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60すぎたら、医者にすすめられても拒否しなさい
一度やったら、もう普通の生活に戻れない!
手術と薬「リスクと副作用、こんなに」 前編
糖尿病のジャヌビアやアマリールでうつ病に 高血圧のディオバンで寝たきりの危機 コレステロールのクレストールの後遺症 前立腺肥大の手術で勃起不全 白内障手術で失明 膝の人工関節で車椅子にほか
降圧剤を飲んで脳梗塞に
「2年ほど前に血圧が高いので、降圧剤のミカルディスを処方されるようになりました。しかし、飲み始めて2ヵ月あまりで脳梗塞を起こし、入院しました。幸い大事にはいたらず、3週間ほどで退院できました。
週刊現代の薬に関する記事を読んで、あの時、脳梗塞になったことの一因に血圧を下げ過ぎたことがあったのではないかと思うようになりました。同じことをくり返すのは怖いので、いまでは医者と相談して降圧剤を飲むのをやめ、バイアスピリンなど血液をサラサラにする薬だけを飲んでいます。毎日飲む薬が減って、心なしか、前より健康になった気がします」(大山明人さん/72歳・仮名)
いま本誌編集部にはこのような読者からの便りが続々と届いている。長年飲み続けていた薬をやめたら、めまいやふらつきがなくなった。喉が渇く、筋肉痛などの症状が消えた—いままで薬のせいだとは意識していなかったものが、薬をやめてみて初めて副作用だとわかったというケースも多い。
これまで本誌は7回にわたって、飲み続けると危ない薬や実は危険度の高い手術について報じてきた。今回はこれまで本誌で紹介した薬と手術100例を表にまとめた。
まずは生活習慣病薬から見て行こう。糖尿病の薬はDPP-4阻害薬、SU剤(スルホニル尿素剤)、チアゾリジン系、SGLT2阻害薬など種類が多い。さまざまなタイプの薬を併用する場合もあるが、血糖値を下げ過ぎることはかえって危ない。
「低血糖になりすぎると脳の機能に異常が出て、めまいや動悸などが現れることもあります。ひどい場合は命に関わることもあります」(新潟大学名誉教授・岡田正彦氏)
また、急激な血糖値の低下はホルモンの分泌にも影響し、うつ症状やイライラを引き起こすこともあるので注意が必要だ。
「自分では気づかなかったのですが、妻から『最近ひどくイライラしている。性格が変わったみたいだ』と指摘されました。精神科にも行ったのですが、理由がわからない。結局、知り合いの医者にすすめられて詳細な血糖値の検査を行ったところ、SU剤(アマリールなど)が効きすぎて、急激に血糖値が下がっていたことがわかった。ホルモン分泌が正常でなくなったため、イライラの症状が出ていたのです。
結局、SU剤を飲むのをやめて、糖の吸収を抑える薬に切り替えたことで症状は治まりました。妻もほっとしています」(林幸男さん/57歳・仮名)
DPP-4阻害薬(ジャヌビアなど)やSU剤を併用して低血糖になり、うつ状態が引き起こされる。そして神経内科を受診すると、うつ病と診断されてしまい、抗うつ剤を飲み始める。そんなケースが実際に生じているのだ。
外国では回収された薬もある
日本では普通に処方されているが、フランスやドイツなどの外国では「危険すぎる」として承認が取り消されている薬もある。それがチアゾリジン系の糖尿病薬(アクトス)である。この薬は心不全を発症・悪化させる可能性や、膀胱がんを発症させるという可能性が指摘されている。
海外では飲まれていないが、日本でよく飲まれている薬の代表が、降圧剤のARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)。他の降圧剤に比べて高価だが、日本は国民皆保険が行き届いているので、医者も薬の費用対効果をほとんど考えずに処方している。
オルメテック、ミカルディス、ディオバンなどが代表的な薬だ。最近ではARBと利尿剤が一つに配合されている薬もよく処方されている。
