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2035年までのロードマップ(厚生労働省「保健医療2035」をもとに作成)
これからの医師は“病気を治す”だけではやっていけない? AI時代の医療とは〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160908-00000244-sasahi-sci
dot. 9月11日(日)7時0分配信
現在、医学部を目指すみなさんが働き盛りの医師になっているのが2035年だ。そのころの医療や医師は、今とは全く異なった姿になっているだろう。今後、医師と人工知能(AI)が協働していく中で、医療システムはどのように変わっていくのだろうか? これからの医療のあり方を、週刊朝日ムック「医学部に入る2017」で探った。
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厚生労働省は昨年、2035年の日本の医療システムのビジョンとそれまでのロードマップを示した「保健医療2035」を作成した。
たとえば、17年に医学部に入学し、23年に卒業して医師になると、35年には中堅の働き盛りの医師になっているだろう。
「保健医療2035」を作成する会議の座長を務めた東京大学大学院医学系研究科の渋谷健司教授は、「2035年の日本の医療は、今とは激変している」と指摘し、こうも言う。
「大きな変化は3点。ひとつは、テクノロジーです。人工知能を含めて日常の医療のやり方が変わります。もうひとつは、医師の役割が医療という枠組みから、社会の中に拡大していきます。最後に、グローバル化。国内外問わず活躍する医師が求められます。日本の医療はこれまで50年以上公的制度の枠組みの中で規定されてきましたが、それが大きく変わります」
医師の仕事というと、病院や診療所での診療をイメージするだろう。一方、これからの医師の仕事の場は介護施設、在宅医療とより地域に広がっていくという。
病院中心の医療から地域へ拡がっていく動きは、すでに始まっている。団塊の世代が75歳以上になる25年に向けて、在宅医療や介護などを住み慣れた地域で受ける医療体制である「地域包括ケアシステム」の整備を厚労省は進めている。また、病院は、25年には「高度急性期」「一般急性期」「長期療養」などと機能ごとに分けられ、介護施設や在宅サービスなどと連携を図っていくことが求められている。
それに伴い、医療保険制度も変わってくるだろうと、野村総合研究所ヘルスケア担当部長の山田謙次さんは指摘する。
「医療保険は、高度な医療技術を扱う『急性期医療保険』と、日常の県境管理からプライマリーケア、在宅器量や介護までを担う『地域包括ケア保険』に分かれていくべきではないでしょうか」
広がるのは、医療機関から地域といった範囲だけではない。「医療」が指す領域もまた変わっていくだろう。
これまで「病気になったら病院へ行く」と考えていたものが、「普段から健康を守る」というヘルスケアや予防がより重要になっていく。高齢者の多くが何らかの病気を持ちながら生きていくことを支えるケアも「医師が担う仕事になっていく」と、渋谷教授は言う。
「コミュニケーション能力は、今以上に重要になります。成績がいいというだけで医師になると苦労します。また、医師は、病院内だけでなく地域やコミュニティの中で健康をケアするためのリーダー的な位置づけになるでしょう。そのためには、経営者のようなマネジメントの能力も必要になります」(渋谷教授)
これまでは専門的な知識が重視された医師だが、知識やデータは人工知能といった情報技術が担い、人の医師はそれらをいかにうまく使いこなせるかがより重要になるというのだ。
国立病院機構東京医療センター臨床研修科の尾藤誠司・医長は言う。
「これまでは、『病気を治す』のが医師でしたが、『成果を変える』のが大きな役割になります。医師の専門家としての位置付けは変わりませんが、専門知識を持っているというだけではやっていけません。専門家として経験値や暗黙知として培われてきた価値観や態度、クライアントとの関係性がより重要になっていくでしょう」
医師は「一生が勉強」とよく言われる。これからの医師はそれだけでなく、課題解決につなげるために常に深く考え続け、患者や地域の人たち、医療関係者らとコミュニケーションをうまく取ることがより求められるようになりそうだ。(編集部・長倉克枝)
※週刊朝日ムック『医学部に入る 2017』より
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