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日本人女性の国民病「バセドウ病」「橋本病」の恐怖〜もし妻がなったら、この薬と手術はやめたほうがいい 副作用で心不全のリスクも
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49314
2016年08月04日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
■いきなり40℃の高熱
「甲状腺は、一般の方にはあまり馴染みのない器官かもしれませんが、ホルモンの分泌を司る、非常に重要な器官です。喉の辺りにあり、蝶々が羽を広げたような形をしています。
ここから分泌されるホルモンが過剰になるとバセドウ病に、過少になると橋本病になります。とくに女性の発症率が高く、あまりメジャーではありませんが、実は注意すべき病気なのです」
こう話すのは、東京慈恵会医科大学附属病院診療医長の坂本昌也氏だ。
甲状腺の異常による病気は、とくに女性が罹患しやすいことで知られる。バセドウ病の場合は男性の4倍、橋本病は20~30倍の割合で罹りやすいという。
バセドウ病は、眼球突出の症状で知られるが、ほかにも、手足の震えや多汗、倦怠感を引き起こしたりする。橋本病はむくみや体重の異常な増加が見られる。どちらの病気も、精神状態が不安定になり、ひどい場合には不整脈や心不全といった症状を引き起こすこともある。
そして、その治療の大部分は、薬によって行われる。
「バセドウ病の治療に使われるのは、ホルモンの分泌を抑える、抗甲状腺薬のメルカゾールとプロパジールという2種類が主です。メルカゾールは'50年代から長年にわたって使用されている薬です」(坂本氏)
こうした抗甲状腺薬は、バセドウ病治療のほとんどのケースで使われる薬ではあるものの、もちろん副作用はある。
甲状腺トラブルを抱えた患者が、多数相談に訪れる漢方薬局の責任者が解説する。
「抗甲状腺薬を投与したすぐ後には、湿疹が出たり、肝機能の数値が異常を示したりといった副作用があります。とくに服用を始めてから最初の3ヵ月は十分に注意をしなければいけません。
また、発症することは稀ですが、重篤な副作用である『無顆粒球症』も恐ろしい。白血球の一種である好中球の数が減少し、免疫力が大幅に低下してしまうために、感染症などを重症化させることがあります」
無顆粒球症が怖いのは、自覚症状が出にくいことだ。何の前触れもなく、気づくといきなり40℃近い高熱が出たり、敗血症など命に関わる症状を引き起こしたりすることがある。医療ジャーナリストが言う。
「私が知っている30代の女性のケースでは、投与が始まって1ヵ月ほどしてから、突然39℃もの熱が出て、メルカゾールの副作用だったことがありました。『風邪かな』『ちょっと体調が悪いな』と思って症状を放置していると、命の危険もある」
このほか、若い女性にとって大きな脅威となるのが、メルカゾールの出産への影響だ。母胎に異常をきたす「催奇形性」というリスクがある。前出の漢方薬局の責任者が言う。
「ここ5~6年のことですが、胎盤に異常が発生するなど、メルカゾールが妊娠に悪影響を与える可能性があることが指摘されはじめたのです。妊娠中の方は、服用に慎重になるようにと注意喚起されています」
■専門医がほとんどいない
さらに、一般的な生活習慣病などの薬と異なり、抗甲状腺薬には、特殊な事情がある。専門医が少なく、適切な処方をできる医師があまりいないのだ。つまり、薬そのものの副作用に加えて、医師の「処方の仕方」にも注意を払わなければならない。前出の坂本氏が解説する。
「甲状腺の薬については、適切に処方できる医師が大学病院や、数少ない専門の一般病院に、ごくわずかにいるだけです。そのことが『問題のある薬の処方』につながる可能性があります。
たとえば、地方から大学病院にやってきた患者さんが、専門医にメルカゾールを出されたとします。じきに患者さんは地元に戻り、開業医、一般病院の医師に診てもらうことになる。
本来ならそこで、甲状腺の様子を細かく診ながら、薬の量を調整する必要があります。しかし、専門外の医師は『専門の先生が一度処方した薬だから大丈夫だろう』と、そのままの量を漫然と出し続けることがあるのです」
