11日 17:25)
11日に広島の平和記念公園を初めて訪れたケリー米国務長官は、米国による日本の都市への原爆投下に対して謝罪しなかった。AP通信が報じた。
広島では、G7外相会合が開かれており、11日には核軍縮を呼びかける「広島宣言」が承認される予定。日本の岸田外相は、テロ対策、海洋安全保障、朝鮮半島やウクライナならびに中東情勢に関連した問題も議題となると伝えた。
ケリー国務長官は、1945年の米国による原爆投下後に初めて広島を訪れた米政府を代表する初の高官となった。
広島への原爆投下では、およそ14万人が犠牲となった。
またケリー長官の広島訪問の意向は、オバマ米大統領が任期終了までに広島を訪問する可能性があるとのマスコミの噂をかきたてた。
広島と長崎の両当局は、何十年にもわたって核兵器の恐怖と無慈悲さを米大統領が自分の目で評価するために両都市を訪れるよう訴えているが、いずれの試みも失敗に終わっている。
http://jp.sputniknews.com/politics/20160411/1938381.html
- オバマ大統領の被爆地訪問を阻む米国の世論と現実的な壁 あっしら 2016/4/13 05:24:21
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