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女性が「医師の言いなり」に受けてはいけない手術 焦って決めるのは厳禁!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49119
2016年07月07日(木) 週刊現代 ;現代ビジネス
■「不妊になる」と脅す医者
卵巣に血液が溜まってしまうチョコレート嚢胞。その手術について、大阪府在住の田辺綾子さん(39歳・仮名)は自身の経験を語る。
「そろそろ排卵日が近いかなという頃に家でお皿を洗っていたら、下腹部にヘソのほうへ向かって引っ張られるような痛みを感じたので、近くの総合病院に行って検査を受けました。結果は、チョコレート嚢胞だという診断。医師からは『手術をするのが一番です』と言われました。
手術の方法は『アルコール固定法』というもの。膣から卵巣に向けて注射をし、患部にたまった血を抜き取ったり、消毒したりする手術でした。しかも、麻酔なしということ。
もちろん怖かったですが、痛みが続くのは嫌だったのと、『手術しないと不妊になるかもしれない』と言われたので手術を決意しました。子供は欲しかったので……」
手術当日、術衣を着せられ、イスに座らされて膣から注射を受けた。すさまじい痛みだったという。しかし、手術は途中でストップする。
「いま思い出しても腹が立ちます。看護師と医師がコソコソと話していたかと思ったら、いきなり『うまく血を抜き取れません、一旦中止します』と言ってきた。
そして、『やはり薬での治療に変更しましょう。そこまで大きくないから取らなくても大丈夫』と言い出した。『え?』って感じです。あなたたちが『手術しよう』って勧めてきたのはなんだったの、この痛みはなんのためだったのって。
その後は、薬での治療に変更することになりました。結局、そのまま薬で治療を続け、とくに問題は起きていません」
都内総合病院の婦人科医が問題を指摘する。
「チョコレート嚢胞の患者に、いきなり手術を勧めるということは少ない。ディナゲスト、ミレーナといった薬での薬物療法から始めるのが一般的。
腫瘍があまりに大きければ別ですが、医師に勧められるままに手術をすると、『不必要な手術』になってしまうこともある。注意が必要です」
本誌が前号で、「妻に受けさせてはいけない手術」の実例を紹介したところ(→こちら http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49071)、読者や医療関係者から、「自分にも同じ経験がある」「もっと紹介してほしい」といった声が相次いだ。今回は前回よりも、さらに深刻な事例を紹介する。
■鼠径ヘルニアも要注意
藤田保健衛生大学医学部教授の堤寛氏は、莢膜細胞腫の手術事例が、女性の「手術後」の人生を考えないものだったのではないかと振り返る。
「ある病院でのことですが、数年前、70代の女性が不正出血で受診しました。検査をすると、女性ホルモン『エストロゲン』が多く分泌され、その結果、莢膜細胞腫という良性の腫瘍ができていることがわかりました。
医師は標準的な方法だということで、子宮と卵巣をともに除去する、『子宮卵巣管単純切除』を行うことを決めました。患者さんも『お医者さんが言うなら』と反対しませんでした」
その女性は70代にしては肌ツヤがすばらしいことが自慢だった。町内会でも「なんでそんなに若々しいの」と褒められ、そのことで毎日を楽しく過ごしていたという。
「実は、肌がきれいだったのはエストロゲンのおかげだったんです。しかし手術後は、エストロゲンの分泌が抑えられてしまい、女性の肌は70代相応の状態になってしまいました。そのことに、まるで生き甲斐を失ったようなショックを受けて……。結局、彼女はうつ病になって、すっかり塞ぎ込んでしまった。
このケースでは、診断の段階で良性腫瘍の確率がきわめて高いとわかっていました。手術が彼女の人生に与える影響について、もっと説明できたはずです。医師はその手術がスタンダードであれば、手術をしたがる。しかし、本当はその人が治療に何を求めているのかまで考えるべきです」
焦って執刀医を決めてはいけないのが、鼠径ヘルニアだ。太ももの付け根部分の「筋膜」から大腸や小腸が飛び出してしまって、女性の場合、生理の際に痛みを伴い、手術を勧められることも多い。
この手術を経験した埼玉県在住の吉田美苗さん(42歳・仮名)が言う。
「右の太ももの付け根の下あたりに、ポッコリと飛び出したようなしこりができ、生理になると激痛が走る。検査すると、鼠径ヘルニアのなかの、大腿部分にできるものだとわかりました。
