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睡眠不足だと痛みは強まる!長さではなく、大切なことは?
The New York Times
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2019.02.14
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2019.02.14
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痛い
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不眠でずっと悩んでいる人は、睡眠不足と痛みの関係について科学が示していること、つまりこのふたつが関連し、それぞれがお互いを悪化させているということをよくご存知かと思います。
たとえば、腰痛や坐骨神経痛や関節痛など、慢性的な痛みを抱えている人は睡眠不足になることがよくあります。熟睡できないと翌朝の腰痛はひどくなり、するとその日の夜に熟睡するのががますます難しくなるという具合です。
なぜ睡眠不足だと痛みがひどくなるの?
アイマスク
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なぜ睡眠不足だと痛みがひどくなるのかについては、完全にわかってはいませんが、それは切り傷やねんざなどのケガに対する体の反応の仕方に関係しているようです。
まず、神経が脊髄を通じて(ケガの箇所から)脳へシグナルを送り、痛みを感じます。脳では、神経領域のネットワークがケガに反応して刺激され、その痛みの感覚に対応したりそれを緩和しようとします。これを、攻撃された地上チームとそのダメージを食い止めようとする司令センターとの間の生理的会話だと思ってください。
そしてこのたび、この会話の(脳からの)トップダウン指令の特質と、それが睡眠によってどんな影響を受けるのかが、このたび、ある神経学者チームの新しい研究によって明らかにされました。
睡眠で痛みが変われば、薬が不要になる?
薬
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睡眠ラボを使った実験では、わずか一晩の睡眠不足で痛みのしきい値(閾値)が15%以上も下がり、ペインマネジメントを行なう脳の部位に明らかな兆候が見られたのです。
また別の実験では、日々の平均睡眠量のわずかな偏差によって(被験者が感じる)翌日の痛みの全体量(総量)を予想できることもわかりました。
アメリカ国立心肺血液研究所の睡眠障害部ディレクター、マイケル・J・トゥエリーさんは、「これらの研究結果で興味深いのは、このメカニズムを解明するため、今後の研究が促進され正当化されることですね」と述べています。
彼は、この研究には関わっていませんが「睡眠不足がどのように痛みの経路機能を変化させるのかが明らかになれば、あらゆるタイプの痛みに対して、より効率的なペインマネジメントが可能になるでしょう」と述べています。
ほかの研究者たちは、この調査が小規模であるため、より大規模な再生調査が必要だと警告しています。しかし、慢性痛とからんで麻薬中毒が増えているとき(訳注:アメリカでオピオイド系鎮痛剤の中毒者が増えている現状を指している)、この研究は、体には痛みに対処する能力があり、処方薬なしでその能力を高めることができることを明らかに気づかせてくれるとも述べています。
「あっつい!」の感覚も寝不足だと強くなる
炎
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この新しい研究チームの主導者であるカリフォルニア大学バークレー校のアダム・J・クラウスさんとマシュー・P・ウォーカーさんは、25名の大人を実験室へ二度招き、熱さに対する痛みの閾値を測定しました。
それぞれの被験者は、一晩寝た後の朝と徹夜後の朝に2回測定されました。その2回の測定の間は最低でも一週間は空いており、脳撮像による測定も含まれています。
被験者は、熱くなった小さなパッドが足首に近い皮膚に押し付けられたときの痛みの感覚を評価しました。温度をゆっくり上下に調節することによって、被験者は痛みを1から10までのレベル(10が「耐えられない」)で判断しています。
すると、徹夜後の翌朝には、被験者全員の熱に対する感覚は、痛みレベルで15%から30%上がっていました。これは予想どおりでした。さまざまな痛みに対して同じような研究結果がすでに出ていたからです。
睡眠不足だと痛みは強まり、鎮痛作用は弱まる
ホムンクルス
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しかし、脳撮像を行うことによって、新しい次元も明らかになりました。それぞれの被験者の脳では、痛みを感じる部位の活動が急激に上がっており、痛みのコントロールや減少に関連していると思われている部位の活動が急低下していたのです。
最大の活動があったところは体性感覚皮質でした。これは、脳の上部にありヘッドフォンのように左右に伸びているひものような神経組織です。
「ホムンクルス」と言われる、身体が歪んだように描かれる体性感覚の地図が位置するところで、こここそが、痛みの感覚を「痛い」と意識する部位だと見られています。一方、活動が最低だったのは、視床や側坐核のような脳のもっと深い部位でした。
「これは、同時にふたつのことが起こっていることを示しています。痛みの感覚が強調されていること、そして自然な鎮痛反応が失われているということ。この両方が起こっているという事実には驚きました」と、カリフォルニア大学バークレー校にあるCenter for Human Sleep Science(人間睡眠科学センター)所長のウォーカーさんは述べています。
故意に睡眠不足になるというのは、自然界ではほとんどありません。そのため、ペインマネジメントシステムを回復させたり調整したりする脳のバックアップシステムが進化しなかったのかもしれない、とウォーカー氏は語っています。
睡眠の量より質が重要なのです
耳せん
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別のトライアルでは、毎日痛みを感じているという大人60名がオンラインで集められました。参加者は2日にわたって、睡眠と痛みを評価。朝には前夜の睡眠を、そして夕方には痛みのレベルを測りました。
ここで、睡眠の質が低いと、参加者の痛みのレベルが高いことが推察されました。この調査では、睡眠の長さは決め手になる要素ではないことがわかったのです。重要なのは、深い睡眠、つまり夢を見ないほどの熟睡状態に移ることなのだそう。
この調査が示す意義は幅広く、おそらく病院から始められるべきでしょう。病院とは、騒音レベルが高くひんぱんに邪魔がはいる場所です(訳注:人の移動や数時間ごとの検査などで入院患者が熟睡できないことがアメリカでは近年問題になっている)。この研究の関係者は、飛行機の機内のように、病院でも耳栓や睡眠マスクを配布することは、費用もそれほどかからず、患者の回復を早め入院期間を短縮することができると提案しています。
「精神医学と記憶分野において、睡眠が大きな役目を果たすことが判明したのはプラスです」と述べているのは、ハーバード医学部精神医学科準教授のロバート・スティックゴールド医学博士。「マイナスなのは、研究から実践まで平均10年以上はかかるということです」
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©2019 New York Times News Service[原文:No Slumber, More Pain: Trying to Understand Why/執筆:Benedict Carey](翻訳:ぬえよしこ)
https://www.mylohas.net/2019/02/184879nyt_slumber.html
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