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「ニセ薬」でも効果は同じ!? 実例多数、「病は気から」はホントだった!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49040
2016年07月09日(土) 週刊現代
■「ニセ薬」でも効果は同じ
「米国在住のボニー・アンダーソンという女性は75歳のときに転倒し、背骨にヒビが入ってしまった。彼女は背中の痛みに悩まされ、立ち上がることもできなくなりました。
しかし数ヵ月後、彼女は骨のヒビにセメントを入れる『椎体形成術』の手術を受け、劇的な回復を見せます。痛みは消え、元気を取り戻しました。趣味のゴルフも再開した。
ところが驚くべきことに、この治療は『偽の手術』だったのです。医師は手術の振りをしただけで、実際は骨にセメントは入れていません。ボニーは『効果の高い治療を受けた』と信じるだけで、症状を回復させたのです。このように、メンタルの状態が健康に強く影響する例は数多く見られます」
こう話すのは『「病は気から」を科学する』を上梓したイギリスの科学ジャーナリスト、ジョー・マーチャント氏だ。
日本でも古くより「病は気から」と言われるが、マーチャント氏が示す例からもわかるとおり、これは単なる故事ではなかった。実際、「もう病気は治った」「自分は健康だ」と思い込むことによって本当に症状が緩和されるということが、科学的に明らかになってきた。
薬についても、服用者が「効き目がある」と考えることが効能を生み出すことが知られており、これは「プラシーボ(偽薬)効果」と呼ばれる。
「生理食塩水入りのカプセルを飲むだけで自閉症の症状が改善する子供が多数現れたという例や、血中の酸素が欠乏する『高山病』の人間に偽ボンベを使い、本当に血中酸素量が増えたときと同様の血管の反応が起きたという研究結果もあります」(前出・マーチャント氏)
『日本人だけが信じる間違いだらけの健康常識』などの著書がある薬学博士の生田哲氏もこんな例を挙げる。
「1957年、アメリカのブルーノ・クロッファーという研究者が興味深い報告をしています。ある男性が悪性のリンパ腫にかかってしまい、末期症状となりました。
当時、『クレビオゼン』という新薬が開発され、マスコミが『画期的な薬だ』ともてはやしていた。それを男性に処方したところ、服用後、それまで激減していた体重は一気に増え、症状は瞬く間に回復していきました。
しかしそんななか、新聞が『クレビオゼンは期待されていたほど効果がなかった』と報じると、それを知った男性の症状が急激に悪化したのです。体重が急減し、じき亡くなってしまった」
■病院に行くから病気になる
こればかりではない。最新研究で発覚しつつあるプラシーボ効果のすさまじさは、研究者や医師も予想しないものだった。マーチャント氏が言う。
「鎮痛剤の偽薬を飲んだときには、本物を服用したときと同様、脳内でエンドルフィンという神経伝達物質が分泌されることがわかっています」
偽の薬であっても効果は絶大—ならば、多くの患者が飲んでいる薬や受けている手術の「効果」の多くも、実のところ本人の「自分は治る」という信念によって引き起こされているのではないか。前出の生田氏はまさにそのとおりだと言う。
「薬の効能の多くは、プラシーボ効果によるものです。信じて飲めば効くし、信じなければ効きません。薬自体はそれほど効いてはいない。医者も内心ではそのことがわかっており、『飲んだ人の半分に効果が出ればいい』と処方しています」
つまり、患者は多くの場合、「思い込み」よりも効果が薄いような薬を飲み、不要な手術を受けているケースも少なくないのである。マーチャント氏が見てきたなかにも、まさに「ムダな医療行為」を示す事例があった。
「慢性腰痛の患者1000人が、(1)鍼治療を受けたグループ、(2)偽の鍼治療を受けたグループ、(3)鎮痛剤を含む従来の医療を受けたグループの3つに分けられました。
結果、(1)は(2)と効果が変わらず、(3)にいたっては、(1)(2)の半分の効果しかなかった。医療行為は、『思い込み』の力によって効果が出ている偽の鍼治療よりもはるかに効力が低かったのです」
そうした薬や手術に「効果がない」だけならまだいいが、場合によっては病院に行くことや薬を飲むこと自体が病気の原因となるのだからたまらない。生田氏が言う。
「薬害や麻酔障害、手術での神経損傷といった問題が生じたり、患者が病気だと自己暗示をかけることで疾患が起こったりする。こうした『医原病』はきわめて恐ろしい。
米国の公衆衛生学の権威、故・バーブラ・スターフィールド教授の'00年の研究によれば、不要な手術で1万2000人、院内感染で8万人など、医原病による米国での年間の死者は22万5000人に上るとされています」
今やアメリカでは、患者の「薬漬け」脱却のため、偽薬をあえて使う試みも始められている。
薬や手術の効果は必ずしも大きくなく、そこには患者の「信念」が関係していることがすでに科学的に証明されている。ならば、無駄な薬と手術を勇気をもってやめることもできるはずだ。
「週刊現代」2016年7月9日号より
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