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食欲を抑制するサノレックスと、脂肪の吸収を抑えるゼニカル。ユナイテッドクリニックでは前者を14錠7000円(税込み)、後者を42カプセル1万3000円(同)で処方(撮影/写真部・岸本絢)
飲むだけでやせたきゃトイレは恐怖 ダイエット薬最前線〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161220-00000109-sasahi-life
AERA 2016年12月26日号
今日も元気だ、ビールがうまい。だけど気になる腹の肉。「○○さんがやせたって」。職場の噂が気にかかる。去年も言った気がするが、正月前に今年も言おう。「来年こそ、やせる!」(きっぱり)。「あなたの肥満はアレルギー?」「満腹中枢を手なずけろ!」「ブル中野さんが60キロやせたワケ」――本気でやせるコツを、AERAが真面目に大特集。
薄毛やEDにとどまることなく、今やダイエットも薬で対処できる時代。これで、無理な運動や食事制限ともおさらば……なんて考えるのは実は危険だ。ダイエットの薬には、少なからず副作用が存在する。だから、飲む前には、必ず注意が必要だ。今回は、実際に薬を使ったことのある人の体験談を紹介しながら、薬との上手な付き合い方を紹介する。
* * *
つらい食事制限や運動をしなくても、簡単にやせられる薬はないのか──。実は、ダイエットを目的とする「肥満症治療薬」は存在する。
日本で唯一、食欲抑制剤として承認されているのが「サノレックス」だ。ダイエット外来を併設する男性専門クリニック
「ユナイテッドクリニック」の細田淳英院長はこう解説する。
「サノレックスは脳の視床下部にある食欲中枢と満腹中枢に働きかけて、食欲を抑える薬です。空腹を感じにくくなり、少しの量でも満腹感を得られるようになります。新陳代謝を高める働きもあるので、高いダイエット効果が期待できます」
ダイエットの最大の敵である食欲を、飲むだけで抑えられるなんて、まるで夢のような薬ではないか!
「効果には個人差があり、10キロ近いダイエットに成功した例もありますが、まったく効かないという人もいます」
ただし、健康保険が適用できるのはBMIが35以上の重い肥満症の場合に限られる。BMI35といえば、身長171センチの人なら体重100キロ以上、158センチの人だと87キロを超えているような場合の数値で、「ちょっと体重が気になる」程度の人には程遠い数値だ。
●気分転換なくイライラ
もちろん、どんな薬もメリットばかりではない。
「アンフェタミン(覚醒剤)と似た化学構造を持っているので、依存性が高いという問題があります。長く続けると効き目が落ちるので、3カ月続けたら次の3カ月は必ず休薬する必要があります」
食欲抑制剤はサノレックスのほかに、海外で出回っている薬もあり、個人輸入などで入手する人もいる。実際に食欲抑制剤を飲んだことがあるというユウコさん(女性、42)は、その効き目についてこう振り返る。
「午前中に飲むと、お昼になってもおなかが空かないのでランチを抜いても平気。夜は子どもと一緒なので一応食べますが、普段の半分ぐらいで十分」
産後、増えたままの56キロの体重はわずか1週間で54キロを切ったが、ユウコさんはそこで飲むのをやめてしまった。
「一日デスクワークをしているので、ランチを抜くと気分転換の機会がなくてイライラしてくる。おなかは空かないけど、食べる楽しみがないと張り合いがないんです。本気を出せばこの薬でやせられそうだということはわかったので、いざという時に飲めばいいかなと思って」
努力がいらないはずの「やせ薬」なのに、本気を出さないと続けられないとは。ちなみに、飲むのをやめたら体重はあっという間に元に戻り、「いざという時」はまだやってこないという。
●べっとり脂が便器に
一方、食欲ではなく吸収に働きかける薬もある。日本では未承認だが、海外では普及している「ゼニカル」という薬だ。
「消化管で脂肪の吸収を助けるリパーゼという消化酵素の働きを阻害する薬で、服用すると摂取した脂肪の3割が吸収されずに便と一緒に排出されます」
