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間違えると死に至ることも…生活習慣病薬「恐怖の副作用」をご存じですか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49094
2016年07月08日(金) 週刊現代 :現代ビジネス
「プラビックスは抗血小板薬と呼ばれるもので、血液を固まりにくくする薬です。心筋梗塞や脳梗塞の再発予防に使われる薬ですが、病気によっては他の抗血小板薬と併用されることがある。
例えばアスピリンです。そうすると過剰に効いて、出血が止まりにくくなることがあります。身体をちょっとぶつけただけで、あざができやすくなったり、鼻血が出やすくなったりする。また眼底出 血、消化管出血なども起きやすくなるので、注意が必要です」
こう語るのは東京慈恵会医大附属病院循環器内科の川井真医長だ。どんなに有効な薬でも必ず副作用はある。複数の薬を飲み合わせている場合は、副作用が増幅されたり、思いもよらない作用が出たりすることもある。
プラビックスは日本で処方されている医薬品の中でも売上高トップクラスを誇る「血液ドロドロを改善する薬」。非常にメジャーな薬だが、同種の薬を過剰に併用すると、血がサラサラになりすぎて、副作用が出る。都内の大学病院の心臓外科医が語る。
「手術中、なかなか血が止まらなくて苦労することがあります。そういう患者さんは後で聞いてみると、複数の抗血小板薬を併用していることが多い。血液はサラサラであればあるだけいいというのは迷信です」
最近では、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった血をサラサラにする効能をうたったサプリメントを併用する人も多い。過剰な摂取を避けるために、抗血小板薬を服用する場合、医師にどのようなサプリメントを飲んでいるかを告げたほうがいい。
■転倒の危険
血圧の薬を飲んでいる高齢者は多い。とりわけブロプレス、オルメテック、ミカルディス、ディオバンなどのARB(アンジオテンシンU受容体拮抗薬)という降圧剤は、最もよく飲まれている薬の一つ。医薬情報研究所エス・アイ・シーの堀美智子氏が語る。
「ARBをカリウム保持性利尿薬と併用すると、体内にカリウムが蓄積され、高カリウム血症になり、悪心や不整脈に悩まされる可能性があります。同じくカリウムを多く含むサプリメント、例えばクロレラや青汁、アガリクスなどは避けたほうがいいでしょう」
また降圧剤を飲んでいる場合は市販の痛み止め(ロキソニンやイブプロフェン)との併用にも注意したい。
「ロキソニンなどの痛み止めは血圧を上げる作用があります。そのことを知らないままに病院で血圧を測る前にロキソニンを飲むと、いつもより高い数値になってしまうかもしれません。そうすると医師から必要以上に強めの薬を処方されてしまうことがあって危険です」(堀氏)
同じく降圧剤のカルシウム拮抗薬(アダラート、アムロジン、コニールなど)も飲み合わせに注意が必要。水虫の原因である白癬菌やカンジダなどに使わ れるトリアゾール系抗真菌薬(ジフルカン、イトリゾールなど)と併用すると、薬物代謝酵素が抑制されて降圧作用が強くなり、血圧が下がり過ぎるリスクがある。
「血圧は季節によっても変動します。例えば、夏場はたいてい血圧が低くなる。ですから血圧の変化をこまめにチェックして、処方する薬の量を調整してくれる医者が信頼できますね。ごま麦茶やアミールといった血圧を下げる効果 が期待される健康食品を飲み続けている人は、医者や薬剤師と情報共有したほうがいい」(川井氏)
冬場と同じ降圧剤を飲み続けて、夏場に血圧が下がり過ぎ、ふらついて転倒するということもありうるので、これからの季節はとくに気をつけたいところだ。
コレステロールを抑えるスタチン(クレストール、リピトール)などはどうだろう?スタチンは副作用として横紋筋融解症という筋肉細胞が血中に溶け出 す症状が出る場合がある。他の抗高脂血症薬(とりわけフィブラート系のベザトールSRなど)や免疫抑制薬のシクロスポリンとの併用は、この副作用を出やす くすることがあるので、避けたほうがいい。
糖尿病の治療薬として最もよく使われている薬がDDP-4阻害薬といわれる種類の薬だ(ジャヌビア、エクア、ネシーナなど)。
「それ自体は比較的安全な薬ですが、他の薬と併用すると血糖値を下げ過ぎ手指の震えや動悸を招く恐れがある。
また、同じ糖尿病の薬であるSGLT2阻害薬(スーグラ、フォシーガなど)は、利尿剤と併用すると尿が出過ぎて脱水状態となる場合もあります」(川井氏)
■痙攣が起こる危険な飲み方
先ほど降圧剤との飲み合わせでも触れたロキソニンは、生理痛や頭痛などを抑えるために、特に女性に多用している人が多い。だが、この薬も飲み合わせを間違えると重大な副作用がある。
「風邪のときなどに抗生物質のクラビットと痛み止めのロキソニンを服用するときは要注意です。この二つを飲み合わせると痙攣を引き起こす場合があるからです。とりわけ高齢者やてんかんの持病がある人は気を付けたほうがいい」(川井氏)
そもそも風邪はウィルスが原因で、細菌を殺すための薬である抗生物質を飲んでも何の効果もないことがわかっている。それどころか、体の中に耐性菌を作り出して、いざというときに抗生物質が効きにくくなることもあるので、安易な服用は避けるべきだ。
抗精神病薬のジプレキサは併用注意が多い薬だ。前出の堀氏が語る。
「降圧剤との併用で、血圧を下げる作用が増強する可能性があります。
またジプレキサや認知症薬のアリセプトを飲んでいる際に、譫妄(意識 混濁に加えて幻覚や錯覚が見られるような状態)が出ることがあります。これは睡眠薬やアルコールとの併用で起こる。とりわけベンゾジアゼピン系の睡眠薬 (ハルシオン、レンドルミンなど)との併用は気をつけたほうがいい」
城西大学薬学部教授の小林大介氏は、精神科の薬は、他の診療科の薬と飲み合わせの良くないものが多いと語る。
「肩こりに用いられるチザニジンという薬は筋肉の緊張を和らげる効果 がありますが、これは抗うつ剤のフルボキサミン(デプロメールやルボックスなど)と併用すると、チザニジンが体内で分解されにくくなって、同薬の血中濃度 が上昇します。その結果、血圧が低くなりすぎて、ふらついたり、力が入らなくなったりします。
フルボキサミンは、ぜんそく薬テオフィリンとの飲み合わせもよくありません。併用するとぜんそく薬が効き過ぎになってしまい、震えが出たりします」
一般的に古い薬より、新薬のほうが副作用が少なく、飲み合わせの危険性も低いと言われることが多い。だが、実はそれは間違いだ。
「新薬を開発する段階では、他の薬との飲み合わせによる治験は行われません。他の薬と併用しない状況で薬の効果を調べるからです。ですから、新薬が世の中に出て来たときには、併用によるデータがないので、添付文書に書いてある副作用が少ないだけなのです。
飲み合わせによる副作用情報は、薬が発売されて、患者から症状の報告があって初めて書き加えられていくことになります。だから新薬の添付文書を見て、副作用の記載がないから安全だと考えるのは間違いです」(小林氏)
薬の数はもはや何千にも及ぶ。現実的にすべての飲み合わせを把握するのは不可能。もちろん、なかには飲み合わせの副作用だったという理由も知らぬままに、亡くなっていった患者もいる。
それを防ぐためにも、医薬品の情報を意識的に集める必要があるのだ。
「週刊現代」2016年7月2日号より
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