降圧剤は血圧を下げる薬なので、当然ながら使い過ぎると低血圧を招く。低血圧はうつ病や貧血に間違われることもある。また、高齢者の場合は横になっているときは血圧が高くても、立ち上がるときに急に血圧が下がる起立性低血圧が多い。
「3年前の話ですが、当時81歳になった母がディオバンを飲むようになってから、ときどきめまいがすると言っていました。ある日、夜中にトイレに起きたときに転んでしまい、大腿骨を折ってしまった。結局、回復に時間がかかっているあいだに寝たきりになってしまい、昨年、肺炎でなくなりました」(白石摂子さん/59歳・仮名)
コレステロール値を下げる薬としては、スタチン剤(クレストール、リピトールなど)がしばしば処方されている。だが、これらの薬は、副作用も多い。よく知られているのは、横紋筋融解症という筋肉が溶ける病気だ。
「薬を飲み始めて、筋肉痛などの自覚症状があれば、医師に相談したほうがいいでしょう。筋細胞のなかの成分が血中に流出すると腎不全になる可能性もあります」(ナビタスクリニック佐藤智彦氏)
また、善玉コレステロールの値も下げてしまうので、ベッドにいる時間の長い高齢者の場合、床ずれを起こす可能性も指摘されている。
脳梗塞の再発予防によく飲まれているのは、いわゆる「血液をサラサラにする」薬。プラビックスやバイアスピリンが代表例だ。だが、これらの薬は「脳梗塞の再発予防になっても、既往歴のない人に対する予防効果は認められていない」(前出の岡田氏)。逆に血液がサラサラになりすぎると、内出血、消化管出血などの副作用も出てくるので、安易に飲み続けることは避けたい。
抗うつ剤の禁断症状は恐ろしい
認知症薬のアリセプトは、他に認知症を治療する薬が少ないということもあって、高齢者に処方される機会が多い薬だ。だが、その副作用が問題になることも多い。
「父(82歳)がもの忘れをするようになってから、5年ほどアリセプトを飲み続けていました。効果のほどはわからなかったのですが、月に一度、病院に行くと28日分出されるので飲み続けていたのです。
薬を飲み続けていたときは自転車で30qも離れたところに行ってしまい警察のお世話になったり、妄想がひどく『泥棒に入られた』と主張することもありました。これだけ飲んでも効果がないのならと思い、薬をやめてみたところ、そのようなひどい徘徊や、妄想もなくなってほっとしています」(田沢好子さん/52歳・仮名)
アリセプトは副作用として、患者の攻撃性が増して暴力的になるケースも報告されている。そもそも、この薬はアルツハイマー型の認知症には有効だと言われているが、前頭側頭型認知症(ピック病)などの病態には投与してはいけない。にもかかわらず、医師が誤った判断で処方するケースが散見される。
うつ病、統合失調症の薬は、一度飲み始めるとなかなかやめるのが難しい。急に薬をやめると、離脱症状(いわゆる禁断症状)があるからだ。
「『心の風邪』をひいてしまって、SSRI(パキシル、デプロメール他)などを数種類、飲んでいました。少しよくなったところで、何度も薬をやめようとしましたが、そのたびに不安や睡眠障害に悩まされて失敗しました。医師とよく相談して、半年かけて少量ずつ投与量を減らしたことで、なんとか薬をやめることができました」(長澤康秀さん/62歳・仮名)
次に手術のリスクを見て行こう。多くの薬はその気になって努力をすればやめることができる。だが手術の失敗は取り返しがつかない。
「5年前、72歳のときに変形性膝関節症で、人工関節を入れる手術をしたのですが、最近また痛みが激しくなってきた。医者に診せると、人工関節が緩んできているという。せっかく必死の思いで手術をしたのに、こんな簡単に元の木阿弥かと思うと哀しくなります。痛みに加えて違和感までが残り、結局、車椅子での生活を余儀なくされました」(伊藤加奈子さん/仮名・77歳)
膝関節症には、手術をしない保存療法もあるので、ある程度様子を見てから手術に踏み切ったほうがいい。手術後、4~5年ほど経つと、生体と人工関節の間に緩みが生じて、痛みや痺れが再発、ひどい場合はもう一度手術を受けなければならなくなるからだ。
