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血液検査を中心にした一般的な健診では、血液の状態はわかっても、血管の状態まではわからない (※写真はイメージ)
定期健診「異常なし」でも心筋梗塞に… 40歳から受けたい「血管」検査〈dot.〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171024-00000050-sasahi-hlth
AERA dot. 10/29(日) 16:00配信
脳や心臓をはじめ、全身の臓器は血管でつながっています。血管の状態は、全身の健康を映す鏡のようなもの。実は、血管の老化はからだの老化そのものなのです。発売中の週刊朝日ムック「脳卒中と心臓病のいい病院」から、血管の働きを解説します。
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若く健康な血管はしなやかで弾力があります。しかし、老化が進むにつれて、異常に厚く硬く、もろくなっていきます。これが動脈硬化です。
動脈硬化が進み、厚く硬くなった血管をノックすると、カンカンと硬い机をたたいたような音がします。このような血管は、外科手術の際に器具で挟むと、もろく崩れてしまうこともあります。当然、血液を流すという本来の力が失われ、血液を全身に行き渡らせることが困難になります。
動脈硬化が進むと、血管壁が膨れて血液が流れる部分が狭くなっていき、やがて詰まってしまいます。これが脳の血管で起これば脳梗塞(こうそく)、心臓の血管で起これば心筋梗塞となるわけです。
このうち心筋梗塞は、いったん発症してしまうと、3分の1の人はその場で亡くなり、3分の1の人は命をとりとめても、日常生活に支障が出るようになり、元の生活に戻れるのは、せいぜい残りの3分の1の人といわれています。
動脈硬化そのものにはほとんど自覚症状はありません。「元気」なまま、いきなり心筋梗塞で命を落としたり、脳梗塞や下肢動脈閉塞を発症したりしてさまざまな障害を抱えた生活に陥るのです。
動脈硬化が招く突然死を防ぐには、少しでも若いうちから、血管の老化の進み具合、つまり血管年齢の現状を知り、生活習慣を見直すことが大切です。「年だから仕方がない」と思っていませんか? 実は、血管の若返りは何歳からでも可能です。
■定期健診では見えてこない血管の状態と病気のリスク
心筋梗塞で病院に運ばれた患者さんが、「定期健診では異常はなかったのに」と嘆くケースが後を絶ちません。血液検査を中心にした一般的な健診では、血液の状態はわかりますが、血管の状態まではわかりません。
自治体や職場の健診を定期的に受けることはもちろん重要ですので、ぜひ受け続けてください。ただし、それだけで安心し過ぎると、かえって命の危険を招きかねないことを忘れないでください。目安として40歳を過ぎたら、「血管」がわかる検査を受けることをおすすめします。
血管の老化を知り、異常や病変を見つけるためによくおこなわれているのは、PWV検査やABI検査、FMD検査、頸動脈超音波検査、CT検査、MRI検査です。
PWV検査では、血液が心臓から送り出されたときにできる「波」である脈波が、手や足に伝わる速度を測定します。弾力性がある動脈は脈波を吸収して速度が落ち、動脈硬化が進んでいると吸収されずに速くなります。
ABI値は上腕部と足首の血圧を比較して、本来、上腕部より高いはずの足首の血圧が低下していることで足の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)を見つけます。
一方、血管を守る物質であり、血管の内皮細胞が放出するNO(一酸化窒素)量を、血管拡張の程度をもとに測るのがFMD検査です。血管があまり拡張していないと、内皮細胞をはじめとする血管の老化が進んでいることになります。また、首の動脈である頸動脈は動脈硬化が起こりやすく、全身の血管の状態をよく反映することが知られています。この頸動脈の状態を超音波装置でチェックすると、血管壁の状態(厚さ、変性の有無など)がわかります。このほかCT検査やMRI検査なら、画像で血管の様子(狭窄[きょうさく]、閉塞、瘤[りゅう]形成など)をチェックできます。
(取材・文/近藤昭彦)
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