http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/203.html
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米ニューヨークで開かれたファッションショーを訪れたドナルド・トランプ氏とメラニア夫人(2010年9月15日撮影)〔AFPBB News〕
米大統領予備選、後半戦の争点は下半身へ 実は女の敵だったヒラリー、女性問題で自爆するトランプ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46464
2016.4.1 高濱 賛 JBpress
■政策論争そっちのけの「女を巡る泥仕合い」
日米安保条約改定から日本核武装是認まで言い出した外交超オンチの不動産王ドナルド・トランプ米共和党大統領候補(69)。
「戦後の国際秩序の根幹をひっくり返そうとする前代未聞の大統領候補」(米国務省OB)に日本も世界も唖然としている最中、今度は政策論争など棚上げして、急追するテッド・クルーズ上院議員(45)と女性関係を巡る泥仕合を演じ始めた。
実は、トランプ氏の女性遍歴話、「いつ出てくるかいつ出るかと固唾を飲んで待っていた」(筆者の家の隣に住む退役海兵隊少尉)と言う米国人は多い。
初婚はチェコ人のモデルとの結婚そして離婚、米国人女優との結婚、そして離婚を繰り返してきたトランプ氏。今の夫人は3番目でスロベニア出身の元モデル。
共和党大統領候補のトップランナーになったのだから米メディアがトランプ氏のプライベートな結婚・離婚歴に一切触れてこなかった方がむしろ不自然ではなかったのか。
■「次期大統領夫人」の若かりし頃のヌード写真漏洩
トランプ氏の現夫人に関する「パンドラの箱」をひっくり返したのは、メディアではなく、クルーズ氏を支援する政治活動団体(スーパーPAC)の「Make America Awesome」(かっこいいアメリカ創造の会)だった。
The Clintons' War on Women By Roger Stone Skyhorse Publishing, 2015
現夫人メラニアさん(45)のかってのヌード写真を政治広告で流したのだ。トランプ氏と結婚する前の2000年、当時29歳の時に男性雑誌に掲載されたヌード写真2枚だ。
1枚はドル紙幣がびっしりと詰まった(と思われる)スーツケースをチェーンでしっかりと左腕に巻きつけた半裸の写真。自家用機の中でポーズを取るサングラスの女性は若き日のメラニアさんに間違いない。もう1枚は全裸でうつ向けになっている写真(参照1、2)。
キャプションは、「Meet Melania Trump, your next first lady. Or, you could support Ted Cruz Tuesday」(ご紹介します。あなたの次期ファースト・レディのメラニア・トランプさんです。あるいは、火曜日の予備選にはテッド・クルーズに1票を投じることもできますよ。
怒り狂ったトランプ氏はツィッターで「嘘つきクルーズよ、あんたの奥さん(ハイディ・クルーズ=43)の秘密をばらすぞ」と脅した(今までのところ、トランプ氏は「その秘密」をばらしてはいない)。
米サウスカロライナ州チャールストンで、選挙集会に出席したテッド・クルーズ氏とハイディ夫人(2016年2月19日撮影)〔AFPBB News〕
■才女を妻に持つクルーズの5人の愛人たち
クルーズ夫人は米投資銀行大手ゴールマン・サックスの投資マネージャ―を務めるキャリア・ウーマン。現在は夫の選挙応援のため休職中だが、クルーズ氏を陰で操る「第2のヒラリー」と言われる才女だ。
今回の選挙でもゴールマン・サックスから多額のカネを融通してもらっているとされる。
これに対してクルーズ氏は「やれるものならやってみろ」と反論。その直後、タブロイド紙「ナショナル・インクワイアー」は「クルーズには5人の愛人がいた」と実名こそ出さなかったが、大統領候補の下ネタに飛びついた。背後にトランプ氏の影がうごめいている。
■トランプは女性蔑視(Misogynistic)常習犯
トランプ氏の女性観はこれまでにも何度か物議を醸してきた。
雑誌インタビューで、共和党唯一の女性大統領候補だったカーリー・フィオリーナ氏の容姿を茶化したり、昨年8月公開討論会でトランプ氏に厳しい質問をしたフォックス・ニューズのメイガン・ケリーさんについて「体中に血が溢れていたんだろう」とあたかも生理日だったから情緒不安定だったとでも言いたげな発言をしたり・・・。
「あの男は女性蔑視(Misogynistic)常習犯なのよ」(シュルツ米民主党全国委員長)とあざ笑う女性民主党員も少なくない。
本選挙の有権者の半分は女性。女性に嫌われれば、トランプは民主党候補には勝ってこないという自信ありありの発言だ。
華やかな女性遍歴の中でトランプ氏にはセクハラ傾向が根強いことを多くの米国人は以前から気づいていた。米主要紙の政治コラムニストはクルーズ氏との舌戦について、筆者にこう解説してくれた。