手術で男性機能を失う
痛みを少しでも和らげたい—そんな切実な思いで手術に踏み切ったのはいいが、想像していたような健康な体は手に入らなかったというケースはよくある。関節手術の経験が豊富な整形外科医が語る。
「例えば、リウマチの手術です。術後に患者さんから、思っていたより痛みが残る、新しい痛みが出たと言われることが多い。正直、手術をしても上手くいくかどうか、結果を見ないとわからないのです。削った骨が別の神経を圧迫して、手術前は問題がなかったところに痺れが出ることもある」
手術のために、人生の楽しみを奪われることもある。とりわけ前立腺肥大症の手術は失うものがあまりに大きい。
「それほど自覚症状はなかったのですが、医者にすすめられるままに手術をしたら、逆行性射精障害で、射精が上手くいかなくなってしまった。手術の前に医師から、場合によってはED(勃起不全)になるかもしれないとは聞かされていました。でも、実際に男としての機能を奪われてみると、想像以上にショックが大きく、我ながら老け込んだと感じます」(中西章雄さん/65歳・仮名)
手術は、常になにかを失うことのリスクと隣り合わせだ。そして、失ったものは、二度と元には戻らない。メリットとデメリットを天秤にかけた上で、受けるようにしたい。例えば、白内障の手術。見えにくいからといって、安易にメスを入れると完全に光を奪われる可能性だってある。
「目の中のレンズの役割をする水晶体が濁り、視力が低下するのが白内障。80歳を超えるとほとんどの人がかかるといわれます。手術は簡単で入院の必要もないので、気軽に受ける人が多いのですが、予想したほど視力が回復しなかったとか、違和感が残るといった後遺症を訴える人がいます。最悪、手術が失敗して失明するリスクだってあります」(大学病院眼科医)
年齢と共に、人の身体にはガタがくるもの。現代の医療であれば、どんな症状だって改善することができるという発想がそもそもの間違いなのだ。
手術と薬の副作用はまだまだある。後編も合わせて読んでほしい。
【手術と薬「リスクと副作用、こんなに」 後編】
【手術と薬「リスクと副作用、こんなに」 後編】
「週刊現代」2016年8月6日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49310
手術して10年寝たきりになるか、手術しないで5年元気に生きるか 歩けない楽しくない食べられない
手術と薬「リスクと副作用、こんなに」後編
〔PHOTO〕gettyimages
食道がん手術で食事が不可能に/肺がん手術は死期を早める/大腸がん手術でQOLが劇的に低下/鎮痛剤リリカで肝機能障害/子宮内膜症のスプレキュアで骨粗鬆症にほか
医学の進歩は何のためか。たとえ薬や手術で命を永らえても、幸せになれるとは限らない。リスクを熟知し、自分の頭で考える—それこそが、病気との正しい付き合い方なのだ。
効く薬ほど副作用もきつい
多くの人が飲む身近な薬にこそ、知られざる「リスク」がある。代表格が、痛み止めの薬だ。
強力な鎮痛剤として知られるリリカは、帯状疱疹や坐骨神経痛などの痛み止めとして処方されることが多い。一般的な鎮痛剤では神経痛に効かないためだが、リリカには眠気や目まいといった副作用のほかにも、「劇症肝炎や肝機能障害のリスクがあります。'12~'14年の間に11人の重篤な副作用が確認されており、'14年9月に厚生労働省が添付文書に追記するよう指示を出している」(医療ジャーナリスト)。
一方で、今や「国民的鎮痛剤」となったロキソニンにもこんな副作用が報告されている。
「先日も『お腹がひどく痛くなり、吐血した』という患者さんが来ました。よく話を聞いてみると、その方はひどい頭痛持ちで、痛み止めにロキソニンを常用していることがわかりました。胃カメラで見てみると、胃の粘膜が真っ赤にただれて出血していた」(ナビタスクリニックの佐藤智彦医師)
