http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/158.html
Tweet |
現役医師が実名で証言する「アブない薬」〜売れている薬の半分以上は、飲み続けないほうがいい 薬漬け社会のタブーに切り込む
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48908
2016年06月15日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
特集記事「医者に出されても飲み続けてはいけない薬」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48812)は、医療業界や患者たちのあいだで大反響を巻き起こした。今回もひきつづき「薬漬け社会」のタブーに切り込む!
■意味のない薬が売れている
「オフィス街でのランチタイムを見ていると、食事を終えたサラリーマンたちが一斉に薬を出して飲んでいる光景をよく見かけます。正直、このうち本当に効果がある薬はどれくらいだろうと疑問に思いますね」
こう語るのは、新潟大学名誉教授の医師、岡田正彦氏。
「毎年、国内の薬の売上高ランキング統計が出ます。それを眺めていると、医療界と製薬業界の流行がよくわかります。
まず気が付くのがARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)という高血圧の薬が、ものすごく売れているということ。'14年度の表(最終ページ)を見ても、ベスト10のうちブロプレス、オルメテック、ミカルディスと3つも入ってきている。ARBという降圧剤が製薬会社の稼ぎ頭であることがよくわかります」
14位のディオバンと21位のアジルバを含めると、売れ筋のARBだけで売り上げは年間3300億円を超える。しかし、岡田氏はこれは単なる医療費の無駄遣いだと断言する。
「ARBがそれ以前に使われていたサイアザイド系利尿剤より、患者の寿命を延ばすという証拠はどこにもないのです。私は高血圧の患者さんには薬価の安いサイアザイドを中心に処方しています。サイアザイドにも副作用はありますが、長年使用しているので、どのような副作用であるかよくわかっており、コントロールが効きます。
ARBはたしかに血圧を下げるし、脳卒中の発生率を下げる。しかし、それでも死亡率が下がらないのは、なんらかの副作用の影響があるのではないか」(岡田氏)
実際、現在使われているARBを旧来の薬価の安いサイアザイドやカルシウム拮抗薬に代えれば、降圧剤に使われる薬代は7割も削減できるという推計もある。ちなみにブロプレス8mgを1年間飲み続けた場合の薬代(3割負担)は年間で約1万5000円だ。
そもそも血圧を下げる必要がない人にまで降圧剤が処方されているケースも多い。
「年相応に血圧は上がっていくもの。血圧を下げれば脳出血のリスクは減りますが、逆に脳梗塞の危険性が高まります」(岡田氏)
ARBの他にも「すごく売れているけれども、効果のほどは未知数」という薬は多い。
たとえば、血液をサラサラにする抗血栓薬のプラビックスは日本で一番の売上高を誇る。しかし、岡田氏はその効果は限定的だと見ている。
「プラビックスは血小板を集まりにくくする抗血小板剤で、風邪薬などで用いられてきたアスピリンの仲間です。心筋梗塞のステント治療後には有効な薬ですが、脳卒中に効果があるかどうかは白黒両方あって、いまだにはっきりしません。
学会のガイドラインは『隠れ脳梗塞といわれる自覚症状のない小さい梗塞の進展予防にいいかもしれない』と非常に曖昧な書き方をしていますが、その効果には疑念を持たざるを得ません」
薬のランキングを見ているとよくわかるのが、売れている薬の大半は生活習慣病に関連するものだということ。その手の薬は、患者が長期間飲み続けなければならない。
血圧や血糖値などが危機的に悪い患者にとってはなくてはならない大切な薬であることは確かだが、「少し数値が悪くなって不安だから」といって服用する患者にとって、本当に健康のためにいいのかどうか患者には判断できない。
だが医者に言われて一度飲み始めるともうやめることができず、長期の服用によって積み重なる副作用が寿命を縮めることもある。
