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最新カテーテル治療とは?(※イメージ)
留置して3年で溶ける!? 最新カテーテル治療〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161216-00000258-sasahi-hlth
週刊朝日 2016年12月23日号より抜粋
狭心症・心筋梗塞へのカテーテル治療では、血管が詰まらないように金属製のステントを留置するのが一般的だ。そのステントの進歩は目覚ましく、2016年11月には「溶けるステント」が承認された。
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心臓が正常にはたらくには、3本ある冠動脈を通して心臓の筋肉(心筋)に血液が行きわたり、酸素と栄養が十分に供給されることが必須条件となる。しかし長年の高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などにより冠動脈内側の細胞が傷つくと、傷を修復するためにプラークと呼ばれるかさぶたのようなものができる。
こうして冠動脈の内径が狭くなり、血流が妨げられて胸痛などの症状を起こした状態を狭心症、プラークが破れてできた血栓が冠動脈を完全にふさいだ状態を心筋梗塞という。
急性心筋梗塞を発症して冠動脈が3本とも詰まると、血流がとだえてしまう。40分ほどで心筋が壊死し始め、6〜24時間で生命に危険がおよぶ。
狭心症・心筋梗塞の治療法には、カテーテル治療(PCI)と冠動脈バイパス手術(CABG)がある。通常、PCIでは足の付け根や手首の血管から冠動脈の病変部までカテーテルを挿入し、風船で拡張したあと、折りたたんだ網目状の金属製チューブを広げて留置する「ステント留置術」がおこなわれる。
金属製のステントはずっと冠動脈内に残るが、2016年11月、初の「溶けるステント」が製造販売承認を取得した。正式には、生体吸収性冠動脈ステント「アブゾーブGT1(一般名・BVS)」と呼ばれ、手術用縫合糸に使われる生体吸収性ポリマーでつくられたもの。留置して約3年間、炎症を抑える薬剤を放出しながら病変部を拡張したあとは、分解されて体内に吸収される。
BVSの治験に参加した湘南鎌倉総合病院循環器科部長の齋藤滋医師は、このステントが開発された背景を次のように解説する。
「金属製のステントがいつまでも冠動脈内に残ると、再発時にCABGができなかったり画像診断の妨げになったりすることがあります。また、金属が冠動脈の内腔に露出し続ければ、血栓症を起こす可能性もあります。これを防ぐため、患者さんは2種類の抗血小板薬をステントが冠動脈内膜に覆われるまで服用し続けなくてはいけませんが、この期間は最低でも半年から1年といわれています」
00年代に入って金属製のステントにコーティングされた合成樹脂(ポリマー)から炎症を抑える薬剤が染み出る「薬剤溶出ステント(DES)」が登場した。これにより、金属むき出しのステントが使われていた時代に多かった術後早期の再狭窄や血栓症は減少した。
しかし、ポリマーも生体にとっては異物であり、DESを長期間留置すると慢性的な炎症により再狭窄や血栓症をきたすことがわかった。最近ではDESの改良が進み、こうした合併症が少なくなったとはいえ、ゼロになったわけではない。
「BVSは、DESに残された課題を一挙に克服する『夢のデバイス(器具)』としての期待を担って開発されました。しかし、国内外の臨床試験の結果、留置後1年目の有用性はDESに劣らないものの、2年目以降はやや劣るという結果が示されています」(齋藤医師)
その原因として、(1)BVSは強度を維持するためDESの2倍程度の厚みがあり、血流が妨げられる可能性がある、(2)DESに比べ柔軟性に欠ける、(3)溶け方に個人差があり、長期間拡張を維持できる保証がない、といったことが考えられている。また、日本人には冠動脈がけいれんして起こる冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症が多く、強度を維持できるかどうかも不安が残るという。
齋藤医師はBVSを安全かつ有効に使用できる患者の条件として、慢性期の狭心症・心筋梗塞で病変のある冠動脈は2本まで、冠攣縮性狭心症の既往がないことを挙げた。(ライター・小池雄介)
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