効き目が強い鎮痛剤は胃腸へのダメージが大きく、胃潰瘍などの原因となる。さらに厚生労働省は、今年3月にロキソニンの「重大な副作用」として「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を加えている。こうした事情を重く見ているアメリカの医学界では、同薬を処方する医師はほとんどいないという。
ロキソニンやボルタレンは、特に生理痛に悩む女性に利用者が多い。しかし、女性だからこそ起きる問題もある。血管を収縮させ、痛みを抑えるというこれらの薬の働きそのものに、デメリットがひそんでいるのだ。
「血管を縮めるということは血行を悪くするということでもある。血液の流れが悪くなれば、体温が低下し、多くの女性が苦しむ『冷え症』『肩こり』の症状を悪化させることにつながります。
より深刻なのは、『子宮が冷える』こと。つまり、子宮筋腫をはじめとした婦人病が発症しやすい環境をつくりだしているということです」(薬剤師の宇多川久美子氏)
ホルモンを操作するのは危ない
一方で、近年急速に普及している、ネキシウムなどのPPI(プロトンポンプ阻害薬)とよばれる胃薬は、骨粗鬆症、大腸炎、肺炎の副作用が確認されている。
「胃が痛いとか胸のあたりがチリチリするという患者さんにはよく効くので、出してくれと言われることが多く、医師も再発防止にもなると思って処方する。しかし、長期間飲むと骨粗鬆症が進行して骨折しやすくなるという海外の調査研究があります」(新潟大学名誉教授の岡田正彦氏)
胃痛や胸やけ、逆流性食道炎などのフレーズはテレビのCMでもよく耳にするが、むやみに薬で抑えるのはかえって危険なのだ。
気になる男性も多いと思われるのが、脱毛症に効く「毛生え薬」として知られるプロペシアやザガーロに発がん性が指摘されていることだ。これらの薬は、脱毛の原因とされる男性ホルモンの働きを抑えるのだが、体内で女性ホルモンが過剰になると、がんを誘発する。
「これらの薬の『毛生え薬』としての効果は、髪の毛が10%増える程度。がんになる危険を覚悟してまで、飲む必要はないでしょう」(医薬ビジランスセンター理事長で内科医の浜六郎氏)
反対に、女性の体内の女性ホルモンの分泌を抑え、生理痛や子宮内膜症に効くとされるスプレキュアやナサニールには、骨粗鬆症を引き起こす副作用がある。
「女性ホルモンは骨の形成を進め、古い骨の破壊を抑えるのに寄与しています。その分泌量が減らされると、骨に含まれるカルシウムの量が減少し、『骨量』が低下します。結果、骨密度が低くなり、骨折しやすくなる」(前出・宇多川氏)
二度と旨いものは食べられない
第一部では心臓・脳の手術や腹腔鏡手術などの危険性を紹介したが、受けたあとで悔やむ患者が跡を絶たないのが、がんの手術だ。特に消化器系の大手術だと、「寿命は延びたが、人生の楽しみを失い、苦痛が増した」ということになりかねない。
胃がんの手術で胃を全摘出した75歳の男性は、ほとんど食事ができなくなり、筋肉が落ちて歩くこともままならなくなった。しかし、それよりもっと苦しいのは、「命と引き換えに、食べる楽しみを失ったこと」だと話す。
「大好物だった刺身ももう食べられない。手術をした人生としなかった人生、どちらが幸せだったのだろう」
手術で胃が小さくなると「小胃症状」という不調に悩まされる。食べ物が消化されないまま、いきなり腸に流れ込むために、消化管の神経に異常が起こって、吐き気や下痢、動悸といった症状を引き起こすのだ。食べ物の消化ができず、体が血糖値を下げようとインスリンを過剰に分泌し、低血糖に陥ることもある。
また、食道がんの摘出手術のあとには、胃を引っ張り上げてつなぎ合わせるなどして、失った食道を再建する。しかし、そのときに接合部分が狭くなる「食道狭窄」が起こると、食べ物がのどを通らなくなる。手術の際に反回神経に傷がついて、のどがうまく動かなくなり、「嚥下障害」に悩まされるケースも多い。