細田医師によると、430人の男女を対象にした調査で、4週間で平均4.1%の体重減少がみられ、4人中3人が3カ月で平均8キロのダイエットに成功したという結果が報告されているという。
サノレックスのように依存性はないため、比較的安全に飲める薬だというが、日常生活に支障を及ぼしかねない「副作用」があるという。
実際にゼニカルを服用した自営業のヒロシさん(男性、43)は、その体験をこう語る。
「大便といっしょに大量の脂が出るので、『すごい効果だ!』と感激しました。でも、トイレを流してもラー油のような脂が便器にベットリとこびりついたまま。それを見たヨメに『急にこんなおかしなウンチが出るなんて、絶対悪い病気よ!』と大騒ぎされました」
さらにヒロシさんを困惑させたのが、ゼニカルの副作用である「便失禁」である。思いがけないときに、脂混じりの水様便が少量出てしまうというのだ。
「こっそりオナラをしたときや、重いものを持ったりくしゃみをしたりしても出ることがあって、そのたびに冷や汗が出ました」
下着を通り越してズボンにまで染み出す量で、外出時は念のため着替えを持参したという。しかも、下着やズボンについたシミは洗濯しても漂白してもきれいにならず、ズボンを何枚もダメにしてしまった。
それでも、100キロ近かった体重は2カ月で5キロ落ちたという。「この薬があるから食べても大丈夫」という安心感で、この期間は大好物の焼き肉やしゃぶしゃぶを思う存分食べていたとか。
●男性も生理用ナプキン
こんなにすごい効果を実感したにもかかわらず、ヒロシさんは服用をやめてしまった。
「漏らすのも不安だし、汚れたトイレをそのままにしておくとヨメに怒られるのでその都度掃除するのが面倒で。何より、外出先のトイレは個室に掃除道具も置いてないし、汚したトイレを人に見られないかハラハラしながら逃げるのが嫌になってしまいました」
細田医師は「便失禁対策」についてこう解説する。
「慣れるとある程度コントロールできるようになりますが、患者さんにはあらかじめお尻にティッシュを当てておいたり、男性でも生理用ナプキンを利用したりするよう勧めています」
ちなみに、ゼニカルは脂肪の吸収を抑えることで体重減少が期待できる薬なので、普段から脂っこい料理をあまり食べない人には効果がないという。
ゼニカルと同じリパーゼ阻害剤としては、武田薬品が「オブリーン」という薬を開発し、2013年に製造販売承認を得たが、中央社会保険医療協議会が薬価収載を見送った経緯があり、販売にいたっていない。
海外の食欲抑制剤やゼニカルを個人輸入サイトなどを通して入手する人もいるが、偽物も出回っており、安易な利用は危険を伴うことも肝に銘じておきたい。
これらの薬に抵抗がある人には、薬局やドラッグストアで入手できるOTC医薬品という選択肢もある。「コッコアポEX錠」(クラシエ薬品)、「ナイシトール」(小林製薬)、「新・ロート防風通聖散錠満量」(ロート製薬)などの主成分である防風通聖散は、脂質の代謝を促し、余分な脂肪を減らす効果がある。
「漢方は効果がマイルドで副作用も少なく、肥満症の方でなくても安心して飲んでいただけます」(クラシエ薬品担当者)
●あくまでサポート役
肝心の効果はどうなのか。
「弊社で17人の成人女性に服用してもらうテストを行ったところ、3カ月の服用で約65%の人に体重減少がみられ、約35%の人は4キロ以上体重が減ったという結果が出ました」(同)
ただし、漢方には体質との相性があるため、まずは1週間程度試しに飲んでみるのがオススメだとか。体質に合っていれば便通改善や食欲の抑制といった効果が実感できるという。
「食事の改善や運動を併用すると、より効果が実感しやすくなります」(同)
「やせ薬」であっても、食事制限や運動からは逃れられないのか。前出の細田医師は最後にこうアドバイスする。
「薬はあくまでもダイエットの導入やサポートと考えるべきで、薬だけに頼っていては服用をやめると元に戻ってしまいます。薬の力を借りてドカ食いや大食いの習慣を改め、減った体重を維持できる生活習慣を身につけるのが重要です」(文中カタカナ名は仮名)
(ライター・森田悦子)
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