http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/643.html
Tweet |
抗がん剤を使わないほうが長生きになるケースも
75歳以上では抗がん剤未使用のほうが長生きというデータあり
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170729-00000011-pseven-life
週刊ポスト2017年8月4日号
薬と寿命の関係については長らく実証的なデータに乏しく、医薬界にとってはある種のタブーでもあった。しかし近年、“薬のやめどき”についての議論が高まるなか、世界中で、この禁断の関係についての研究が進んでいる。これは医師にとっては不都合な、しかし患者は絶対に知っておくべきデータである。
日本人の死因ナンバーワンであるがん。化学療法に用いられる抗がん剤は、手術後の再発を予防したり、手術できないがんの進行を遅らせたりする目的で投与される。長尾クリニックの長尾和宏医師の話。
「しかし、抗がん剤はがん細胞を破壊する一方で、健康な細胞まで傷つける“両刃の剣”です。免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬といった最新の薬は、“がん細胞だけを攻撃する”という触れ込みですが、実際に処方してみると医師の想像以上に患者は副作用に苦しめられる」
抗がん剤の服用を中断することで余命が延びたという報告がある。国立がん研究センターが2007年から2008年に中央病院を受診した末期がん患者の登録データを解析したところ、75歳未満の患者は抗がん剤を使用したほうが、未使用の患者より明らかに生存期間が長く、抗がん剤の効果が証明された。
ところが、75歳以上になると、抗がん剤を未使用の患者のほうが最大で半年長生きしたのである。特に末期がん患者だと、抗がん剤の使用が逆効果になることがある。長尾医師が指摘する。
「抗がん剤を服用できる患者の条件として『自力で通院できる』『食事ができる』など、全身状態が良好であることが求められます。これらを行なう体力がない場合、抗がん剤の副作用が薬効を上回り命を縮めます。
最後まで抗がん剤を使うことが最善の医療だと主張する医師も多いですが、患者は抗がん剤のデメリットを知って冷静に判断すべき」
投薬の量を減らすことが寿命延長に繋がると示唆する報告もある。マサチューセッツ総合病院のタメル医師らが10年に英医学誌『NEJM』に発表した報告によれば、早期の肺がん患者が「抗がん剤治療と緩和ケアを併用した治療」を受けたことで、中央値で11.6か月、最大で3年以上生存できたという。
「緩和ケアを行なったことにより抗がん剤投与の量を減らせたことが、寿命を延ばしたのではないかと推測されています」(医療経済ジャーナリストの室井一辰氏)
他の治療薬と組み合わせると死亡リスクが増す抗がん剤もある。『米国医師会雑誌』(JAMA)に掲載された論文によれば、がんの増殖や転移に関与する部分のみを攻撃する分子標的薬の「ベバシズマブ」と他の薬を併用すると、患者の死亡リスクが高まった。
1万人を超す乳がん患者や肺がん患者を対象にしたこの調査では、他の薬のみを服用した患者と比べて、ベバシズマブを併用した患者が致死的な副作用で死亡するリスクが33%高くなった。とくに「タキサン系薬剤」や「プラチナ系薬剤」をベバシズマブと併用すると最もリスクが増加した。
「薬同士が干渉し合って悪い症状が生まれることもあります。こうした併用の害も、長期間にわたって薬の効果を経過観察しないと見えてきません」(長尾医師)
一方でベバシズマブは、がん周辺における新しい血管の生産を遅らせる作用があり、日本では治癒切除が不可能な進行・再発の大腸がんに適応となる。効能と副作用のプラスマイナスを医師が適切に判断する必要のある薬といえる。
- がん免疫薬 見えてきた実像 「オプジーボ」登場3年 縮小報告相次ぐ:重大な副作用も:効果出る患者は全体の2割強 あっしら 2017/8/01 03:12:23
(0)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。