高齢者で、これらがリハビリしても治らない場合、胃に穴をあけて直接栄養を送り込む「胃瘻」を余儀なくされる。
「80歳の父親が、医師の勧めで食道がんの手術を受けました。手術自体は成功したのですが、食道狭窄が起こり、胃瘻を施すことになりました。
その後、父はみるみる痩せて衰弱していった。食べたいものも食べられないまま、逝ってしまった」(50代男性)
胃瘻をすれば、確かに寿命は多少延びる。だが、欧米の医師は「非倫理的な延命措置である」として、胃瘻をほとんど行っていない。肺炎や腹腔内での出血、腹膜炎といった合併症を起こして、むしろ苦しみながら命を落とすことさえある。
切ったら元には戻らない
直腸がんの手術で、肛門の近くを切除する場合には、わき腹や下腹部に人工肛門を作らねばならない。その場合、腸管をお腹から直接出すため、肛門と違って排便をコントロールする筋肉がないので、生活スタイルを変えざるを得ない。大腸がんを患い、人工肛門を作ることになった60代男性はこう嘆く。
「『便が漏れたらどうしよう』という不安と臭いが気になり、なかなか外出ができなくなりました。バス旅行に出かけたときには、不安と緊張のため車内でパニック症状を起こしてしまった。それ以来、遠出はしていません。
生きるためには仕方がないことだとは分かっているのですが、もっと慎重に考えればよかったと後悔しています」
女性特有の病気でも、手術で思わぬダメージを負うことがある。例えば乳がんの手術だ。乳がんの摘出手術のときには、転移を防ぐため、わきの下のリンパ節もあわせて摘出することが多いが、
「リンパ節を取ると、10人に3人は『リンパ浮腫』になるのです。腕が普通の人の2~3倍の太さにパンパンに腫れ上がります。重いものは持てず、運転もできず、日常生活の基本的な動作もままならなくなる」(医療コンサルタントの吉川佳秀氏)
子宮頸がんなどの手術でも同様で、骨盤のリンパ節を取ることにより、足にリンパ浮腫が出るケースがある。手術でリンパ管を近くの静脈とつなぎ合わせる「リンパ管静脈吻合術」という治療法もあるが、完治は難しい。
卵巣がんや子宮がん、子宮筋腫の場合には、患者が更年期を過ぎた女性と見ると「もう子供を産むことはないんだから、取ってしまったほうが安心ですよ」と、摘出を勧める医師がいる。しかし、ある女性医療ジャーナリストはこう指摘する。
「何歳になっても女性にとって、子宮を取られることの精神的なショックは非常に大きい。しかも、子宮筋腫は女性ホルモンが原因なので、閉経後は悪化するリスクはそこまで高くない」
手術には多かれ少なかれ、体の一部を「切り取る」「傷つける」というプロセスがともなうもの。一度体に刃を入れてしまえば、決して後戻りはできないということを、肝に銘じるべきだ。
手術には「麻酔」がつきものだが、ここにも危険がひそんでいる。都内の病院に勤める外科医はこう証言する。
「外科医になりたての頃ですが、変形性腰椎症の患者さんの手術があり、私が全身麻酔の処置をしたのです。80代の患者さんでしたが、手術が終了すると、息をしていないことに気付きました。すぐに心肺蘇生を行い、集中治療室に運びましたが、数日後に亡くなりました。麻酔の影響で心筋梗塞を起こした可能性が高い」
高齢者が全身麻酔の手術を受けるには、階段で2~3階まで歩いて上がれる程度の心肺機能がなければ厳しい。喫煙者の場合も、心肺機能が弱っているので、「可能であれば、手術の数ヵ月前から禁煙する」(大学病院に勤める内科医)と、少しは安心できる。麻酔科の専門医がいる病院を選ぶことも肝心だ。
全ての医療には負の側面がある。医師の言いなりになるのではなく、デメリットを自分で見極める知恵を持ちたい。
【手術と薬「リスクと副作用、こんなに」 前編】
「週刊現代」2016年8月6日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49311
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