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元国立がんセンター病院長の本音「確かにダメな外科医が多すぎます」 日本の医療はどこが歪んでいるのか?(週刊現代)
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/349.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 12 日 09:16:35: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


元国立がんセンター病院長の本音「確かにダメな外科医が多すぎます」 日本の医療はどこが歪んでいるのか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49812
2016.10.12 週刊現代  :現代ビジネス


年に10回しか手術しない医者が「がんの専門医」に認定される。そんな医者の技術が信用できるはずがない。

薬漬けの医療にあいつぐ手術の事故。日本の病院はどこに「歪み」があるのか? がん手術の大家・土屋了介氏と医療経済の専門家・松山幸弘氏がホンネで語り合った。


■医者をチェックする仕組みがない

松山 医療費の膨張が止まるところを知りません。9月13日に厚生労働省が発表した'15年度の日本の医療費は41・5兆円。前年度比3・8%増で、13年連続過去最高を記録しています。

土屋 高齢化や医療技術の高度化で医療費が高くなっていくのは、ある程度、仕方がないことです。しかし、なかには「週刊現代」がくり返し指摘しているように、無駄な医療があることも確かでしょう。

もちろん、医療というものは本来有益なものです。しかし、現代の日本ではそれが必ずしもうまく機能していない側面もあり、無駄も多い。

松山 何が有益で何が無駄な医療であるかを判断するのは、非常に難しい問題です。

土屋 とりわけ日本ではそうです。「この手術や薬は科学的に効果があると認められるべきかどうか」という医療の線引きが曖昧だからです。

本来そのような線引きは、専門知識を持つ医者たちが科学的見地から行うべきですが、日本では中医協(中央社会保険医療協議会、健康保険制度や診療報酬改定などの審議を行う厚労省の諮問機関)や先進医療会議などで、官僚や一般民間人、経済学者も交じって行うのです。科学的な線引きが「素人目線」で行われているのです。

松山 医療の現場でも日本では「評価」が行われていません。患者が受けた治療が良いものだったかどうかを判断するのは、日本の場合は主治医一人に任されてしまいがちです。客観的な視点が欠けている。

土屋 私が理事を務めているがん研究会有明病院では、「チーム医療」を積極的に進めていますが、アメリカに比べるとまだ十分ではありません。そもそも日本全体では、このようなチーム医療を行っているところはほとんどない。

複数の医者とともに看護師や薬剤師、技師が一緒に判断し、治療を行うのがチーム医療の本質です。しかし、日本は医者に比べて他の職種の権限が弱く、チェック機能が働かないのです。

とりわけ大学病院はそうです。腹腔鏡手術の失敗で、多数の死者が出た群馬大学医学部がその典型でしょう。



■大学病院が抱える大問題

松山 大学病院のシステムは本当にひどいですよ。私も殺されかけたことがあります。

30年ほど前、当時勤めていた会社の診療所の所長に言われて、しぶしぶ大学病院で胃カメラの検査を受けました。「異状なし」と言われて、家に帰ったその夜、全身痙攣を起こしたんです。膵液が逆流し、急性膵炎になってしまって。

言葉に表せないほどの激痛でした。若い医者でしたが、私の内臓を胃カメラの練習台にしていたんですよ。

土屋 おそらく膵管のところをいじってしまったんですね。

松山 結局、救急車で運ばれて3日間も昏睡状態でした。あとで会社の診療所長に文句を言ったら、「大学病院は危ないところだから、担当医にちゃんと胃カメラの経験が豊富なのか確かめなかったお前が悪い」と逆に怒られました。

土屋 大学病院という組織が抱えている問題は山のようにありますが、いちばん大きな問題はガバナンス(組織の統治)の問題です。

たとえば先ほども出た群馬大のケース。腹腔鏡手術をやりたがる医者がいた場合、それをやらせても安全かどうか判断するのがガバナンスです。

私は群馬大のケースでも、手術を失敗した医者だけに責任を取らせるのは間違っていたと思います。本来、手術を行わせていた学長は「現場は悪くない」と、医者を守るべき立場にあるはずです。問題になった医者は使命感に燃えて手術をしたのかもしれない。腹腔鏡という技術のメリットを信じてもいたのでしょう。だが、腕が悪かった。

そのような医者に野放しで腹腔鏡手術をさせたのは病院のガバナンスがいい加減だったからです。

松山 アメリカの場合は、病院のリスク管理も徹底している。NASAの専門家を呼んできて、宇宙工学のレベルでリスク管理を行っているところもあるくらいです。

事故が起きたら責任は一義的には医療機関が取って、医者を守る。その代わり、医療チーム全員で診療内容をチェックして無駄で危険な治療は絶対行わせないような仕組みになっているのです。

土屋 もちろん、技術力の高い医者を育てることも大切です。しかし、いまの日本の制度ではなかなかそれが難しい。なぜなら、きちんとした専門医制度が確立していないからです。

私の専門である肺がんを例にとりましょう。

肺がんの手術は年に約3万件行われています。外科医が技術を向上・維持するためには、できるだけたくさん手術を経験することが肝要です。理想的には毎日1度は手術をしたほうがいい。そう考えると年間300例くらいは、1人の医者が執刀することになる。

すると、3万件の手術を行うのに必要な医者の数は100人程度です。逆にいえば、肺がんの専門医はこれ以上必要ない。外科医が現役で手術を行う年数が20年として、毎年5人ずつ専門医を育成していけばそれで済むわけです。

松山 実際には、肺がんの専門医は何人くらいいるのでしょう?

