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日本では人気だけど、外国の医者は絶対に出さない薬〜なぜこれほど「コスト意識」が違うのか どうせ保険が利くからって、それは元々税金です!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48916
2016年06月27日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
■「アメリカでは考えられない」
「日本とアメリカでは薬の考え方がまったく違います。それには大きく分けて2つの理由があり、1つは医療制度の違い。もう1つは薬に対する科学的な見解の違いによるものです」
こう語るのはニューヨーク医科大学助教授(内科)のランディ・ゴールドバーグ氏だ。医療制度の違いはさまざまあるが、保険制度の違いが根本にある。日本は国民皆保険だが、アメリカはそうではない。保険に入っているか否かにかかわらず、アメリカ人は薬の効果とコストに対してシビアに検討する。
もう一つの科学的な見解の違いが最もよく表れるのが風邪の対処法だ。
「日本では抗生物質など、風邪には効かないことが科学的にわかっている薬をいまだに出す医者がいます。アメリカでは考えられないことです。
インフルエンザについても、日本ではよくタミフルが処方されているようですが、よほど高齢で体力がない患者でない限り、アメリカではタイレノールという鎮痛剤くらいしか処方されません。また、日本で多用されているロキソニンもアメリカではリスクの高い薬として認識されています。
『なにも飲まずに寝ていたら治ります』といわれても日本の患者は納得しないそうですね。保険で安く薬がもらえるので、なにか『お土産』がほしいのでしょう。しかし、そのお土産には副作用も含まれていることを日本人は忘れているようです」
薬の副作用、とりわけ多くの薬を併用した時の飲み合わせの問題は、海外でも問題になっている。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。
「アメリカでは薬は4剤までというのが一つの基準になっています。常にどの薬を残し、どれをやめるかというチェックする習慣がある。
一方、日本では、例えば抗うつ剤や統合失調症の薬について『抗うつ剤なら3剤を超えると診療報酬を減額する』という基準を厚生労働省が定めています。
これは逆に言うとうつ病の薬だけで3種類も飲んでいる人がいるということです。他の薬を合わせると数倍の薬を処方されているケースだってあります。そうなると飲み合わせによる副作用の危険性は飛躍的に高まります」
新潟大学名誉教授の岡田正彦氏は、日米でよく使用されている薬の比較をしながら、次のように語る。
「アメリカでは製薬会社が新薬を売り込むため派手な宣伝を打つことが多いので、新しい薬を使う医師が多いだろうと想像していましたが、実際の処方数を調べてみるとジェネリックが多かった。
アメリカでは保険制度が民間なので、審査が厳しく、新しくて高い薬を処方した場合には、医師がその理由を書いて提出しなければなりません」
海外の医療制度に詳しい多摩大学大学院教授の真野俊樹氏が語る。
「海外では医療費が『包括払い』制度になっている国が多い。つまり、薬をたくさん出そうが、少なくしようが、医師への報酬は変わらない。そうなると無駄な薬は出なくなる」
■欧米は高い薬を使わない
処方の違いがいちばん顕著に出るのが、降圧剤だ。生活習慣病の特集(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48915)でも見たように、日本では価格の高いARBが処方されることが多く、このARBは製薬会社にとっても美味しい稼ぎ頭となっている。
例えば、日本における薬の売上高ランキングのうち、5種類もの薬が30位以内にランクインしているのだ(2位のブロプレス、5位のオルメテック、10位のミカルディス、14位のディオバン、21位のアジルバ)。これらの薬の売上高を合計すると、1年で3300億円を超えている。
一方、アメリカではARBが処方されることは少ない。
「日本と同様に高血圧の薬は頻繁に処方されていますが、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、サイアザイド系利尿剤が上位に入っている。この違いは日米の医者のコスト意識の差が表れているといえます」(岡田氏)
糖尿病のメトグルコもアメリカでは多く使用されている。
「日本では薬価の高いジャヌビアの売り上げが、糖尿病薬のトップです。一方、欧米では糖尿病でまずいちばんに使われるのがメトグルコ。
日本ではメトグルコを飲むと重い副作用が起こるとか、太っている人にだけ有効な薬だとかさかんに喧伝された時期があり、人気がないのですが……。もしかすると、ライバル会社の情報戦略だったのかもしれませんね」(岡田氏)
ちなみにジャヌビアと同じタイプのDPP-4阻害薬では、エクアやネシーナなどが日本で多く処方されている。
統合失調症の薬でも日米の差はある。日本ではジプレキサという脳内物質の量を調整する薬が売れているが、「この薬はアメリカでは肥満が増える、糖尿病が増えるということで訴訟が起きている」(岡田氏)。
日本人が医薬品にかけているおカネは先進国のなかでも突出している。日本の医薬品費はGDP比で2・1%と、先進諸国の中で1位だ(比較的投薬量の多いアメリカでも1・9%、フランスで1・6%、スウェーデンでは1・0%、デンマークに至っては0・5%)。
「どうせ保険が利くから、もらえる薬はもらっておこう」という国民皆保険制度の負の側面が、作用しているのだ。
「保険が利くから」といっても元を正せば、自分たちの払った税金、保険料である。無駄なカネを払って副作用のリスクを買っているのだとしたら、これほどばかげた話はない。自分の飲んでいる薬のリスクと効果を今一度見直したいところだ。
「週刊現代」2016年6月25日号より
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