生活習慣病の代表選手、糖尿病はどうか? 現在、糖尿病の治療薬として一般的に処方されているのはDPP-4阻害薬だ(ジャヌビア、エクア、ネシーナなど)。比較的安全な薬とされているが、岡田氏はその効果にも懐疑的だ。
「DPP-4阻害薬はARBより新しい薬。これも改めて最新の論文をチェックすると、やはり総死亡率を下げるほどの効果はないと結論付けられている。確かに血糖値は下げる。しかし、元気で長生きするということにはつながらないという意味でARBと同じです」
そして、この薬もデメリットがある。DPP-4阻害薬は飲み合わせに細心の注意が必要なのだ。かもめメディカルケアセンター施設長の藤井昭夫氏が語る。
「DPP-4阻害薬は色々な薬と処方されることが多い。糖尿病の内服治療薬のSU剤と一緒に使うとインシュリンの分泌が増強され、低血糖が起こります。低血糖はひどい場合ですと命に関わりますし、認知症が進むことがわかっています」
■飲み合わせが悪いと死ぬ
薬の飲み合わせは思わぬ副作用を産むことがある。服用する薬の種類が多ければ多いほど、飲み合わせは複雑になり、危険性は増していくばかりだ。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。
「腰痛にせよ、脳卒中の後遺症にせよ、長患いをすれば患者さんにはうつ的な傾向が出てきます。それで精神科に行くと、抗うつ剤を出される。しかし精神科の先生が、他の薬との相互作用まで気を配るかわからない」
統合失調症や双極性障害(躁うつ病)の薬としてよく売れているジプレキサも、安易に処方されたら大変なことになる。
「糖尿病の人や、そのリスクのある人は飲んではいけないことになっています。インスリンの分泌が悪くなり高血糖になりすぎて、死亡した例があるからです」(藤井氏)
たいていの医者はこれほど重要な副作用は把握しているが、恐ろしいことに、知らない医師もいる。また、ジプレキサを服用すると食欲が増進し、肥満になりやすいという報告もあるので、もともと肥満気味の人は気を付けたほうがいい。
認知症薬のアリセプトは、ジェネリック薬が出たので、売り上げは下降気味だが、それでも認知症の薬としてはトップの売り上げ(20位469億円)だ。前出の田辺氏は、その効果に否定的だ。
「明らかに濫用されています。理屈の上ではアルツハイマーの進行を遅らせることになっていますが、脳の伝達系統のうちメインではないラインを抑えているだけで、アルツハイマーの原因を叩く薬ではない。対症療法に近い薬ですね」
アリセプトは副作用で患者の攻撃性が増すケースが報告されている。
「アリセプトは脳内の信号伝達を補う薬です。衰えてきた脳内細胞に働け、働けという薬なのですが、患者によっては暴れたり、攻撃的になったりするケースがある。総合的に考えて、私はアリセプトやメマリーなどの認知症薬を処方することをやめました」(岡田氏)
年齢を重ねてくると、誰でも筋肉が衰えて怪我をしやすくなる。骨折でもすると寝たきりになってしまう場合もあり、骨が弱くなる骨粗鬆症は怖い症状だ。骨粗鬆症の薬はフォルテオが19位に入っているが、薬剤師で栄養学博士の宇多川久美子氏は「骨粗鬆症の薬は医者に処方されても、飲む必要はない」と語る。
「私自身の経験の話ですが、骨粗鬆症の薬を飲んで骨密度が上がったという例をほとんど知りません。
半年薬を飲んで『変化なし』でも、医者は『これから効果が出るところだからやめないように』という。そして2年後に骨密度が下がっていたら、『薬を飲んでいたから、この程度の下がり方で済んだのだ』と言ってさらに服用を促します。
骨密度がほとんど上がらない薬を飲むよりも、転倒の原因である筋肉の衰えを防ぐことのほうがずっと重要です」
本誌の取材で医師や薬剤師から「安易に飲み続けてはいけない」、「薬価が高いのにあえて飲む理由が見当たらない」と指摘を受けた薬が、売り上げトップ30種のうち6割以上(20種類)を占める結果となった。
薬には必ず副作用がある。効果のわからない薬を飲み続けるということは、目に見えないリスクを高めるだけで何もいいことがないと、医師たちはよく知っている。
太字は本誌取材において、「飲み続けることの危険性」や「その薬剤を選択することの積極的な意味が見いだせない」という点を指摘された薬剤。売上高は'14年度。※出典「日刊薬業」ホームページより
「週刊現代」2016年6月18日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。