土屋 それが1000人もいるのです。15年前には1500人もいました。これは5年以内に50の症例をこなせば、専門医に認定されるという制度になっているからです。5年で50例といえば、年に10例、月に1例もないのですよ。

このような制度では技術の質を保証できるわけがありませんし、そんな医者を「専門医」とは呼べません。

大工だって毎日釘を打っているから、正確に打てるようになるんです。月に一度しか金槌を持たない大工を信用できますか? ましてや外科医は人様の身体を切る仕事ですよ。

松山 専門医制度も含めて、いろいろな改革が必要ですね。

とりわけ大学病院の組織改革は重要です。まず病院を大学から分離するべきでしょう。経営感覚のない医学部の教授が口を出す結果、医療ニーズとミスマッチの過剰投資を続けている。病院を分離することでまともな経営体に変革し、医学部は基礎研究や若い医者のための教育に専念する仕組みにすべきです。

土屋 私も同じ意見です。基礎研究をやっていて、実験室にこもっている教授たちが病院長を選ぶというのはおかしい。

基礎研究は学部でやればいいが、臨床研究は病院でなければできませんので、大学病院でする。ただし、臨床研究をしっかり行うような病院は全国で10ヵ所もあれば十分です。

松山 医療技術を集積することが、これからの日本の医療には必要になってきますね。高度な手術は一部の病院で行うべきです。

そのためには、日本の医療事業体の規模はまだまだ小さすぎます。世界的に見れば年間1000億円レベルの売り上げがあって、初めて世界標準の医療事業体といえます。

土屋 日本でトップレベルのがん病院であるがん研ですら売り上げは350億円くらいですからね。

患者さんは病院の売り上げと医療の質は関係ないだろうと考えるかもしれませんが、そんなことはありません。

たとえば、CTやMRIといった機器を動かすのにも、日本だと1日8時間くらいしか稼働していない。アメリカではきちんと交代制ができていて機械が16時間動いているから、無駄が少ない。


■薬の量が減らない理由

松山 アメリカでは高度医療の集中化が進んでいます。ピッツバーグで地域包括ケアを行う医療事業体は1兆4000億円規模の売り上げがあり、世界中から専門家が集まって、議論をしながら最新の医療を行っている。

また、医療の質やコストを比較して公表することは欧米諸国で当たり前になっています。たとえば、オーストラリアの公立病院は、州政府がインターネットで成績表を公開しています。予定外の再入院の発生率、ベッドから落ちて骨折したケースの発生率など、様々な公開情報を見て病院を選ぶことができるのです。

土屋 それはすごいシステムですね。

日本では、診療報酬の制度も改められるべきでしょう。「週刊現代」が特集しているように薬の飲みすぎが社会問題になっていますが、これは医者が患者に「本当に薬が必要かどうか」をゆっくり諭しても報われないからです。30分かけて「薬を飲むよりも食事や運動が大切だ」と説いて聞かせたとしても、診療報酬が増えるわけではない。

松山 薬の飲みすぎが起きるのは、患者がどのような医療を受けているのか、一元管理できていないからという面もあります。

5年前に取材したアメリカの例では、医師と保険会社がチームを組み、医療費の削減に取り組んでいました。保険会社が患者たちの受診歴、投薬歴などの情報を医師に提供し、患者が病院に来るのを待つのではなく、逆に医師が受診すべき患者を指名します。この疾病管理と予防の結果、医療費が節約できたら、医師に報酬を支払うのです。

医療費を抑制したら医療の質が落ちるとは限りません。長野県がいい例です。長野県は医療費が低い一方で県民の平均寿命、高齢者の健康寿命が日本一になっています。

土屋 無駄な薬や医療をなくすには患者自身の意識も変えなければならない。その薬が本当に必要かどうか、自分の身体に問いかけてみる。

私はいま高血圧の薬と、以前十二指腸潰瘍をやったので腸の薬を飲んでいます。コレステロールが高いからといって薬を出されたこともありましたが、次の検診で数値が下がっていたので、その薬はやめました。

薬を信用しすぎないで、本当に必要な薬はなにか自分で考えることが大切なのです。


つちや・りょうすけ/'46年生まれ。神奈川県立病院機構理事長、がん研究会理事。専門は胸部外科学(とくに進行肺がんの手術)。医療教育、医療制度に造詣が深い
まつやま・ゆきひろ/'53年生まれ。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・経済学博士。社会保障審議会福祉部会委員。専門は社会保障制度改革の国際比較、医療産業政策


「週刊現代」2016年10月8日号より



 

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