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“ただの骨折”が、寝たきりや認知症のリスクを高め、死亡に繋がることも。(※イメージ)
健康な骨は40代まで? 死のリスク高める“骨粗鬆症”のサイン〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170125-00000179-sasahi-hlth
週刊朝日 2017年2月3日号
世界でも群を抜く日本の高齢化。骨粗鬆症も深刻な問題のひとつだ。“ただの骨折”が、寝たきりや認知症のリスクを高め、死亡に繋がることも。生活改善による予防や初期治療が大切だが、骨折する前に気付くことはできるのか。骨粗鬆症について、鳥取大学医学部保健学科教授・萩野浩医師と沖本クリニック院長・沖本信和医師に聞いた。
Q:自覚症状はあるのでしょうか?
A:「骨粗鬆症に自覚症状はほとんどないと考えたほうがいいでしょう。患者さんによっては、背骨を骨折していても、痛みはあるが病院に行くほどではないと感じている人もいます。だから、自覚症状の有無では骨粗鬆症かどうかチェックできません。椎体のX線検査と骨密度の測定が必要です。
加齢とともに誰もが骨の強度が落ちるので、自覚症状がなくても検査を受け、自分がどの段階にいるのか、積極的な治療を受けるべきかどうかを確認すべきです。過去に骨折をした経験があるなら、検査を受けてください。
骨折以外での骨粗鬆症のサインとしては、『重いものを持つと腰が痛む』『立ち上がるときに腰が痛む』『起き上がるときに腰が痛む』『身長が縮んだ』『背中が曲がってきた』などがあります」(萩野医師)
Q:骨密度が高めなら骨粗鬆症を心配しなくてもいいですか?
A:「骨粗鬆症は、骨が脆く弱くなり骨折しやすくなった状態です。そして、骨折しやすくなった状態とは、骨密度と骨質の両方が関係しています。骨密度が高くても、糖尿病、慢性腎臓病、関節リウマチといった内科疾患があると骨質は低下します。
骨は骨吸収と骨形成を繰り返し、健康な骨を維持します。そのピークは一般的に40代までで、それ以降は骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨量が減っていきます。特に女性は閉経後、ホルモンバランスの関係から骨吸収のスピードが骨形成を上回り、60代以降で骨粗鬆症のリスクが高まります。内科的疾患がある人は、年齢が若くてもリスクを考えて検査を受けるべきでしょう。残念ながら健康保険適用の検査で骨質は調べられないので、骨密度をまずはチェックしてください。家系に骨粗鬆症の人がいる場合も、リスクが高くなります」(沖本医師)
Q:骨粗鬆症の薬は飲み続けるのですか?
A:「患者さんの状態によって異なるので一般論ですが、薬を何年か服用し、骨密度がよくなっていれば、薬の服用をいったんやめることがあります。ごくごく少数ですが、長期的に使うと、薬の影響による骨折を起こしやすくなるという副作用があるからです。ただし、すでに骨折がある人は治療は不可欠ですし、薬の服用で骨密度がよくならなければ、やはり薬の治療は継続しなくてはなりません。やめることで、デメリットがメリットを上回ります」(萩野医師)
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