メルカゾールはホルモンの分泌を抑制する薬だ。すでに薬が効き、十分にホルモンの量が抑えられているのに、薬を使い続けると、今度はホルモンの量が過少になる。
「ホルモンが過少になると、体全体の機能が低下し、場合によっては、心不全で病院に担ぎ込まれることも起こり得ます。
薬が効いて、ホルモン量が十分に低下するまでの時間は人によってバラバラ。2~3年かかる人もいれば20年かかる人もいます。本当はそうした個々人に合わせた薬の量の調整が必要なのですが、なかなかそれが難しい。よく医師とコミュニケーションを取って、自分がどんな薬を使っているのかを知る必要があります」(坂本氏)
橋本病の治療には、チラージンという、ホルモンを補充する薬が使われる。これを、ホルモン量が増えていることに気づかずに使い続けると、不整脈などを引き起こす可能性がある。
また、甲状腺に関係して発症する疾患として、ほかに、がんや良性の腫瘍がある。喉ぼとけの周囲にしこりができ、ものが飲みこみにくくなったり、首が太くなったりといった症状が出る。
腫瘍があることが分かると、医師は「全摘出手術」を勧めることがしばしばある。
しかし「医師の言うことだから」と、言いなりになって安易に手術を選択する前によくよく考えたほうがいい。埼玉県に住む40代の女性は、全摘出を後悔している。
「私は2年前に甲状腺にしこりができ、担当の医師から全摘出をするように言われました。こちらが相談しても、あまり話を聞いてくれない医師で、その時も『実際に取ってみるまで、良性の腫瘍か悪性の腫瘍かは分かりません。
でも大体の場合は摘出をしますので、手術をするのがいいと思います』と、淡々と言っていました。機械的に手術を決められた印象があります」
■安易な「全摘」は危険
結局、摘出手術は成功したが、女性の体には別の異変が現れはじめたという。女性が続ける。
「手術後、白髪や抜け毛が増え、嘔吐や下痢に悩まされるようになりました。薬を飲んでも改善しないし、倦怠感もひどく、スーパーに買い物に出るのにも、体を引きずるようにしなければならないという有り様でした。
甲状腺はホルモンをコントロールする器官ですから、摘出すれば体に異変が起きることくらい、医師はよくわかっていたはずです。でも詳しい説明はまったくありませんでした。
しかも、腫瘍は取ってみたら良性でした。焦って摘出しなくてもよかったし、薬での治療という選択肢もあったはずです。もっと別の解決策を提示してくれてもよかったんじゃないでしょうか」
藤田保健衛生大学の堤寛教授は、安易な甲状腺の全摘出手術に疑問を持っているひとりだ。
「甲状腺がんは、ほかのがんに比べて進行が遅く、約9割が放っておいても大きくならないし、転移もしにくい。転移していても10年以上生きる人が少なくない。直接命に関わらないものが圧倒的に多いのにもかかわらず、簡単に手術をするのはどうかと思います。
私の知り合いでも、甲状腺を全摘出した若い女性がいましたが、手術後、彼女は朝晩ホルモンを補充するための薬を飲み続けなければならなくなりました。飲みすぎると興奮するし、飲み足りないと眠気が襲ってくる。時間が経てば少しは薬に慣れますが、基本的には薬を飲むのをやめれば代謝の機能がおかしくなってしまうので、一生飲み続けなければなりません。QOL(生活の質)は低下してしまいます」
甲状腺の手術は出血も多く、難しいという。そうしたリスクを負ってまで手術の必要があるかは疑問だ。
前出の漢方薬局の責任者が言う。
「バセドウ病、橋本病といった病気は、免疫が自分自身を攻撃することで起こる『自己免疫疾患』です。こうした病気にかかる方は、高確率で大きなストレスを抱えていることが多く、精神安定剤、不眠症の薬など、薬漬けになっていることがある。
顕在化した症状に、安易に対症療法手術するよりも、根本の原因であるストレスに目を向ける必要があると思います」
いまいちど、自分が飲んでいる薬が本当に必要なのか、提案されている手術が必須のものなのか、自分自身に問い直したほうがいい。
「週刊現代」2016年8月6日号より
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