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富裕層が通う1回3万円超「花粉症スパ」の効果
http://president.jp/articles/-/21604
2017.3.19 PRESIDENT Online
■そもそも「スパ」とは何をする場所なのか?
“国民病”といわれる花粉症。厚生労働省のウェブサイトでは、「有病率は全国平均で15.6%」というデータが紹介されている。日本の総人口は約1億2683万人(今年2月1日現在)なので、ザッと見積もって1900万人が花粉症に悩んでいることになる。
換言するなら、花粉症関連の市場は1900万人の潜在顧客を抱えているわけだ。これは、なかなかの巨大市場である。企業側からすれば、花粉症は商機だ。マスクやメガネといった定番商品だけでなく、あらゆるサービスが「花粉症」に紐付けることで、需要拡大が狙える。
そうしたなか、高級ホテルが「花粉症対策」のサービスを手がけているのをみつけた。ハイアット リージェンシー 東京(東京・新宿区)では、28階にあるスパ&ウェルネス「ジュール」で「花粉症対策 デトックス スパ パッケージ(以降、花粉症スパ)」を提供している。料金は……105分3万7800円(税込)。見た瞬間、思わず「高いっ!!」と叫んでしまった。
一体、どんな人が利用するのか。それが率直に感じたことである。ハイアット リージェンシー 東京の宿泊料金は1名2万3375円から(楽天トラベル3月10日現在、日付未定)。「花粉症スパ」の利用料金で、ホテルに泊まれてしまう。そもそも「スパ」が何をする場所なのかもよくわからない。
調べてみたところ、スパの本来の意味は「温泉・鉱泉」だ。そこから「温泉・鉱泉の出る保養地、保養施設」も指すようになった。そして近年では、癒し効果や疲労回復など心身のリフレッシュに重点を置き、マッサージなどの施術を行う温浴施設のことも「スパ」と呼ぶようになっている。「花粉症スパ」もこれに該当し、「花粉の季節の不快な気分をすっきり、リフレッシュへと導く」という。
とはいえ、スパのことを大まかに理解できても、利用者がどうもイメージできない。そこでさっそく、同ホテルに問い合わせてみた。マーケティング部の支配人である野崎かおり氏は、次のように説明する。
「スパにいらっしゃるお客さま全体で見ると、宿泊されている方が多いです。外国人のお客さまも少なくありません。ただ、スパだけを利用される日本人ビジネスパーソンの方もいらっしゃいます」
高級ホテルをよく利用するような富裕層か、経費を潤沢に使える出張組、高収入サラリーマンあたりがユーザーの中心ということか。それにしても、効果のほどが判然としない花粉症対策に、悩まず3万7800円を支払える人が、そんなに多いとは思えない。
「たしかに『花粉症スパ』を最初から選ばれる方は、あまりいらっしゃいません。そもそも、施設や各種パッケージの存在自体をご存じではない方が多いので。もともと『ジュール』では、お正月シーズン直後のお正月太り対策プランや、東京マラソンのスタート地点に近いことにちなんだランナー向けプランなど、さまざまなメニューを展開してきました。『花粉症スパ』も2012年から提供しています。イベントや季節に合ったメニューを打ち出し、ホテルに宿泊しないビジネスパーソンの方々にも利用してもらえれば嬉しいですね」
野崎氏は「『花粉症スパ』を利用した多くの方は、『これはスッキリする』と満足されてお帰りになります」と語る。そんなに効くの!? と半信半疑な記者の気配を察してくれたのか「よろしければ、ぜひ体験を!」と熱烈なお誘いがあり、今回、料金無料で施術を受けられることになった。
眼下に広がる景色を眺めながらカウンセリングを受ける記者。すでに心が解放的になり、少々興奮気味。
■鼻炎の悩みを忘れさせた「ユーカリの香り」
では、「花粉症スパ」はどんな内容なのだろうか。
「今年は内容を一新し、腸にフォーカスしています。とくに男性向けのプランでは、腸の活性化に働きかけるストレッチ効果の高いボディトリートメントに加えて、さらに血行を促進させ、治癒力を高める目的でヘッドスパを組み合わせました。鼻水や鼻づまりといった不快感の軽減だけではなく、力強い、ダイナミックなストロークが、デスクワークや外回りで凝り固まった肩、首、腰、足の疲れも和らげてくれます」
そこで今回、滑舌が悪くなるほどの鼻炎に年中悩まされている35歳の中年記者が、花粉症対策パッケージを実際に体験してみることにした。
