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【高齢者必読】がんの「8割」は切らないほうがいい〜胃がん、食道がん、大腸がん、肺がんとの戦い方 安易な手術が寿命を縮める
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48969
2016年07月02日(土) 週刊現代 :現代ビジネス
医者の言いなりになって苦しみながら少しだけ長生きする人生と、最後まで健康に生きる人生どっちを選びますか? 決めるのはあなた自身です。
■医者はいつでも切りたがる
「兄は昨年84歳で亡くなりました。胃がんでした。2年前に胃の調子が悪いからといって検査をしたらかなり進行しているとのことで、医者からは全摘しましょうと勧められました。このまま放置しておけば、症状が悪化し、腹水がたまり、死を待つしかないと。
年齢が年齢だし、体力的なことが心配だったのですが、医者は『今は90代の患者さんだって全摘しますよ』と言う。その言葉を信じて、手術に踏み切ることにしたんです」
こう語るのは都内在住の柏倉幹雄氏(75歳・仮名)。医師の勧めに従って、兄を手術させたことを今では後悔しているという。
「開腹してみると、他の部位にもがんが広がっていることがわかった。医者には『あとは抗がん剤で抑えるしかない。これは開けてみないとわからないことですから、仕方ないですね』と言われた。
手術後の兄は、生気を奪われるように衰弱し、4ヵ月で亡くなりました。今でも入院前日に一緒にステーキを食べたことを思い出します。兄が最後に食べておきたいと言ったのです。
年齢のことを考えれば、兄の死のあきらめはつく。でも、切らないで好きなものを食べて死ぬという選択肢もあったんじゃないか。安易に医者の言葉に従った自分を責める気持ちは消えません」
がんの治療法は多様化している。開腹手術の他に、抗がん剤、放射線治療など最適な治療法はどれかを探るチーム医療も浸透してきた。
だがそれでも、すべての医者が「患者の人生にとって、どの治療法がベストなのか」を知っているわけではない。患者が全力でがんを退治したいのか、限られた余命を静かに暮らしたいのか、最終的に判断するのは患者とその家族だ。
「がんの治療でいちばん大切なのは、なんのために治療するのかという目的です。もちろん、がんを無かったことにする完治や治癒と呼ばれる状況が一番望ましいわけですが、常に治癒を目指すのがいいとは限りません。治癒が望めない状況もあるからです。
治癒が不可能であるのに、無理に治癒を目指そうとすると、とんでもないことになってしまうこともあるのです」
こう語るのは外科医でがんに関する著作も多い平岩正樹氏。状況に応じて治癒を目指すべきかどうか、手術をするべきかどうかを判断するのが最も大切だという。
「古い例になりますが、アナウンサーの逸見政孝さんが進行胃がんにかかり、臓器をほとんど取ってしまい、退院できずに亡くなりました。あのように治癒する可能性が極めて少ないのに手術をすると、結果的に患者さんの寿命を縮めてしまう場合も多いのです」
胃や大腸のがんは、初期に見つかった場合、開腹手術で切除することが多い。それが唯一の「がんと戦う方法」だと考えられていた時代もあった。
「とりわけ'07年にがん対策基本法ができるまで、日本では外科手術偏重で、抗がん剤治療は存在しないといってもいい状況でした」(平岩氏)
■手術ががんを悪化させる
最近では、次第に抗がん剤や放射線治療、免疫療法など手術に代わる治療法も一般的になってきた。それでも「手術でがんを切り取ってしまうのがいちばん安心」と考えている医師や患者はいまだに多い。
だが現実には、初期のがんであっても手術に失敗することがある。平山久美さん(47歳・仮名)の父、雄三さん(享年70歳・仮名)は昨年、食道がんの手術がきっかけで亡くなった。
「医者には『私がこれまで見つけた中でも一番小さいがんです。ラッキーですね』と言われ、手術をしたのですが、術後に肺炎を発症しました。右肺に痰がたまっており、気管切開による呼吸管理を勧められました。
しかし、その処置をしているときにメスを持った若い医師が頸動脈を傷つけるミスを犯した。まさか、あれほど自信満々だった医師の手術が失敗するとは思いませんでした。安易に手術を選択したことを悔やんでいます」
手術が成功したとしても胃や食道を切除すれば当然、生活に与える影響は大きい。
「個人差はあるのですが、胃や食道のがんは食生活に大きな影響が出る。手術してみないと、その後の経過がどうなるのかはわからないのです。胃瘻(腹に穴を開け、直接胃に栄養を送ること)をするようなことになってしまうと、『自分の口で食事もできずに長生きするくらいなら、手術はせずに死んだほうがマシだった』と考える人も出てきます」(平岩氏)
大腸がんの場合も、とりわけ直腸を切除した場合、便をためておく部分がなくなり、排便機能に障害をかかえることになる。また、直腸の周囲には自律神経が多く走っているので、性機能に障害が起き、不能になることもある。いずれも失えば人生に多大な影響を及ぼす大切な機能だ。
日の出ヶ丘病院のホスピス医、小野寺時夫氏が語る。
「全員が手術をしないほうがいいということではないですが、がんが他の臓器や多数のリンパ節に転移したり、周囲の臓器に浸潤していたりするステージWの場合は、無理に手術しないほうがいい。その理由は三つあります。
一つは転移したがんが原因で亡くなる場合が多いこと。次にどんな丁寧な手術をしても散らばっている目に見えないがん細胞を全部切除することは不可能なこと。三つめは、高度進行がんを無理に手術すると、残っているがん細胞の悪性度が急に増して、再発することがあることです」
がん手術の後遺症が、新たなるがんの発生だとしたら、泣くに泣けない悲劇である。
胃がん、大腸がんとともに三大がんの一つに数えられる肺がんはどうだろう? 都内大学病院の呼吸器外科医が語る。
「局所的で手術可能だと確信できたら医者は手術をしたがります。しかし言うまでもなく、肺を切除することは、術後の生活に大きな影響がある。肺の機能が一部失われるわけですから、ちょっとしたことで息切れをする、階段の昇り降りがとてもつらくなるといったことがあります。
65歳を過ぎて、体力の衰えが目立ってきた高齢者にとっては、手術がベストな選択肢とは言えないのですが、医者はそこまで考えないし、教えてもくれません」
がんは切るのがいちばん——それは体力的にも余力のある若い人の話。70歳を超えた高齢者にとって、安易な手術は8割方、後悔の種になるということを肝に銘じておきたい。
「週刊現代」2016年7月2日号より
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