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客観的基準で診断誤差を減らす(※イメージ)
客観的基準のないうつ診断、精度を上げる血液検査とは〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160616-00000138-sasahi-hlth
AERA 2016年6月20日号
うつ治療に正誤の絶対的基準はない。診察は医師の主観に影響される部分もあり、正しい診断に行き着くまで数年かかることも。診断誤差や再発を減らす最新治療とは。
【血液検査】客観的基準で診断誤差を減らす
現在、精神科を受診しているうつ病患者は100万人、未受診者を含めると400万人に達するといわれている。
多数の患者がありながら、診断方法は若干あいまいだ。通常は、「DSM−5」という国際基準に基づき医師が問診して診断する。患者は医学的に正確な情報を伝えられているとは限らない。診断は医師の主観に影響される部分もある。
診断に客観的な指標がないことに、川村総合診療院の川村則行医師は、長らく問題意識を持っていた。
「例えば、うつ病と不安障害の診断基準には、類似点が多く見られます。うつ病がほかの精神疾患と混同され、適切な治療を受けられていないケースは多いのではないか。診断誤差を減らすため、客観的基準を見つけられないかと、2003年から研究を行ってきました」
川村医師が注目したのは、「うつ病の本質」だ。専門家たちから意見を集め、うつ病の本質を「億劫さ」と定義した。血液中の物質や細胞を徹底的に調べれば、生物学的な指標があるのではないかと考えた。
09年、血液中の分子で、特に脳内に多く含まれるPEA(リン酸エタノールアミン)の濃度が、うつ病の指標となりうることを突き止めた。
PEA濃度が低くなるとうつ病が悪化し、高くなれば寛解状態に近づく傾向がある。川村医師は、PEAは喜びを司る脳内報酬系の働きと関係が深いと考えている。
「うつ病患者の血漿中のPEA濃度は、健常者、統合失調症や双極性障害、不安障害の患者などより低い。診断にPEA測定を採り入れれば、うつ病診断の精度を上げることができます」
川村医師は11年から、診療にPEA濃度の測定を採り入れ、研究を進めている。これまで約2千人以上を調べたが、9割以上の確率で診断できた。
客観的な指標があれば、患者の信頼や理解も得やすい。患者からのこんな声もあった。
「他の病院では、医師が話を2、3分聞くだけで、何をどう診断しているのかよくわからなかった。PEAがあると、自分の状態の変化や薬を変えるべきタイミングも、納得できました」
血中PEA濃度の臨床研究は、うつ病治療を大きく前進させる可能性を秘めている。
(編集部・熊澤志保)
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