医師から手術を勧められ、一昨年、患部を 3~4pほど切り、そこにメッシュのシートを入れて、飛び出ている腸を押し戻すという手術をしたんです」
術後、一度は治ったと思ったが、3ヵ月後に再発。再び手術を受けることになった。ようやくこれで終わりかと思ったのだが、再手術の4ヵ月後、また症状が現れ、痛み始めたという。
「もうその医師を信用できなくなり、別の病院にかかりました。新しい医師によると、前の方は、患部の近くにできていた別のヘルニアを見逃していたようなんです。
新しい医師からは、『前の医師は検査の手間を惜しんで、ほかの部分のヘルニアを調べなかったんでしょう』『回を重ねるごとに手術は難しくなるから、一度キチンとほかの部分も検査しましょう』と言われました。
結局、その医師に手術をしてもらい、ヘルニアは完治しました。前の医師が丁寧に治療をしてくれていれば、体にメスを入れるのは一度だけで済んだのに……」
第一部(→こちら http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49079)でも述べた通り、腹腔鏡手術には危険がつきもの。とくに女性の腫瘍に対して安易にこの手法を用いることにはリスクがある。岩手医科大学附属病院産婦人科の杉山徹教授が言う。
「腹腔鏡手術は、あくまでも良性腫瘍に対して行うもの。それを、がんに対して使ってしまうのは問題です。
たとえば卵巣に腫瘍が見つかった場合、それを良性の卵巣腫瘍だと思って腹腔鏡手術を行ったとする。ところが実際にはその腫瘍が卵巣がんだったとすると、人為的に、がんを腹腔内に広げてしまうことになるのです。早期がんで済むはずが進行がんになってしまう。こういう事例は実際にあります」
■リンパ浮腫が怖い
子宮頸がんや子宮体がん、乳がんといった女性に特有のがんでは、「切りたがる医師」がいることに注意が必要だ。医療コンサルタントの吉川佳秀氏が言う。
「子宮頸がんの場合、病理医が細胞の状態に1~5のグレードをつけます。1は良性で、5はがん。3~4が『高度異形成』と呼ばれ、がんにはなっていないけれどその前段階という状態です。
がんの手術は医師にとっておカネになるから、とくに開業医は高度異形成の段階でも『今のうちに取ってしまいましょう』と手術を提案しがちです。しかし子宮を取るというのは本人にとって大きな決断です。『医師に言われるがまま』ではなく、それが本当に必要な手術かどうか考えるべきでしょう。
しかも高度異形成は、別の検査法では、『上皮内新生物』と診断されることが多く、その場合、がん保険も適用されにくい」
また、切ることによって術後のQOL(生活の質)が著しく低下するケースについても、事前によく知っておく必要がある。吉川氏が続ける。
「乳がんの場合、がんが大きくなるとリンパ節に飛ぶ懸念があるため、脇の近くのリンパ節を取ってしまうこともある。
しかし、そうすべきかどうか、その後の人生を含めて考えなくてはいけない。リンパ節を取ると、10人に3人が『リンパ浮腫』になるのです。腕が普通の人の2~3倍の太さにパンパンに膨れ上がります。重いものは持てず、運転もできず、日常生活の基本的な動作もままならなくなります」
子宮頸がんの場合は、骨盤のリンパ節を取った後、足にリンパ浮腫が出ることもある。足にリンパ浮腫が出ると、まるで「ゾウの足」のように膨れ上がり、こうなると歩くことすら覚束ない。
手術でQOLが下がること、そして二度と元通りに戻らない場合が多いことは、意識しておいたほうがいい。
東京都在住の古沢美紀さん(46歳・仮名)は、子宮筋腫を患ったが、医師の「説明不足」についての怒りを語る。
「あるときから、排卵日が近くなると下腹部が異様に痛むようになりました。検査を受けると、6pの腫瘍が5つもあった。担当の医師からは『子宮の全摘出を勧めます』と言われ、全摘出を決意しました。まるで女性じゃなくなるような違和感はありましたが……。
手術自体は成功しましたが、その後、再び下腹部に強い痛みが出てきたんです。調べると内膜症を発症していたことが明らかになりました。
医師は笑って『子宮を全摘しても内膜症になることはありますよ』なんて言っていましたが、そんなことは事前に聞いていません。説明を十分にしてくれなかったのは、すごく残念でなりません」
手術は患者の人生を左右する。そして、繰り返すが、手術が身体に与えたダメージは、二度と元には戻らない。患者はじっくり話し合える医師を求めるが、実際は「こんなもんだろう」と安易な判断をする医師も少なくない。患者も知識を持って対抗する必要がある。
「週刊現代」2016年7月9日号より
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