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※2025年1月18日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
全ての対応が後手後手(C)日刊ゲンダイ
全ての対応が後手後手で、墓穴を掘り続けているフジテレビは、これが企業体質なのだろう。待ち受けているのは内部からの相次ぐリーク、経営陣の退陣、信用失墜、番組崩壊、スポンサー離れ、株価暴落、営業危機、組織崩壊、国会追及…と火だるま必至。
◇ ◇ ◇
対応が後手後手のうえ、ひどい隠蔽体質だ。
元SMAPの中居正広の女性トラブルをめぐり、社員の関与が報じられたフジテレビが、17日ようやく記者会見を開いた。しかし、港浩一社長が「多大なご心配、ご迷惑をおかけした」と謝罪した場面に出席できたのは、「ラジオ・テレビ記者会」なる記者クラブに所属する限られた大メディアのみ。「2月の定例会見の前倒し」だとして、週刊誌や夕刊紙、ネットメディアを排除しただけでなく、ナント、出席メディアに動画撮影や配信も認めなかった。自らが置かれた危機的状況がまったく分かっていないようだ。
失笑モノは自社の会見について報じたフジのニュースだ。静止画にコメントを読み上げる形で社長の冒頭発言を延々と流した。まるで紙芝居。ネット上では「北朝鮮か!」とツッコミの嵐である。
最悪の危機管理
昨年末、「女性セブン」に続き「週刊文春」がこの女性トラブルを報じてから正月をはさんで半月。フジテレビの編成部長が性被害に遭った女性を“上納”した疑いがあることや中居が解決金として9000万円もの大金を支払ったなどと報じられ、ネットを中心に世間の関心は過熱化した。
だが、フジは年末に、<当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません>などと公式サイトにコメントを出したきりで沈黙。中居の出演番組が、テレビ各局で次々中止となり、「一体何が起きているのか」と視聴者は不信感を募らせるばかりだった。
フジが急きょ、社長会見に舵を切ったのは、14日に外資の大株主から「コーポレートガバナンス(企業統治)に重大な欠陥がある」として第三者委員会での調査を要求されてからだ。「文春」が同様の被害に遭った別のフジ女子アナの告発を報じ、“上納”が組織的かつ常習的である疑いが強まったことも影響しているだろう。会見は、追い詰められ、仕方なく、ということである。
「閉鎖的な会見で、素人にも分かるほどのあからさまな逃げ方。企業の危機管理として最悪です。テレビ局ぐるみで女衒のようなことをやっていたとすれば、大株主が激怒するのは当然ですが、株主の意向に従って動くのではなく、道徳や倫理規範をベースに、テレビはあくまでも視聴者第一であるべきです」(放送倫理・番組向上機構=BPOの委員を務めたこともあるジャーナリスト・斎藤貴男氏)
沈黙し続けた責任は重い
出席したメディアの報道によれば、社長会見は1時間45分ほど。「発生直後の2023年6月にトラブルを把握し、中居からも話を聞いていた」「女性のプライバシー保護を最優先し、会社として秘匿性の高い事案と判断した」「第三者の弁護士を中心とした調査委員会を立ち上げる」などと説明したという。
ただ、第三者委員会がいつ発足するか不明のうえ、今後の調査を理由に「回答を控える」を連発。驚いたのは、これまで否定していた「社員の関与はない」という核心部分についてさえ、「そう思いたいが、調査に委ねたい」と答えたことだ。女性社員らに性的行為を強いる組織的な慣行があったとの疑惑にも、「ないと信じている」との答えだった。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏はこう言う。
「フジテレビの初期対応のまずさを露呈した形です。トラブルについて発生直後に把握していたと会見で認めました。第三者の調査委員会の設置については一定の評価はしますが、それならば、なぜもっと早く設置を表明できなかったのか。ここまで沈黙し続けた責任は重い。会見では、プライバシーや守秘義務を沈黙の言い訳にしました。記者の質問にものらりくらりだったと。これでは、テレビ業界への印象がさらに悪くなることはあっても、良くなることはない。再生への道は険しくなりました」
墓穴を掘り続けているフジは、案の定、社長会見で火に油を注いでしまった。
社員も系列局も怒りと批判で大混乱
中居正広(C)日刊ゲンダイ
フジ社内は既に大混乱だ。
長年続くスポーツイベントの冠スポンサーから「降りる」と連絡があったというし、番組スポンサーからは「提供表示を外してくれ」との要望が相次いでいるという。「社長会見を受けて、提供外しの依頼がさらに殺到」(フジ社員)だそうで、目も当てられない惨状である。営業担当は行く先々で問題となっているトラブルについて突っ込まれるが、会社が説明をしないため答えられず、涙をのんでいる。
港社長が「社員を守る」という一斉メールを送ったことについても、「守るのは編成部長だろう。そのために社員を道連れにしている」(別のフジ社員)と憤る。
フジの番組を流している系列局も怒り心頭だ。スポンサー離れのとばっちりはもちろんだが、社長会見を17日開いたことへの批判もあるという。
「1月17日は阪神・淡路大震災が発生した日で、今年は30年の節目。そんな大事な日に親局が不祥事会見ですよ。テレビマンとしての人権感覚を疑います」(系列局の関係者)
かつてフジは「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチコピーを掲げ、視聴率3冠王をほしいままにしていたが、いまや「振り向けばテレ東」の万年4位に低迷。当然、経営も傾く。数年前には早期退職募集で、優秀なクリエーターが何人も退社し、業界を騒然とさせた。
「接待文化の相手は芸能人だけじゃない。政治家やスポーツ選手もそうです。いい番組を作る社員より、そうした相手に食い込んだ社員が会社に重宝される。日枝久相談役が長年君臨する体制の下で、ゴマスリのヒラメ社員ばかりが出世するようになった。巨大組織がダメになる典型です」(テレビ業界関係者)
経営陣が引責辞任しないと収まらない
フジは今後、自壊に向けてまっしぐらだ。
週刊文春を筆頭に雑誌メディアに内部リークがいくつも寄せられているという。第三者による調査がまとまるより先に、新たな爆弾告発が続いてもおかしくない。
次々とスポンサーが離れれば、まともに営業できなくなる。社員やタレントが逃げ出し、組織と番組は崩壊する。トラブル発覚後、2割下落した「フジ・メディア・ホールディングス」の株価もさらに暴落するだろう。激怒した大株主はますます攻勢を強める。国会で追及され、放送免許の問題にまで発展しかねない。火だるま必至だ。
前出の斎藤貴男氏が言う。
「テレビは民放といえども、国が割り当てた電波を使っていて、新聞や雑誌以上に公共性が高い。今回のことで『もうフジテレビは潰してしまえ』という声が大きくなっても仕方がないし、国会審議で『総務省の指導・監督に問題がある』などの質問が出てもおかしくない。少なくとも経営陣が責任を取って辞任しないと収まらないでしょう。元BPO委員としては、この問題こそ、放送界の自主規制機関であるBPOで取り上げるべきだと思います。通常、BPOは個別の番組を審議対象としますが、中居さんの出演番組という切り口でフジの問題を取り上げることができるはず。業界全体で自浄能力を見せることができなければ、テレビはますます衰退の一途です」
人権感覚ゼロの古い企業体質と決別できるのか。フジが存亡の機に立たされているのは間違いない。
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