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本当は必要ないのに「儲かるから」医者がやりたがる手術一覧 腹腔鏡手術、脳の動脈瘤、胃の全摘、肺の切除、膝の人工関節ほか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49371
2016年08月09日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
■勝手に「切っておきました」
「外科医とは、メスを使いたい、手術をしたくて仕方ない、そうでないと仕事をした気にならない人々なのです。だから、すぐに『切りましょう』『摘出しましょう』と言い出す。しかし、患者さんにはその手術が本当に必要かどうか分からないし、その医者の技量がどの程度かも分かりません」(都内の総合病院に勤める外科医)
医者は「切った後」のことまでは面倒を見ない。それどころか、患者にきちんと説明もせず、「カネのため」に勝手な手術をする医者もいる。
都内で開業するクリニックの院長が言う。
「内視鏡で大腸の検査をするだけのつもりだったのに、『悪性のポリープがあったので切っておきました』と後から言われ、高額な費用を請求されたというケースは少なくありません。
また、『最近、腹腔鏡手術は医療事故の報道が多くて不安なので、開腹手術にしてほしい』と訴えたところ、『なに理屈に合わないことを言ってるんですか』『すぐ終わるし、いいことずくめじゃないですか』と聞く耳をもってもらえない、といった事例も耳にしています」
患者の了解を十分に得ないまま、費用がかかる手術にあえて踏み切る病院や医師は、われわれが思っているよりもずっと多い。一端が、今年6月に千葉県がんセンターで発覚した、19億円もの「医療費不正請求」事件だ。
同センターでは、'09~'14年の5年間の全診療報酬請求約43万件のうち、半数を超える約22万4000件が、不正請求であることが分かった。本来は保険適用外となる一部の腹腔鏡手術を、診療報酬が申請できるとして請求していたケースも多数見つかった。
要するに、患者に「保険が利きますから」と言って高額な手術をどんどん行い、国から不正に医療費をせしめていたということだ。
医師の給料や病院の運営費は、ひとつひとつの治療・手術につけられた「点数」に応じて支払われる診療報酬でまかなわれている。
例えば、がんで胃を全摘する場合の「点数」は6万9840点で、1点=10円で換算されるので、総費用は69万8400円。さらに、同じ手術を腹腔鏡で行った場合の点数は8万3090点で、病院には83万900円が入る。腹腔鏡手術のほうが、約14万円儲かるわけだ。入院費や薬の費用などを含めると、いずれも100万~200万円ほどが病院に支払われることになる。
日本の医療費は年間40兆円を超え、国費を圧迫している。もし医師や病院が、自分たちの儲けのために高額な手術を患者に勧め、その結果として医療費が増えているのだとしたら、「税金を食い物にしている」と非難されても仕方がない。
関西の大学病院に勤める脳神経外科医が話す。
「他の病院で脳動脈瘤が見つかり、医者に『このままでは血管が破裂し、くも膜下出血になる。早めに手術して処置しなければ』と言われて手術に踏み切った患者さんが、よく『手術しないほうがよかった』と相談に来るのです。話を聞くと、手術して以来、手足がしびれるとか、ろれつが回らなくなったと言う。おそらく手術で神経に傷がついてしまったのでしょう」
脳動脈瘤のクリッピング手術は、1ヵ所行うと手術費だけで82万7300円の費用がかかる。血管に金属製のコイルを詰めるコイル塞栓術の場合も、ほぼ同額だ。患者の自己負担額は20万円ほどだが、医師に勧められるがまま、頭にメスを入れると、支払った金額以上の「高い買い物」になりかねない。
「私も脳動脈瘤の患者をたくさん診てきましたが、実は破裂して亡くなったという方はほとんどいません。統計的にも、100人中1人いるかいないかです。『いつ破裂するか分からない』と医者に言われて、不安になるのは分かりますが……」(前出・脳神経外科医)
■足の長さが変わってしまった
医者が腹腔鏡手術や脳動脈瘤の手術をやりたがる背景には、難易度の高い手術の「認定医」制度もある。手術の件数に応じて、学会が医師に「お墨付き」を与えるシステムになっているのだ。
「例えば、がんや心臓の専門で患者の数も多い病院では、すぐに手術には踏み切りません。たくさんの患者を診る必要があるため、余計な手術をしているヒマはないからです。
しかし、患者数が少ない病院はムリに手術をしてしまう。症例数を増やしたい、若い医者に勉強させたい、という病院が少なくありません。実は、誰もが知っている日本トップクラスの有名大学病院でも、手術の患者が少ないうえ、若手が多いので、いらない手術をしょっちゅう勧めてくるところがある。大学病院ですら、信用できないのです」(前出の外科医)
手術の経験を積んで「認定医」になると、その情報がネットや口コミで伝わり、一見の患者が手術を頼みに来る可能性も当然高まる。ムダな腹腔鏡手術や動脈瘤の手術を医者がやりたがるのも、長い目で見れば儲けのため、と言える。
やはり、外科医が「切りたがる」病気のナンバーワンはがんだ。しかし、前出と別の都内のクリニック院長はこう話す。
「高齢で転移があるがん患者の場合、基本的に手術を避けるべきだと私は考えています。そのほうが長生きできる可能性が高いからです。
治療が難しく、生存率が低い膵臓がんが最たるものです。『とにかく患部を切除する』という医者もいますが、見つかった時点で、第一に延命のための方策を考えるべきだと思います。手術をすると、そのまま病院から出られず半年ほどで亡くなるケースが多いのですが、手術を避ければ、2~3年は生きられる患者も珍しくないのです」
国立がん研究センターの発表によれば、前立腺がんや甲状腺がんの5年相対生存率は90%を超えている。もちろんケースバイケースではあるが、がん=手術という固定観念にとらわれる必要はない。
「切らずとも、治療がしっかりしていれば、これらのがんが原因で亡くなることはほぼありません。しかも、前立腺がんの場合は、高い確率で手術後にED(勃起不全)になることを考慮しなければなりませんから、私なら放射線治療やホルモン療法をまず勧めます」(前出・クリニック院長)
比較的、診療報酬点数が高くない関節まわりの手術の中で、関節を人工関節に置き換える手術はやはりカネがかかる。点数は肩・股関節・膝で3万7690点(37万6900円)、肘・手・足などで2万8210点(28万2100円)だが、これは手術そのものの費用で、人工関節の機材費を含めると総額150万~200万円は下らない。高額療養費制度の対象のため、高齢の患者の場合、自己負担額は10万円ほどに圧縮されるが、病院側は大儲けだ。
この人工関節置換術を受けて、後悔する人は多い。千葉県の整形外科医はこう話す。
「高齢者には関節痛の『最後の手段』ということで思い切って人工関節にする方が少なくありませんが、実は術後1年くらいで再び痛みがひどくなるケースがあるんです。
傷んでいる関節を人工関節に換えても、関節の周りを固めている筋肉や、歪んでしまった骨の位置関係が変わるわけではありません。手術前と同じ負担が関節にかかり続けた結果、人工関節と骨のつなぎ目への負荷が大きくなり、痛みが再び出るようになるのです。
ある70代の男性は、リウマチの治療で人工関節を入れたのですが、手術後のほうが歩けなくなってしまった。『足の長さが変わってしまって、左右のバランスがおかしくなった。前は痛くなかった腰のあたりまで、電流が走るように痛い』と苦しそうに話していました」
医者に「手術しましょう」と言われたら、本当に自分のためなのか、疑ってみる必要がある。
「週刊現代」2016年8月13日号より
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