「一度火のついた女性を巡るトランプとクルーズの言い争いはちょっとやそっとではけりがつかないだろう。トランプには女にかかわるスキャンダルがありすぎるからだ。その行き着く先は、トランプがこれまでいかに女性の尊厳を傷つけるような性的言動を繰り返してきたか、になる。トランプの致命傷だ」
「今回の大統領選がこれまでと違うのは、ひょっとするとヒラリーという史上初の女性大統領が誕生するかもしれない、ということだ」
「当然のことながら、そのヒラリーが本選挙で使う『矛』は自分が『Woman』であるということ。そして相手の攻撃から身を守る『盾』になるのも自分が『Woman』であるということ。セクハラ常習犯のトランプが本選挙に出てきてもまず勝ち目はない」
女性の尊厳を傷つけたり、差別したりする発言や行動のことを今米メディアは「War on Women」と呼んでいる。
■ケネディ暗殺やブッシュ家の内幕物を書いたベストセラー作家
ところがである。そのヒラリー・クリントン元国務長官と夫君ビル・クリントン元大統領による「War on Women」(女たちを標的にした戦争)を数々の事例を挙げて糾弾する本が出版されたのだ。それが本書である。
著者はこれまでにブッシュ家の「犯罪」やケネディ大統領暗殺の内幕物などキワモノを手がけてきた作家兼政治コンサルタント。著者が本書で暴いているクリントン夫妻による「War on Women」の具体的な実例はと言うと――。
ビル・クリントン氏の女癖の悪さは実習生だったモニカ・ルインスキーさんとの関係だけではなかった。
1993年秋、クリントン大統領(当時)が大統領執務室でボランティとしてホワイトハウスで働いていた人妻キャサリーン・ウィリーさんにセクハラ行為を働いていた。そして彼女が性的暴行を受けた直後、夫が自殺。
キャサリーンさんは一連の事実関係を別のセクハラ被害者ポーラ・ジョーンズさんの裁判で証言しようとした矢先、ヒラリー夫人が私立探偵を雇って彼女を脅迫したという。
脅迫はまず彼女が飼っていた犬や猫を殺して玄関口に放置する行為に始まり、子供たちや友人への脅迫、最後にはキャサリーンさんに対する直接の脅しにまでエスカレートしていった。
その後キャサリーンさんはビル・クリントン氏との関係を本で暴露しようとするや、それを察知したヒラリー氏に雇われた男が強盗が入り、本の原稿を持ち去るなど夫の不倫行為を隠蔽しようとするヒラリー氏の行為は徹底していたという。
その後この本は「Target: Caught in the Crosshairs of Bill & Hillary Clinton」というタイトルで発売されている。一連の隠ぺい工作を陰で操っていたのはヒラリー氏に間違いないと、本書の著者は結論づけている。
■「チェルシーはクリントンの実娘ではない」
著者は、クリントン家にまつわる「秘密」の数々を列挙している。
●ビル・クリントンが性的暴行を加えた女性に、ヒラリーは私立探偵と称する「怪しげな男」を雇って、尾行、監視、プライベート情報収集をさせ、それをネタに脅迫して、公けにしないようにさせていた女性は10人以上いた。
●ビル・クリントンがローズ奨学生として英オックスフォード大学に留学していたとき、当時19歳だったエミリー・ウェルストーンさんを強姦した。
●ヒラリーは友人アンソニー・ワイナーの奥さんで秘書のフーマ・アベディンさんと怪しげな関係にあった。
●ヒラリー夫妻はロリコン(小児性愛)容疑で起訴された男性と親しかった。
●世界の億万長者たちから「クリントン大統領図書館」は巨額の寄付を得ている。寄付者の中には未成年の少女たちを侍らしつつ酒池肉林を楽しむブルネイのスルタン(権力者)もいる。
●クリントン夫妻の娘チェルシーはビル・クリントンの実娘ではないことがDNA検査で明らかになっている。そのチェルシーは何度も整形手術を受けている。
●「クリントン財団」の理事を務めるチェルシーの「恐怖の統治」に同財団で働く人たちは恐れおののいている。
●ビル・クリントンはかって殺人事件に関わっていたほか、薬物常習リハビリを受けていた。また黒人女性との間にもうけた未認知の息子がいる。
本書に書かれたクリントン疑惑について、目下のところ、共和党系のメディアやソーシャル・メディアが取り上げているだけで、主要メディアは黙殺したままだ。
クリントン夫妻の「女たちを標的にした戦争」の過去を主要メディアがいつ取り上げるのか、それによる大統領選へのインパクトが出てくるのか――。冒頭に記した共和党サイドのトランプ氏とクルーズ氏の「下ネタ舌戦」の行方とともに目が離せない。
ヒラリー氏が国務長官当時、公私混同した電子メールを送受信し、国家機密がもれていたのではないかとする「メールゲート」疑惑の行方もまだ分からない。米連邦捜査局(FBI)が依然として捜査を打ち切っていないからだ。
史上初の女性大統領が誕生するかもしれない今回の歴史的な大統領選。その過程で女性の尊厳や人格を脅かすセクハラ問題が云々されるとは、皮肉なことではある。
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