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『低炭水化物の食事療法の是?非?』ディベートを拝聴して思うこと
投稿日 : 2017年1月24日 | 最終更新日時 : 2017年1月24日 | カテゴリー : 最新情報
『低炭水化物の食事療法の是?非?』ディベートを拝聴して思うこと
病態栄養学会3日目 コントラバシーの『低炭水化物の食事療法の是?非?』の江部康二先生と武田純先生のディベートを、京都まで見学に行ってきました。
江部先生は、40枚のスライドを時間通りにきちんとまとめて理路整然と本当にお見事でした。
一方の武田純先生は、私が3年前に岐阜の糖尿病妊娠学会においてポスターセッションの発表していた時に、学会会長でありながら、座長を無視して乱入して、「ケトン体は知能を低下させる」「こんな研究は倫理委員会にかけろ」と大騒ぎした岐阜大学の教授です。
私たちの発表は胎盤、臍帯血、妊婦のケトン体値が高いという発表であって、「ケトン体産生食を使った糖尿病治療という、最近の素晴らしい成果」を発表したわけではありません。
非難されるべきことではなく、この衝撃的事実をどう考えるかというべきものでした。
さらにこの時に、後ろで、糖尿病学会のある幹部は、「糖尿病の母親から生まれた子は知能が下がる」のだと、大きな声で騒いでおりました。
それは「ケトン体が高い母から生まれた子の知能発達が遅れるという例の論文」をうのみに言っていたのですが、それと妊婦がケトン体が高いということとはまったく意味が違うのです。
私に言わせれば、今までの糖尿病治療の結果生まれた子供にいろいろなハンディがあるとしたら、それは今までの治療の結果です。
責任はあなたたちの今の治療にあるのです。
しかも悪者にしているケトン体は、もともと高いのですから、なにもこれには、責任はないのです。
この事実はなぜかこの学会の幹部の方々には認めがたいことらしいのでした。
あの発表から3年経って、武田先生がどのくらい時代の進歩についてきているのかを興味深く見て参りました。
そうしましたら、驚くべきことに、彼は日本人の昭和20年代の栄養分析表を持ち出してきて炭水化物が80%だったのに糖尿病がなかったと話し始めました。
また刑務所の食事では糖尿病が少なかったというのです。
昭和20年代は平均寿命が世界の後進国だった時代です。
内容は、しらねのぞるばさんが詳細に検討しておられますが、低たんぱく質で、低脂肪で栄養失調があふれていて、結核や脚気で命を落とし、妊婦や新生児がたくさん亡くなっていた時代の栄養です。
その頃は、糖尿病が少なかったというのです。
その時代にどうやって血糖や尿糖が測れたというのでしょう。
当時の診断能力や有病率は、かなり怪しいものですが、多くの方は、糖尿病になる前に死んでいた時代です。
基本的な栄養が足らない時代をもとに、昔の食事が良かったというのは、到底私には総合的な判断とは思えません。
武田先生のスライドには自分の大学で、どんな風に自身の研究のおかげで、患者が良くなってきたかという臨床ようなものは全くありませんでした。
その後に彼があげたのは、つんく氏のおにぎりダイエットです。
なんと、これが良いと言うのです。
つんく氏がどんな病気と闘っているかを考えると、私は糖質は癌のエサということを思い浮かべてしまいます。
癌も戦後激増している病気だからです。
そしてホリエモンが刑務所で30キロ以上も減量したということで刑務所の食事を礼賛していました。
今の日本では、到底、実現できない、昭和20年代や、刑務所の栄養に、答えを求める事に私は心底驚きました。
当時の栄養を現代の病態栄養学会で推奨する事に何の意義があるのでしょう。
また武田先生は、日本食が世界で評価されていると喜び、絶賛しておられましたが、国民がすべて和食だった時代の平均寿命は50歳代です。
そのころは必須脂肪酸や必須アミノ酸が足らない食生活です。
武田先生の思考回路は70年前に戻ってしまったのでしょうか。
そういえば、何年か前に、私が糖質制限で良くなった糖尿病患者のことを発表していた時には、『お米と砂糖は同じ』と言ったら怒って、噛み付いてきた先生方が減り、今年の演題も糖質制限を肯定したものが増えているようです。
ここからも世間の流れが大きく変わっていることが伺えました。
江部先生のきっぱりとまとめられた、文句のつけようがない理論的な発表に比べて、武田先生は、正面からの戦いを避け、科学的根拠がない、現代の栄養学に何ら貢献できない、医学的臨床データーもない、低炭水化物食の非をとなえる雑談でありました。
江部康二先生、素晴らしい発表、ご苦労様でした。
http://ketontai.com/archives/2484
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