スタートはカウンセリングから。体質改善やデトックス効果が期待できるオリジナルの酵素ドリンクを飲みながら、セラピストの問診を受ける。花粉症対策コースを希望しても、体調や症状によって別のプランを提案することもあるという。
カウンセリングが終わると、いよいよトリートメントルームへ。最初にミストが充満したシャワールームで汗を流し、真っ白なガウンを羽織ったら、足湯タイムだ。セラピストが塩のスクラブを膝から下に丹念に揉み込んでくれる。早くも身体の芯が温まり、全身に熱が籠っているような感覚を覚えてしまう。毛穴という毛穴からじんわりと汗がにじみ出る。
ボディトリートメントの最中。ミントがブレンドされたオイルを使って丁寧に身体をほぐしていく。施術中の室内はまるでスポットライトのように身体にだけライトが当たり、周囲はもっと暗い。
施術効果を高めるために基礎代謝を上げたら、いよいよ本格的なトリートメントがスタート。薄暗くした部屋のなかで心地よいヒーリング音楽を聴きながら、全身の凝りをほぐしつつ、腸の活性化を目指すトリートメントが行われる。免疫力を高めるべく、腸の形に沿ってトリートメントを施した後、呼吸に合わせながらゆっくりと静かに圧をかけていく。
原稿の締め切りや編集者のムチャぶり取材などに追われ、不規則な生活が続く記者のお腹は、メタボ気味ということもあってかなり張っていた。だが、苦しいと感じることはなかった。トリートメントに用いられるミントがブレンドされたオイルは人肌ほどに温められ、実に心地よい。十分に開ききった毛穴からオイルが浸透し、全身を爽快感のある香りが包んでいく。
呼吸に合わせながらゆっくりと腹部に圧をかけ、腸内の活性化をはかっていく。施術後、1週間くらいは便通がかなり良かった。
施術中はリラックス効果を高めるため、視界が閉ざされているので、セラピストの動きを見ることはできない。同伴していた編集者いわく「動きはなかなかダイナミックだけど、ハープを奏でるような優しいタッチ」と、セラピストの手技に賛辞をおくっていたが、実感としては、メリハリがあり、要所では意外と力強い。まさに“イタ気持ちいい”のだ。
そしてトリートメントも終盤へ。全身にストレッチを施したら、最後の締めはヘッドスパだ。鼻粘膜の腫れを鎮め、空気の通りを良くすると言われているユーカリがブレンドされたオイルで首から頭にかけての凝りをほぐしていく。呼吸するたび、鼻腔や喉にすっきりとした香りが通り抜ける。気づいたときには、鼻炎であったことも忘れていた。
■非日常的体験で花粉症もスッキリ!?
ボディトリートメントとヘッドスパで視覚、聴覚、触覚、嗅覚を心地よく刺激されたら、残っているのは……そう、味覚である。トリートメント後には、フルーツのゼリーやハーブティーなどで構成されたスパミール(軽食)が用意される。五感をフルに刺激され、“幸せのホルモン”であるオキシトシンが分泌されているのか、食べ終わるころには日ごろあまり感じたことのないような多幸感に満たされた。
ユーカリがブレンドされたオイルで行われるヘッドスパ。首筋や耳裏からクリアな香りが漂ってくるので呼吸も楽になる。お土産で同じオイルがもらえるので、自宅でもヘッドマッサージなどに用いてスッキリできるのが嬉しい。
退店間際、セラピストから手渡されたのは、一本のヘアオイル。これは、先ほどのヘッドスパで使用したのと同じものだ。「鼻水や鼻づまりなど花粉症が引き起こす不快感を、少しでも軽減できれば」という思いから、花粉症パッケージのお土産として渡しているものだという。まさに“至れり尽くせり”だ。
今回、記者が体験した『花粉症スパ』は、トータル105分で3万7800円……正直、おいそれと支払えるような金額ではない。だが、「仕事の作業効率を下げる鼻づまりなどの煩わしさが解消」「腰回りが若干シェイプアップ」「基礎代謝の向上と免疫力のアップ」といった効果がもたらされるのは、大きなメリットだ。なにより「高級ホテルの高層階で提供される非日常的な体験」のカタルシスは、衝撃的ですらある。そうした付加価値を含めて考えると、価格通りの価値はあるように思った。
花粉症の時期に合わせて、さまざまなニッチを狙ったビジネスが展開されている。「花粉症対策」と「ラグジュアリーなスパ体験」を掛け合わせた「ジュール」のように、独自のサービスで新しい価値や話題を創出し、顧客獲得を目指すのも、花粉症ビジネスのひとつの形なのかもしれない。
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