http://www.asyura2.com/16/health18/msg/757.html
Tweet |
沼野尚美はんはある病院で薬剤師として働いていたが、あるとき異様な光景を目にする。
大部屋の病室にいたとき、その日は地域のお祭りの日で、青年団がおみこしを担いで病院の前を通って行く。そのとき、6人のおばあさんの患者がそれぞれ起き上がってベットの上に正座しておみこしの方向に手を合わせて深々とお辞儀をした。みな示し合わせたかのようなその姿は異様に映った。
その一人に声をかけた。するとその人は淋しそうな表情で「早う死んで土にならんといかんと思い、早くお迎えが来るように拝んでいた。生きていてもなんの楽しみも希望もない。かえって周りに迷惑をかけるだけ」と、訴えるように言った。その言葉を聞いていた他の患者も「あんたの言う通りや」とそれぞれにやるせない思いをその日はじめて語り出した。
6人がそろって語った心の苦しみにふれて彼女の心は痛んだが、ただ病室に立ちすくんでしまった。患者の言葉に大変なショックを受けた。この出来事があってから、彼女は、病める人々が生かされていることに喜びを感じられるようにお助けしたいという気持が日増しに強くなっていって、自らの「使命」になったホスピスの道へまっしぐらに進んで行った。
その過程で、劇的な出会いもあり、それが彼女の背中を強く押した。あるホスピス病棟で、60歳の定年まで働いていた元看護婦・助産婦の老婦人が彼女を取り上げた人だった。婦人は彼女がホスピスの仕事についていることをとても喜んでくれた。
末期癌患者であったその婦人は、亡くなる3週間前、彼女の手を取り「人生の初めと終わりー誕生と死ーには、特別な人の助けが必要…私が死んでいくのを助けてね」と言われ、彼女は自分の使命を明確に認識するきっかけになった。
【出所】沼野尚美「癒されて旅立ちたい」佼成出版‘02年
(ヤブ人)本書を読もうとするもんは、手元にタオルかハンカチを用意した方がええな。
▲上へ ★阿修羅♪ > 不安と不健康18掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 不安と不健康18掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。