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間違った医療情報にだまされないためには…(イメージ)
間違った医療情報にだまされるな! 専門家が教える“ヘルスリテラシー“を磨く方法〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161208-00000246-sasahi-soci
週刊朝日 2016年10月14日号
自分や家族が病気になると、なぜ病になったのかと考え込み、これから病とどうつきあっていくかなど、様々な悩みが出てきます。
闘病記の本やブログを読むと自らの悩みがすでに言葉になっていて、病気を受け止める際の参考になる。孤独感や悲観的な思いは自分だけのものではなく、ほかの患者も同じ悩みを抱え、乗り越えたとわかります。
私は亡き父ががんになったとき、主治医から選択肢として示された抗がん剤治療で迷いました。ほかの人がどう考えたかを知りたくてネットを見ると、患者や家族によるその治療法の体験談が数多くあった。読むと自然に胸のつかえがとれ、患者の経験・語り(ナラティブ)の力を感じました。
病気は、医療の立場からは客観的なものでも、患者や家族の立場からは主観的・個人的なもの。医師の診断を患者がどう受け止め、どう治療していくかで生活の仕方や生き方が変わる。「患者中心の医療」が叫ばれ、患者が手術や投薬などで自らの思いや希望を問われる場面も増えています。
医療の世界では、こうしたナラティブをもっと生かそうという考え(NBM)があります。エビデンスと呼ばれる、科学的根拠に基づく医療(EBM)が1990年ごろから提唱されましたが、近年はNBMも重要だと言われる。思いや考えを共有すると、医師と患者のコミュニケーションがよくなり、質の高い医療に結びつくことが報告されています。
新聞、テレビ、雑誌、ネットに様々な体験談や医療情報があふれ、患者や家族は簡単に数多く接する時代です。そこで、こうした情報をいかに探し、理解、評価、活用するかが重要になっています。ヘルスリテラシーと呼ばれ、健康のために適切に意思決定できる能力を意味します。
リテラシーが低いと、病気の兆候に気づかない、慢性疾患を管理しにくい、医師へ自らの病状や悩みをうまく伝えられない、健康診断など予防サービスを使わない、といったことになりがちです。リテラシーが高ければ、情報を正確に理解し、健康的な行動を習慣づけやすくなります。
欧米では、ヘルスリテラシー向上の教育プログラムを持つ国もある。多くの先進国は国立医学図書館を持ち、市民向けの情報提供もしている。日本はこうした図書館を持たず、「雨降り保健」との言葉のように、学校でも体や健康について十分に学ばない環境でした。
リテラシーを高めるには、情報をうのみにせず、「い・な・か・も・ち」の意識で接することが大切です。いつ、何のために、書いた人は誰で、元ネタ(根拠)は何で、違う情報と比べたか。都合のよい声ばかりを伝えたり、実は宣伝目的だったりと、検証が必要な医療情報は数多くあります。
専門家とつながりを求めることも有効です。自治体や健康保険組合の健康相談などを利用すると、自分の判断について専門家の意見を聴ける。図書館は専門情報の入り口になります。
ヘルスリテラシーは「健康を決める力」と言えます。家族、学校、職場、地域などで、高める工夫を重ねるべきだと考えています。
【中山和弘】
聖路加国際大教授(保健医療社会学・看護情報学)。1992年東大大学院保健学専攻修了、2004年から現職。ヘルスリテラシーの解説サイト「健康を決める力」を運営する。
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